「難攻不落な天然乙女のバレンタイン物語-5-」 【完】 | 妄想★village跡地

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魔人様よりリクエスト★

魔人様が書かれたお話の続きを私が、書いて行きたいと思います。


ちょっと時期がずれたけど、バレンタインのお話です★


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凹っとへこんだ気分が、凸っと復活する。

現金なもので、そうなると『呪い』だなんだと言われたことも、気にならない。


「じゃぁ、こういうのも・・・・呪われる・・・?」


小さく震えながら、自分の体を抱きしめていた手を取り。

人差し指で、甲をなぞる。そのまま、平を擽る。


「ひぃぃ・・・・!!」


断末魔の様な、その悲鳴に心は挫けそうになるけれど。

先ほど貰った、『告白』めいた言葉を支柱に手を思うが儘撫で繰り回す。


「どう?」


両手の指をしっかりと絡め、にぎにぎと揉みしだく。


「じょ・・・」


大きく見開かれた目は、今にも零れ落ちそうだ。


「うん」


「浄化されちゃいますぅぅぅぅ!!」


だばぁっと、流れ出した涙。

欲しかったことばとは違うし、『浄化される』の言葉の意味もよくわからないけど。

キョーコの心が、自分に向かっているのが分かったから・・・。


「・・・・・・酷い言われ様だけど、いいよ」


絡めあったままの手の指を、一本一本に触れるだけのキスを落としてゆく。


「ひ・・・・ぃ・・・っぅ!!」


小さな爪に蓮のくちびるが触れるたび、上がる奇声すらも蓮の耳には甘く響く。

握りこんだ手の温度も、どんどん上がってゆく。


「消えない様に、刻み込んでるんだから。そのまま覚えててよ」


ぐにぐに、にぎにぎ。

すっぽりと包みこめるサイズの、それを堪能する。


「どうして、呪うんですかっぁぁぁ!! そんなに、わたいの事嫌いですかぁぁっ!?」


「違うよ。好きすぎて、どうしようもないから、刻み込んでるの」


「嘘です!! そんな、うそに、わたし、騙されないんですから!!!!! ぅっく、嘘つきな敦賀さんなんて、らいっ嫌い!!」


嘘つき、嘘つきと罵りながらも、小さな手は蓮に握りこまれたままだ。

それが、益々蓮を上機嫌にさせる。


「嘘じゃないよ。どうしたら、信じてくれる?」


「ひぃく・・しんじません!!」


(ん・・・?)


ここにきて、蓮はようやっと一つの事実に気づいた。


「ぅく!! えせ、しんしなんです!! 騙されたら、わたしないたう・・・・」


ちょっとずつ、呂律が妖しくなっている事に。

涙に溶けていた瞳が、別の何かでも溶けていることに。


「だから、のろわないでぇぇぇぇ・・・」


正に、断末魔の悲鳴を残しキョーコの意識が途切れた。


「ちょっと!! 最上さん!?」


ふぅぅっと、力を失い倒れ込んでくる体を、抱きしめて支え。

呼気に混ざるアルコールの、香りに追い打ちをかけられる。

ほんのちょっとの心算だったけれど、呑みなれないキョーコには泥酔できる十分な量だったらしい。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ぽこっと復活した心が、ぺこっと再び凹んだ。


「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだよね。そうなるよね・・・」


くたっと、力の抜けた体を深く抱きしめ、ため息。

ふんわりと甘く香る体臭を、肺いっぱい吸い込んで。

決心を固める。


「うん。君の気持は、よぉぉぉく分かった。手加減しないから、覚悟してね?」


蓮のお姫様は、深い夢の中。

明日から襲い来る、猛攻を知ることなく、健やかな寝息を立てている。


「うん。頑張るから。がんばるよ・・・」


だから、頑張って付いてきてね?




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魔人様、お待たせしました~><

珍しく、くっ付けないで終わらせてみました★