めろきゅん企画・第六弾『しりとり』に参加してみたくて、書いてみましたが…。
方向性が妖しすぎるので、今回は断念!!
めろりんで、きゅんな企画様に、『犬プ○イ』は不味かろうと、自主規制。
次の機会に、頑張ります!!
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本当にタイミングが悪かった。
今キョーコが演じているのは、犬の調教師。
その役の名残が、残っていたのだろう…。
だから咄嗟に、こんな言葉が出てしまったのだ。
「ステイ!!」
その言葉が寝室に響いた途端、発した本人も聞いた人間も凍りついた。
それもそうだ。
それは犬のしつけ用のコマンド。
人間に対して使うものではないのだから。
(バカバカバカ!! 私の馬鹿!!)
目の前に迫る芸能界一いい男の顔の前に、立てた手のひら。
その柔らかい平には、甘く唇が押しつけられている。
朝早い時間に、ダダ漏れになった男の色香。
それに惑わされそうになり、なだれ込みそうになった所で思わず飛び出したコマンドが、『ステイ』だ。
(人様に使うものじゃないじゃない!!)
シーツを全身に絡みつかせ、不埒な蓮の手から逃れる為必死だったとはいえあまりにも失礼だ。
蓮の唇と触れ合っていた手のひらが、甘く噛まれる。
「いたっ…!!」
甘くしびれる感触に、昨夜の余韻に引きずられないよう下腹部に力を込める。
潤み始めた瞳に力を込めて、
「だめ、です!!」
きっぱりと断ると、男の瞳もとろりと蕩けた。
夜の帝王むき出しのそれに、キョーコの肩が脅えたように震えた。
「わん」
手のひらに触れた唇が、発した音はまさかの『鳴き声』
「蓮さん!! コマンド使ったのは謝りますから!! もう、起きましょう?」
「わん!!」
楽しそうに犬の真似をする、蓮。
見えない尻尾が、振られているのが見える。
すりすりと高い鼻を擦りつけられ、べろりと舐めあげられた。
「ひぁ!!」
「わんわん!!」
とても嬉しそうに、犬の真似をする蓮。
本当に、楽しそうだ。
キョーコが大好きすぎる、駄犬と言ったところか。
「っっ!! シット!!」
困り果てたキョーコがまたしても、コマンドを発する。
すると、ほんの少しだけ距離を置き、ベッドの上にちょこんっと腰かける。
顔に浮かぶ笑みは夜の帝王なのに、仕草は犬のよう。
そのギャップに、キョーコは身悶えた。
(うぅぅ!! 可愛いじゃないの!!)
騙されてはいけないと思うけれど、騙されてもいいと思う。
可愛いくて恰好いい、キョーコの『愛犬』
「わん」
ジレンマに陥ったキョーコの心を読んだかのように、蓮が小さく鳴いた。
傾けられた、頭。
サラサラの髪が、キョーコを誘う。
「ぅぅっ!!」
「わん、わん?」
「ぅぅぅぅ~~!!」
可愛い鳴き声と、差し出される頭。
誘われるまま、誘惑されるまま、そのサラサラの髪に指を差し入れる。
指の間をすり抜けるその感触を楽しみ、調子に乗って耳の裏や首のあたりまで撫で擦る。
すると、気持ちよさそうに目を細める、蓮。
(可愛い~~~!!)
もしゃもしゃと思うが儘撫でまわし、終いには逃げていたのも忘れて、ぎゅぅっと首に抱き着いてしまう。
「わんわん!!」
「きゃ!! 駄目!! 朝だから!!」
感極まったのか、それとも計算か。
大人しく撫でられていた『ワンコ・蓮』は、抱き着いてきたキョーコの体を押し倒すとその鼻を使って、巻き付いていたシーツを探る。
恐るべき器用さで、剥されていくシーツ。
「ステイ!!!」
「・・・・そのコマンドは、もう聞かないよ? キョーコが好き過ぎる、駄犬はもう我慢が聞かないんだよ」
ワンコの皮を脱ぎ捨てたオオカミは、もう飼い主の言う事を聞かない。
本能のままに暴れ、本能の赴くままに飼い主に襲い掛かった。
「ワンコプレイには付き合っただろう? 次はキョーコが付きあってね?」
「ぅう…、いやぁぁぁ・・・・!!」
朝の爽やかな日差しの元に、キョーコの悲鳴が響き渡ったのだった。
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