僕らの世代で石原といえば「石原軍団」の石原裕次郎ですが、
僕らの父親世代には銀幕のスター裕ちゃんかもしれません。

その石原裕次郎の実兄といえばご存知東京都知事の石原慎太郎
氏です。知識的には太陽族だの慎太郎カットだの若い頃はすご
いブームを起こした人なのだということは知っていますが、政
治家としてはタカ派で暴言や失言を放つイメージがあります。
あと目をやたらパチパチしばたかせる神経質そうな面も・・・。

『誰も書けなかった石原慎太郎』という佐野 眞一著の本を読み
ました。なかなか読み応えのある本でしたが、けっこう引きこ
まれて電車移動中や就寝前の時間を使って一気(?)に読むこ
とができました。

そうか~、なるほど~、ふむふむ。
てな一面が多くでてきますし、石原慎太郎像がだいぶすっきり
してきた感じがします。
石原兄弟の父の歴史に数多くの頁を割いていますが、これが大
正から昭和初期(戦前)の時代が鮮明に浮かんできて小説のよ
うに読め、あらためてこの著者(佐野 眞一)の凄さを認識しま
した。続けてこの著者の本を読んでみたいと感じたくらいに。

しかし石原慎太郎が日本という国に残した功罪ははっきり下せ
ないが、この人の負の部分もかなり多い気がするな~。
キャラクター的にはブラウン管で見る分には面白い人だとは思
うのだけど、政治家、東京都知事としての彼はどうなんだろう。

ただその石原慎太郎に投票する人たちが数多くいるのも事実で
ある。選んだ側にも責任があるのでは・・・。
たとえばこの国はだいぶおかしな政党がおかしなことをしてま
すが、それを選択してきたのもまたこの国の人たちですもんね。



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