暗闇の中で触れ合うのは<中> | 妄想★village跡地

妄想★village跡地

スキビ二次元創作物の残骸がある場所です。閉鎖いたしました。
リンクフリーではありません。無断リンクはお断りしております。

アメンバ様300人突破祭りを、魔人様よりお預かりした罠で、開催しますww


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


少しずつ遠ざかって行く、雷。

風の音は相変わらず酷いが、天候は回復に向かっているようだ。


(よかった・・・。撮影も、何とか再開できるな)


蓮は冷静に判断して、大分静かになったキョーコに意識を向ける。

震えもだいぶ収まって。悲鳴もほとんどあげなくなった。

床の上に座っていると、いくら夏とはいえじんわりと寒さが這い上ってくる。


「最上さん、大丈夫? 寒くない?」


お互いに、防寒には不向きな服装で。

互いに身を寄せ合って、ただ温もりを分け合う。

トランシーバから漏れてくるノイズ交じりの声は、混乱を極めていて。

助けを求められるような状況でないことを、如実に物語っていた。


「だ、大丈夫です・・・。それより、衣装・・・。壊してしまいました・・・」


もぞもぞと、足の間で身じろぎする痩躯。

紐の外れた布を、何とかならないかと試行錯誤してるようだった。

針も糸もないこの状況では、どうにも出来ないのは明白だが。

かといって、肩紐のないキャミソールは油断すると、ずり落ちて大胆な姿を晒すことになるだろう。


(合流するときは、気を付けないと・・・)


キョーコの体を、人目に晒さないよう最大限の努力をしよう。

そう心に決めて、キョーコを慰める。


「肩紐、外れただけでだろう? 大丈夫だよ。衣装さんが直してくれるよ」


ちょっとしょんぼりしたキョーコを、励ますべく言葉を発したのだけれど。


「え!? なんで、分かったんですか!?」


ぴったりとくっ付いていた体が、離れる。

開いた隙間が、悲しい。

離れた体が、切ない。


「さっき、抱き寄せた時・・・。背中が大胆に開いてたから・・・。ごめんね・・・」


(失敗した・・・。言うんじゃなかった・・・)


堪能していた背中が、もう味わえなくなってしまう。


「は、はっ!! 」


「ん?」


「破廉恥ですぅぅぅぅ!!」


そんな絶叫と共に、肩口当たりを強く押された。

不意を突かれたとはいえ、キョーコの細腕で蓮を押しても大した効果は得られず。

逆にキョーコの方が弾き飛ばされてしまう。


「きゃぁ・・・!!」


雷鳴におびえる悲鳴とはまた違う、悲鳴が古城に響く。

そして、離れてゆく温もり。

広がる隙間。

それが嫌で、離れてゆく体をほぼ本能で、追いかける。

よろめいたキョーコの体は、尻もちをつき。

追いかけた蓮の体が、それにぶつかる。


「きゃっ!!」


「うわ・・・っ!!」


再び上がる悲鳴と、悲鳴。

ごちんっと、景気のいい音がちょっと遅れて響いた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


次で、終わりです~


web拍手 by FC2

↑お気に召しましたら、ぽちっとww