狂信的なナチ少女;人間は洗脳されやすい?? | いぬわしさんのブログ

狂信的なナチ少女;人間は洗脳されやすい??

またまた、ちょっと複雑な話題になりますが、興味のある人は読んでみてください。(苦笑)



他のブログに、「狂信的なナチ少女、インゲ」というタイトルの画像をアップしたのですが、その動画がYoutubeで見つかったのでアップします。映画「ヒトラー最期の12日間」というドイツ映画の1シーンです。何度も書いているように、「ヒトラー・・・」などという長いタイトルなんかにせずに、[Untergang]というドイツ語を使って、「ナチスの没落」というタイトルにした方がよかったと思います。







ドイツ語のだいたいの訳


空襲で片腕を失くしたおじさんが、ベルリン市内のヒトラーユーゲントが守る高射砲陣地にやって来る。


おじさんの子供(ペーター)「帰れよ!ほっといてくれよ!」
おじさん「お前らまだ若いな、何才だ?12才か、14才か?戦争ごっこなんかやめて家に帰って、家で遊んだらどうだ?」
ヒトラーユーゲント(HJ)の少年「あなた何者ですか?何の用ですか?」
お「オレは自分の子供に生き延びてもらいたいんだ」
HJ「お喜びください。あなたの息子は敵の戦車を2台撃破しました。総統が直々に叙勲して下さります」
お「お前はまだ若いな。どこの戦場で戦ったことがあるんだ?」
HJ「未だにその栄誉は経験したことがありません」
お「戦場を経験したことがなくて幸運だぞ。冷静に考えて、子供たちを家に送り返せ」
インゲ少女兵[Wir werden die Stellung halten bis zum letzten Mann]
「最後の一兵まで陣地を死守するつもりよ」
お「陣地って、何のことだ?これは、罠だぞ!ソ連軍は2方面から攻撃をするだろうから、お前らの逃げ道などどこにもないぞ!」
[Wir werden zurueckschiessen!]
「こちらも撃ち返して反撃するわ!」
お「どの武器でだ!?」
HJ「この対空砲を使います」
お「ソ連軍は何倍もの大砲、戦車、ありとあらゆる武器で攻撃してくるんだぞ!攻撃が始まったら、こんな陣地は5分と維持できないぞ!!」
[Wir haben es dem Fuehrer geschworen!]
「総統に(死ぬまで戦うと)誓ったのよ!」
お「お前ら、理解できんのか!?もう戦争には負けたんだ!終わりだ!!」
ペーター「臆病者め!!」(そう叫びながら走り去る)

お「立ち去れ、すぐに!!ソ連軍がやって来れば、お前ら確実に死ぬぞ!!」



そして、少しシーンが飛んで、インゲ戦死のシーン。ヒトラーの愛人、エヴァ・ブラウンが妹に手紙(遺書?)を書いているシーンにオーバーラップしながら、インゲとHJ少年兵の戦死のシーンが映る。セリフは聞こえないが、恐らくこんな感じのやりとりだと思う。


いよいよソ連軍の攻撃が始まると、年下の子供たちはみんな逃げてしまう。インゲはピストルを手に取るが怖いので引き金が引けない。まだ陣地に残っていたHJの少年兵にピストルを渡し、
[Los,los! Mach's weiter, schnell!]
「それで撃って!早く!」
と言い、そして右手を挙げてナチ式の敬礼をしながら、
[Heil mein Fuehrer!]
(総統万歳!)
と叫ぶ。少年のピストルが火を噴き、インゲは地面に倒れる。少年もそのピストルで自分の頭を撃ち抜く。



ドイツではこの映画のベルリン市民が次々と犠牲になるシーンを見た時に、涙が止まらなかった人がたくさんいたそうだ。戦後生まれの若者も涙を流したという。


ただし、ドイツ以外のヨーロッパ各国はこの映画を複雑な思いで見たという。フランス政府は公式にコメントを出し、

「ナチスの最期を美化して描いている」

と、強い不快感を表したという。恐らく、ロシア、東欧各国も同じだろう。



こちらは、ナチスの宣伝用ポスター[Bund Deutscher Maedel](ヒトラーユーゲントの下部組織、ドイツ少女連盟)の機関紙。19418月発行だから、ソ連侵攻作戦の「バルバロッサ作戦」発動直後のもの。下に写っている健全で美しいナチス組織のドイツ少女と、上に写っている病的でみすぼらしいロシア共産党の少年とを比較して、

「ドイツが勝つのは確実だ」

というような内容が書かれているという。





ここまで、ナチス・ドイツにおける“洗脳”を非難してきたが、この洗脳というのは、いつの時代でもあるものだ。


大日本帝国では、

「陛下の赤子たる同胞(日本兵のこと)であることは何と素晴らしいことか!!」

と叫ばれていた。


アメリカでは第二次大戦に勝った後に、

「我々は、日本、ナチスを撃ち破った。アメリカこそ世界史上最強の国だ!!」

と叫ばれ、その驕りがベトナム戦争の泥沼へと繋がった。


同じ第二次大戦の勝者、ソ連も全く同じだった。ファシズムに勝った共産主義の勝利を政府と国民は信じ続け、それが軍事費の増大を生み、1991年のソ連邦解体へと繋がるのである。



この“洗脳”は、現代の日本でも存在する。わかりやすい例で言えば、「オ○ム真理教」などの一連の新興宗教問題。経済的に豊かになった日本でまさかあんな事件が起こるとは、誰も予想できなかっただろう。しかも、いわゆる、“高学歴”の人たちが洗脳されてしまうとは。


ひょっとしたら、高野連が組織している甲子園でしかやらない高校野球、マスコミによって作られる、オリンピック、サッカーW杯などの国際大会での、「強い日本代表」というのも一種の“洗脳”かもしれない。





僕の亡くなった父はよく言っていた。

「“XXさんがOOと言っていたから、それは正しいと思う”などという考えは、絶対にダメだ。必ず自分の意見、信念を持たないといけない。有名な大学教授、有名な社長が言ったこと、本に書いたことなどを鵜呑みにして信じてはいけない。結局、この世で信じられるのは自分だけだ。ただし、歴史上の有名人物(山本五十六、信長、秀吉、家康、それに仙台では伊達政宗など)の中には生き方の参考になる人物がいるから、そういう人たちの人生から何かを学ぶのは良いことだ」

というようなことを。だから、僕は、テレビのニュースショーの解説者が何かコメントしていても、有名な大学教授が本に何かを書いていても、そういうことをすぐには信じないように注意している。





自分しか信じないというのは難しい生き方ですが、誰か、或いは、ある組織に洗脳などされてものすごい借金を背負ったり、命を落としてしまったりなど、大損はしたくないですからね。今、中国製の食品、北朝鮮の核施設などが大問題になっていますが、ああいう一党独裁の国の国民は本当に可哀想ですね。