カオリマジック | 妄想★village跡地

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アメンバ様50人突破記念祭

第四弾は、穂積様より


カインセツ生活×日目、機材トラブルで予定より早く帰れた蓮キョ。

奇しくもその日はホワイトデーだったので、買い物デートへ。カインからセツへと、蓮からキョーコへとダブルプレゼントにドキドキするキョーコ…


という甘いお話はどうでしょう(*^_^*)

桃色にするかはお任せで!


と頂きました。


とりあえず、第一弾。

また続きます

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予定より早く終了になった撮影。

機材トラブルとかで、明日の撮影も中止になり珍しく長めの空き時間が出来た。


「セツ、これなに?」


偶然立ち寄ったコンビニで、沢山並べられていたキャンディに、マシュマロ・クッキーの箱箱箱。


「whitedayって?」


店の中の、一番目立つ一角を占領している色とりどりの箱にカインは興味をひかれたらしく、手のひらサイズのそれを持って、振ってみたり翳してみたり。


「あぁ、バレンタインにチョコを貰った男性がお返しする日でしょ? バレンタインから一か月後の、3月14日・・・・・。あ、今日ね」


セツも小さなそれを手に取りながら、カインの質問に答える。


(そっか。もうそんなに時間がたったんだ・・・)


カインセツカ生活を始めて、結構な時間がたったことを改めて知らされる。


(バレンタインはまだ『美緒』だったのに・・・)


キョーコが感慨に耽っていると、箱に興味をなくしたらしいカインが


「イギリスじゃそんな習慣ないぞ?」


至極真面目に聞いてくる。


(そういう設定なのね・・・)


「東アジアの一部の地域だけの習慣みたいよ。ほら、バレンタインだってここじゃ『女性』が『男性』にプレゼントする日でしょ?」


「・・・・・そうなのか?」


「らしいわ」


兄を引き連れ、コンビニの中を歩き回る。必要なものを探し回り、会計を済ませれば。


「兄さん?」


whitedayの文字をじっと見つめる兄の姿。


「どうしたの? なにかあった?」


「・・・・・。 いや。セツ」


踊る文字から漸く目を離したカインは、セツの腰を抱きコンビニから何事もなかったかのように出る。


「荷物おいたら、行きたいところがあるんだ」


「え? 珍しいわね。兄さんがそんなこと言うなんて」


カインを演じている蓮は、撮影所とホテルの往復ばかりで買い物はコンビニ程度。

『行きたいところ』なんて欠片も口にしなかったのに・・・


「どこ? 何しに行くの?」


「買い物できるところ?」


「何、そのアバウトな指定は・・・」


「・・・デパート? かな?」


「・・・・・本当に行きたいの?」


意外な場所を口にした蓮をまじまじと見つめ返す。


「ん」


(大丈夫なのかしら? 万が一『カイン』が敦賀さんだってばれたら大変なんじゃないの?)


さまざまな不安がよぎるが、


「なるべく大きいところがいい」


静かに、浮かれているカインに強く出ることも出来ず、


「わかった・・・。ちょっと遠いけど、行きましょ?」







(こんな格式の高いデパートに、こんなイカレた恰好で入れるのかしら?)


銀座の一等地に立つ老舗デパート。

『百貨店』の名にふさわしいその店に入るには、いささか勇気がいる。


「セツ、おいで」


伸ばされる腕に従い、お店に入る。

入った途端、目に入るのは有名ブランドの化粧品売り場。

変身できる、魔法のアイテムが所狭しと並べられていて、キョーコにはまさに夢の売り場。


「すてき・・・」


思わずキョーコでつぶやいた言葉は、カインの耳にしっかりと届いていて。


「これなんかどうだ?」


手近な店でカインが差し出してきたのは、鮮やかな赤の口紅。


「目、つぶって」


「ん」


いわれるまま、目をつぶれば唇の上を滑る指の感触。


「やっぱり似合う」


試供品をキョーコの上に塗って見たらしい。


「これ、包んで」


「ちょ、兄さんっ!?」


焦るキョーコをよそに、


「次行くぞ」


「兄さんってばっ!!」


すいすいと人ごみを避けて、次の店に向かう男の姿を慌てて追う。


「あぁ、この色もいいな」


また一つの店舗の前で足を止め、ディスプレイされている商品を覗き込んでいる。


「兄さんっ!! そんなに何本もあったって使いきれないわよ!! いったいどうしたの!?」


また購入しようとしている蓮を必死に止め、柱の陰へ引っ張ってゆく。


「だって、今日はwhitedayなんだろう?」


「そうだけど・・・。でも、兄さんに買ってもらう理由・・・・」


「セツ、Valentineは感謝をささげる日。whitedayだって、そういう日だろう?」


じぃっと、まっすぐに見つめててくる瞳。


(これはカインなの? それとも敦賀さんなの?)


「そ、う、かもしれないけど!! 気持ちだけで十分よ」


「いやだ。今日は足の先から、髪の先まで染めるって決めたんだ」


にっこり。

無駄にきらきらしたその笑顔は、


(敦賀さんだ・・・)


言われたセリフに、耳まで真っ赤に染め上げながらキョーコは確信を持つ。


(バレンタインのお返しって事なのかな?)


「行くよ。セツ」


(どうしよう・・・。すっごく嬉しい・・・)




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