一 死刑制度は正しいと思いますか?
「いえ、私は正しいとは思いません。
死刑制度は合法的殺人を許していることでしかありません。
個人が人を殺せば罪になり、国が人を処刑するのは正当という理屈になりますが、これは不合理です。」
一 反対する主な理由は、生命を奪うことは許されないからでしょうか?
それとも国が死刑執行人を雇うことになり、雇われた人にとって気の毒なことだからでしょうか?
「両方とも強調したいことですが、もう一つ強調したいのは、いつまでも死刑制度を続けるのは、その社会がまだまだ進歩していないということです。
なぜなら、死刑では問題の解決になっていないと悟る段階に至っていないからです。
それはもう一つの殺人を犯していることであり、これは社会全体の責任です。
それは処罰になっていません。
ただ単に別の世界へ突き落としただけです。」
一 そのうえ困ったことに、そういう形で強引にあの世へ追いやられた霊による憑依現象が多いことです。
地上の波長に近いため、すぐに戻って来て誰かに憑依しようとします。
「それは確かに事実なのです。
霊界の指導者が、地上の死刑制度に反対する理由の一つにそれがあります。
死刑では問題を解決したことになりません。
さらに、犯罪を減らす方策 一 これが方策と言えるかどうか疑問ですが 一 としても実にお粗末です。
そのつもりで執行しながら、それが少しもその目的の役に立っていません。
残虐行為には残虐行為で、憎しみには憎しみで対処してはいけません。
常に慈悲心と思いやりと援助の精神で対処すべきです。
それが進化した魂、進化した社会の証明です。」