sei様より キョーコちゃんが、「勝手にキッチリ失恋気分。恋心よ、さようなら」「恋愛感情は否定しなくなったので次の恋へ走れるなら走りたい」「そんな時に好青年の相手役(見た目は宗像;クレパラ参照)に出会い、その人柄の良さや、やさしさに癒やされちゃったら?」
必死になる蓮くんと、キッチリ諦めてある意味スッキリしちゃたキョーコちゃん。(こういう切り替えは女性のが早い)
ヘタレ似非紳士は、キョーコの蓮への恋心を取り戻せるのか。
と頂きました。
sei様に捧げます
オリジナルキャラがいますので、苦手な方はご注意ください
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どうして、なんで。
疑問がいっぱい渦巻いている。
ただわかるのは、ハルを傷つけけてしまったことだけ
(私、最低だ・・・)
すいすい滑る車の助手席に収まりながら、唇を噛む。
結果的に、寂しさを紛らわすためにハルを利用したようなものだ。
(あんなに優しかったのに・・・)
陽だまりのようなハルの優しさに、付け込んだ様なものだ。
「・・・・渡さないよ?」
「え?」
「ハル、だっけ? 彼の事が好きになった? 優しくしてもらった?」
冷たい蓮の言葉は、ハルを貶めているようで思わず蓮に噛みついてしまう。
「ハルは、・・・いい人です。優しかったし、元気づけてくれたし・・・」
「『ハル』ね・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
刺すような言葉は、容赦ない。
運転している蓮の視線は、前を向いて動かないのに射抜かれているような、そんな心地になる。
「キョーコの気持ちを聞いた今、俺は君を離すつもりはないし。他の奴に視線だってくれてやるのも許さないよ」
「なんですか、それ・・・」
「今日は、ハルとやらのたっての願いでキョーコの時間をあげたけど」
まるでキョーコが蓮の所有物のような言い方。
「そんなことするの、これが最後だから」
「なんで・・・」
呟けば、きゅ!! 路肩にいささか乱暴に車が止まる。
「『だった』にするつもりが、ないから」
前を向いていた視線が、キョーコに向けられる。
シートベルトを外し、蓮がキョーコに押しかかってくる。
「っ・・・」
(こわい・・・)
「つるがさ・・・・」
「違う。他の男は呼び捨てにするのに、俺は違うの?」
お腹を空かせた肉食獣のような、滴る色香を持て余した遊び人のような、濃厚な気配。
「なんで・・・」
「なんで? 君は、『好きだった』って言ったでしょ? 始まってもいないのに、勝手に終わらないで。勝手に、過去にしないで」
濃厚な気配が、キョーコに忍び寄る。
「最初からはじめよう、とは言わない。やり直しさせて、とも言わない。恋愛は二人でするものだ。一人で終わらないで。続きを、二人で作ろう?」
ちぅ・・・・
唇が、触れ合う。
掠めるような、一瞬のふれあい。
けれど・・・
(全然違う・・・)
ハルの時と・・・。
一瞬触れ合っただけなのに、キョーコの体の奥にぽうっと熱がこもる。
掠める唇は、頬へ目元へ、耳元へ、動く。
「おれは、おわりたくない・・・」
ひた・・・・
耳元でささやかれ、キョーコの肌が泡立つ。
「ハルが埋めたところは、染め変えてあげる。俺色に塗り替えるよ。だから、どこにも行かないで。俺の傍にいて」
「ひぁ・・・」
れる・・・・
耳殻を舌で辿られる。
「ね、俺の全てをあげる。だから、キョーコの全てを、頂戴?」
囁かれる言葉は、甘い毒の様にキョーコの思考を侵食する。
「いっしょに、しあわせになって・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・れん・・・・・・」
吐息と、混ざったつぶやきは。
誰よりも近くにいる人に、届いたようで。
「うん?」
「わたしで、いいの?」
「ちがう、キョーコじゃなきゃいやなの」
「ひぃっく・・・・」
嬉しくて、涙があふれる。
それを、唇で吸われて。
「ふつつかものですが、よろしくおねがいします」
「こちらこそ・・・」
長い曲折を経て、漸く結ばれた二人は。
二度と離れることはなかった。
おわり
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漸く終わりました!!
sei様、お待たせして申し訳ありません!!
ウチの蓮様は、力技でした(笑)
桃色突入するところを、何とか回避。
ハルちゃんだけが、可愛そうな結果に終わってしまいましたが・・・。
まぁ、蓮キョですから。致し方ないということで・・・。
お気に召せば幸いです★