最も手軽な現実逃避が読書な筆者ですこんばんはwww
最近、更新が滞ってたのは単純に辟易してたからです悪しからずwww


 で、本題。
タイトルの件の一冊は此方↓。

アレだよアレ。-100418_1846~01.jpg

 『塩の街』(有川 浩 著/角川文庫)です。


 みくしのレビューに書ききれなかった(※そもそもあっちのレビューに長文を書く気は無いwww)ので
こっちで熱く語ろうかとwww


 ある日、宇宙から世界中に降ってきた巨大な塩の塊。
その塊を見た人間が身体じゅうを塩に蝕まれ、
最終的に唯の塩の柱と化してしまう「塩害」という奇病じみた現象により
壊滅的な世界と化してしまった日本が舞台のこの話、
それぞれの登場人物が命を懸けて愛する人を守ったり想ったりしているんですが―。

 「亡骸を海に溶かしてほしい」というお願いを遂げに
愛していた幼馴染の姿の塩柱を背負って群馬から鎌倉までほぼ徒歩で向かい、
自分も彼女と共に海と溶けて行った男性。

 塩害のモルモットという運命から逃げ出し、
愛していた女性に会えぬ侭、塩と化した囚人。

 彼らとの出会いを経て、
主人公の二人(元空軍パイロットと両親を塩害で失った女子高生)は
「どちらが先に塩になるのか」という恐怖に怯えながら日々を過ごして行くのですが、
ある日、『招かれざる訪問者』がその日々をぶち壊しにやって来ます。

 「地球とか救ってみたくない?」なんて嘯きながら。



 塩害になったら、進行を遅らせる事は出来るらしいんだけど
最終的には助からない侭、塩に成ってしまうという現実。
その現実を食い止める事が出来るのなら、と、
自分の命を投げ出す覚悟で腹を括った元パイロットを
女子高生は身体を張って引き止めようとするんですが。
この止め方がね、あたしは凄く好きだけど真似出来ないなー、なんて。
や、そこまで覚悟を決めても守りたいと想う相手が居ればやれるでしょうが…今は無理w


 この本を読んで、嘗て愛した人を思い出してました。
あの頃、あの人を救う為だったら幾らでもヒールにもピエロにも成ろうとしてたし
救えるんなら自分が廃人に成ろうと厭わない、
そういう覚悟で日々を生きていたなぁ、なんて。
…実際、世界は未だ終わろうともしてない訳だし
巡り巡って考えればすんげー安穏とした日々ん中で
アカラサマに馬鹿げた考えなんですがw

 そういうことを考えながら想ってたのはあたしだけだったのかな、なんて。
ま、きっとそうだったんでしょうけどw
ごっめんねぇ、重たい馬鹿なもんでねぇ?www



 そういう風にしか人を愛せない残念な馬鹿にこの本は痛烈で。
読みながら電車の中なのにボロボロ泣いたりしました(愚)。
お互いを信じられるって良いなぁ、とか
お互いを守るためにアクションを取れるって幸運な人達だなぁ、って。
あの人とこういう恋愛がしてみたかったなぁ、とも。
…何があろうと無理ですけどね?www




 そんなアンニュイな想いはさておきw、
個人的に大好きなキャラクターだったのが入江。
「世界を救ってみたくない?」と、飄々と重たい提案をしたこの人、
ど――――しても兄の友人を思い出すwんですがそれはさておき、
こういう冷静沈着冷酷非常な癖に頭の回転が速い人は人間として好きです。
でも人生を共に歩こうとは思わないwww
友人に欲しいタイプだなー、なんてwww
ところどころ迷惑な目に遭いそうだけどw、飽きないでしょうなーwww

 主人公の二人も人間臭くて好きでしたね。
主人公ギライな傾向の有るあたしにしては非常に稀なんですがw
秋庭さんも真奈ちゃんも頭は良いのに不器用でもどかしくてねーw
でも、お互いを信じてるところや想う気持の深さ、
何よりもその気持を言葉にするタイミングが最高にツボで。
やっぱりねー、言葉にしないとねー、想いの丈って。
表情だけじゃ総てを把握なんて出来ないって、余程の自信家じゃない限り。

 こういう二人みたいな関係をあたしもいつか作ってみたいなぁ、なんて。
…果たしていつかなー?www



 って、もんのすっごく話がずれたwwwww
買った時の帯に書いてあったのが『ロマンチックSF作品』ってあって。
あぁ、確かにそういう要素が今から思えばデカいけど…
それ以前にパニックノベルじゃねーの?と。
映像化したらさぞ受けそうでしょうが…この作品だけはそれは避けて戴きたいなー。
余りにもリアルな描写で好みの作品だったから、
下手に映像化されて自分の頭の中の映像とのズレを突きつけられたら泣けるので(※我侭www)。


 今年読んだ本の中で間違いなくTOP5に入る作品です、あたしの中では。
気になった方、是非。