アメンバ様100人突破記念祭、リクエスト第2弾は
sei様より
キョーコちゃんが、「勝手にキッチリ失恋気分。恋心よ、さようなら」「恋愛感情は否定しなくなったので次の恋へ走れるなら走りたい」「そんな時に好青年の相手役(見た目は宗像;クレパラ参照)に出会い、その人柄の良さや、やさしさに癒やされちゃったら?」
必死になる蓮くんと、キッチリ諦めてある意味スッキリしちゃたキョーコちゃん。(こういう切り替えは女性のが早い)
ヘタレ似非紳士は、キョーコの蓮への恋心を取り戻せるのか。
と頂きました。
sei様に捧げます
オリジナルキャラがいますので、苦手な方はご注意ください
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キョーコが今出演しているのは、新春公開予定の映画。
山小屋の管理人『ゆり』が、山で亡くした恋人にそっくりな登山家・『静』と出会い再び恋を取り戻し、下山するというストーリー。
スタジオで撮れる部分の撮影は全て終わって。
残りは雪山を使用してのシーンだけ。
「雪山籠りって、どんな感じなんでしょうね?」
「さぁ・・・。でも、ヘリで行かなきゃ行けないような所だから・・・。大変な場所には違いないよね」
『ゆり』役のキョーコと、『静』役のハル。共演部分も多い所為か、何かと一緒にいることが多い。
二人が覗き込んでいるのは、明日からのスケジュール。
それに記された山の場所は、信じられないほど奥まっていて。
携帯の電波も通らないらしい。
「すごそうですよね。そういえば、ご飯とかどうするんでしょう?」
「それも、ヘリで運ぶんじゃない?」
「お弁当が来るわけじゃないから、自炊ですよね?」
スタッフも最小限で、籠る山小屋には簡易ながら上下水道も電気も完備されているので、日常生活に困ることはない。が、一か月間ヘリでお弁当のような出来合いの物を運んでもらうわけにはいかない。
「キッチンがあるからね。俺、料理好きだからそっちの方が嬉しいな」
にこにこと、ハルがいう。
「意外ですね」
ハルの雰囲気は、今どきの若者といった感じで料理をしそうには見えない。
「俺の親が食事を大事にする人だったんだ。一緒に作ったり、食べたり。賑やかだったんだよ?」
その一言に、先生の姿がかぶる。
「・・・・・みんなで食べるご飯、素敵ですね」
「京子ちゃんも、ぜひ食べてね? そこそこ美味しいよ?」
「ふふ、私も料理得意なんですよ? 私のも是非食べてくださいね」
(不思議。この人といると、安心する)
ささくれ立っていた心も、じくじくと痛んでいた心もすべて。
消えていくような気がする。
『彼』の代わりに、少しずつハルの存在が大きくなってゆく。
「明日から、一か月よろしくお願いします。ハルさん」
「こちらこそ、京子さん」
(この人といると、忘れちゃいそうになるわ・・・)
失恋したことも、失恋相手の事も何もかも。
(帰ってきたら、ちゃんと挨拶しなきゃ・・・)
もう自宅には伺えないこと、ラブミー部は卒業できることになった事。
今までお世話になった感謝を、彼に。
(大丈夫。おめでとうもちゃんと言えるわ)
恋いする心の素敵さを思い出させてくれた、彼には感謝をしてもしきれない。
(ちゃんと、前に進まなきゃ・・・)