死ぬ直前に訪れる「なかよしの時間」 | 看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

看取り看護師めぐ〜死ぬとは最期まで生きること

どうか大切な人の最期を穏やかに看取れますように
どうかあなたが最期まで、笑って楽しく生きられますように
最期まで笑って楽しく過ごせる生き方をサポートしたいと奮闘中。


Kさん(仮名)は家族に仲良しの時間をつくってくれました。

前日から調子の悪かったKさんでしたが、その日突然心臓が止まってしまったんです。

病棟の看護師たちは一所懸命心臓マッサージをしました。

家族に急変時の対応を相談していなかったからです。

家族を電話でよびました。

Kさんは息を吹き返し、今まで心臓が止まっていたのに家族が来たらしゃべり始めたんです。

結局その5、6時間後に亡くなったのですが、このなくなる前に瀕死だったのに急に元気になりもしかして良くなったんじゃないかと思える状態になる人が結構います。

この時間を高柳医師は「死に方のコツ」という本の中で
「なかよしの時間」
と言っています。

その時はわからなくてあとになって、あああれはなかよしの時間だったんだねって思うことの方が多いですが・・・・・



でも、この時のKさんは間違いなくなかよしの時間だと思えたので、家族に言いたいことあったら今のうちに、と伝えました。

だけど、Kさんがはなしたことはここでもドラマ相棒の話でした。

家族もこんなときでも俺たちのことじゃなくて相棒の話かよって笑ってました。

なんとも笑いのある穏やかな時間の中、家族の愛に包まれてKさんは息を引き取りました。


人が亡くなるのは悲しいことですが、こんな家族の愛に包まれて笑いながら死ねるって本当に素敵な最期だったと思うし、私が死ぬ時もこんな最後がいいなと思いました。



一つみなさんに言いたいのは、こんな今が仲良しの時間だって思えることは稀です。

たいがい亡くなってから、あああの時が仲良しの時間だったんだねって思うことの方が多いです。

だから

タイミングを逃さないように、言いたいことはあとまわしにせず、いま、伝えて欲しいと思っています。