あう、まなざし | 妄想★village跡地

妄想★village跡地

スキビ二次元創作物の残骸がある場所です。閉鎖いたしました。
リンクフリーではありません。無断リンクはお断りしております。

アメンバ様100人突破記念祭、リクエスト第2弾は
sei様より キョーコちゃんが、「勝手にキッチリ失恋気分。恋心よ、さようなら」「恋愛感情は否定しなくなったので次の恋へ走れるなら走りたい」「そんな時に好青年の相手役(見た目は宗像;クレパラ参照)に出会い、その人柄の良さや、やさしさに癒やされちゃったら?」
必死になる蓮くんと、キッチリ諦めてある意味スッキリしちゃたキョーコちゃん。(こういう切り替えは女性のが早い)
ヘタレ似非紳士は、キョーコの蓮への恋心を取り戻せるのか。


と頂きました。
sei様に捧げます

オリジナルキャラがいますので、苦手な方はご注意ください


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



どうして、なんで。

疑問がいっぱい渦巻いている。


ただわかるのは、ハルを傷つけけてしまったことだけ


(私、最低だ・・・)


すいすい滑る車の助手席に収まりながら、唇を噛む。

結果的に、寂しさを紛らわすためにハルを利用したようなものだ。


(あんなに優しかったのに・・・)


陽だまりのようなハルの優しさに、付け込んだ様なものだ。


「・・・・渡さないよ?」


「え?」


「ハル、だっけ? 彼の事が好きになった? 優しくしてもらった?」


冷たい蓮の言葉は、ハルを貶めているようで思わず蓮に噛みついてしまう。


「ハルは、・・・いい人です。優しかったし、元気づけてくれたし・・・」


「『ハル』ね・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


刺すような言葉は、容赦ない。

運転している蓮の視線は、前を向いて動かないのに射抜かれているような、そんな心地になる。


「キョーコの気持ちを聞いた今、俺は君を離すつもりはないし。他の奴に視線だってくれてやるのも許さないよ」


「なんですか、それ・・・」


「今日は、ハルとやらのたっての願いでキョーコの時間をあげたけど」


まるでキョーコが蓮の所有物のような言い方。


「そんなことするの、これが最後だから」


「なんで・・・」


呟けば、きゅ!! 路肩にいささか乱暴に車が止まる。


「『だった』にするつもりが、ないから」


前を向いていた視線が、キョーコに向けられる。

シートベルトを外し、蓮がキョーコに押しかかってくる。


「っ・・・」


(こわい・・・)


「つるがさ・・・・」



「違う。他の男は呼び捨てにするのに、俺は違うの?」


お腹を空かせた肉食獣のような、滴る色香を持て余した遊び人のような、濃厚な気配。


「なんで・・・」


「なんで? 君は、『好きだった』って言ったでしょ? 始まってもいないのに、勝手に終わらないで。勝手に、過去にしないで」


濃厚な気配が、キョーコに忍び寄る。


「最初からはじめよう、とは言わない。やり直しさせて、とも言わない。恋愛は二人でするものだ。一人で終わらないで。続きを、二人で作ろう?」


ちぅ・・・・


唇が、触れ合う。

掠めるような、一瞬のふれあい。

けれど・・・


(全然違う・・・)


ハルの時と・・・。

一瞬触れ合っただけなのに、キョーコの体の奥にぽうっと熱がこもる。

掠める唇は、頬へ目元へ、耳元へ、動く。


「おれは、おわりたくない・・・」


ひた・・・・


耳元でささやかれ、キョーコの肌が泡立つ。


「ハルが埋めたところは、染め変えてあげる。俺色に塗り替えるよ。だから、どこにも行かないで。俺の傍にいて」


「ひぁ・・・」


れる・・・・

耳殻を舌で辿られる。


「ね、俺の全てをあげる。だから、キョーコの全てを、頂戴?」


囁かれる言葉は、甘い毒の様にキョーコの思考を侵食する。


「いっしょに、しあわせになって・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・れん・・・・・・」


吐息と、混ざったつぶやきは。

誰よりも近くにいる人に、届いたようで。


「うん?」


「わたしで、いいの?」


「ちがう、キョーコじゃなきゃいやなの」


「ひぃっく・・・・」


嬉しくて、涙があふれる。

それを、唇で吸われて。


「ふつつかものですが、よろしくおねがいします」


「こちらこそ・・・」


長い曲折を経て、漸く結ばれた二人は。

二度と離れることはなかった。


おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


漸く終わりました!!

sei様、お待たせして申し訳ありません!!

ウチの蓮様は、力技でした(笑)

桃色突入するところを、何とか回避。

ハルちゃんだけが、可愛そうな結果に終わってしまいましたが・・・。

まぁ、蓮キョですから。致し方ないということで・・・。


お気に召せば幸いです★