これまで直人さんが演じた役の中で、おそらく1番共感できない男かもしれない。
星野洋介。
もちろん容姿は申し分なし。しかも色気ダダ漏れ。
肉食系だし。←むしろ大歓迎。
夫として、父親として、完璧。

しかし。
行動が理解不能、虫が良すぎる、自分がこの世の中心ですべてを掌握している(と思ってる)。
いつか修羅場が来た時でも自分なりの答えはあらかじめ用意しいてるので、妻と愛人のちょっとした異変に気づいていても決して動揺することもない。
(いや、まさか心が入れ替わってるなんて非現実的なことはあり得ないと思っているからかな)
妻である友美には、聖母のような貞淑な女性でいてほしい。
そのかわり愛人である薫に男性として求める。

・・・なんなの、この男。現実にいるの?
・・・いたらとび蹴りしてやりたい。出来ないけど。

昨日発売の『日本映画navi』

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特写とインタビューで7ページ(ツイには8ページって誤報書いちゃった)
さよなら私の黒崎Dが洋介についてたっぷり話してくれてるのを読んで、最低最悪な洋介像が変わった。

洋介は世の中の常識等をも飛び越えてる人。
彼は彼なりの信念をもって、友美も薫も真剣に愛している。
それを、独自の『藤木フィルター』をかけると、嫌味なところも自然体にスッと入ってくる。
・・ざっくりいうとこんな感じ。

『前に前にと出るわけじゃないけど、ちゃんと居場所があって。いつも自然体。ちょっと床から浮いてすーっと移動しているような、重たさを感じさせない不思議な存在感。藤木さんが台詞を発すると、何気ない台詞が重大なことに、シビアな台詞がさらりと聞こえたりする。独自の”藤木フィルター”があるんです』

うん。そうなのね。
それはファン目線で思っていたことだけじゃなく、制作側も思っていたとは。

冬の絵空のパンフレットに、堤監督の直人さんへのコメントにも同じようなニュアンスが。
『(前略) 撮影中、実は飾り気のない人であり、どんな現場にもフィットするタフさと柔軟性を持ち合わせていることに気づく。それは、誰とも被らない<藤木オーラ>に昇華して画面を、彩る (後略)』

うん、そうなのね。(2回目)
でも時にはフィルターやオーラを解き放って何もかもさらけ出してしまう演技も見たいな。

で、話をドラマに戻そう。
叶わなかった母親になりたい、友美の中の薫。
夫に女性として向き合ってもらいたい、薫の中の友美。
友美の身体が乳がんに冒されて、薫の心もとろも死んでしまうかもしれないという極限状態に置かれた2人の関係が濃厚すぎて。
さらに2人の親友・春子も絡んできて、女3人の友情が濃厚すぎて。
少し前まで呑気だった浮気夫2人(スイーツ男子!)の存在が薄い。
このドラマは女性の真の友情の話。
だからここまでは仕方ないのかなと。
でも、春子とその夫・光雄(これまた若い愛人とお花畑状態)の関係が修羅場。
妻の病状を愛人から知らされ、初めて動揺した洋介が出す答え。
ついに中身が妻の愛人から、グサリと言われてしまった洋介。
早く2人の心が入れ替わったことを教えてあげたい。
そしたら今度は洋介の意外とモロい心が壊れそう。
でもそんな洋介も見たい(笑)
このドラマの着地点が全然読めなくて、深いよ。
これからでも追いついて見てほしいな。
公式サイトには、これまでのストーリーとこれからの予告を10分でまとめたPR動画もあるから。←私は国営放送の回し者ではございません。