瀬戸内海の芸術祭(その3) | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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「瀬戸内国際芸術祭2010」は、歓呼の声の中でその幕を下ろした。7月19日から10月31日までの105日間に、世界中の18の国や地域からやってきた75組のアーティストたちが、この「アートと海を巡る冒険」に参加し、当初設定した30万人という目標を遥かに超え、93万8000人もの来場者があったのだ!!!芸術祭は閉幕したが、アートファンたちの強い要望に応えて、42の作品はそのまま展示が続けられ、今も来場者を待っている。これまでにこのメルマガでは2回に分けてこの芸術祭の様子をレポートしたが、今回は最終回として、まだご紹介していない素晴らしい企画についてお伝えする。

芸術祭の開幕式は高松市で行われ、真っ青な空の下、漁船が高松港から一斉に出港し、大巻伸嗣さんの企画したたくさんのシャボン玉によるパフォーマンスが、楽しくロマンチックな気分を添えた。現在も大巻さんの作品、「Liminal Air:Core」が岸辺にそびえ、天気がよい日は、女木島、男木島、大島に向かう船から、異なる角度から見た様々な変化を楽しむことができる。


七つの島のうち、犬島だけが岡山県に属している。2008年に開設された犬島アートプロジェクト「精錬所」は、産業遺産である銅精錬所にアーティストの発想を合わせて作り出した再生美術館で、廃墟になるはずだった建築物に新しい活力を注ぎ込んでいる。今回の芸術祭で特別に設置された犬島「家プロジェクト」は4ヶ所ある。犬島の路地を歩いていると、突然目の前に現代建築が現れる。蜘蛛の網の庭を見て、みなさんは何を連想されるだろうか?


大島で行われた「つながりの家」という小さな美術展は、今月17日から19日まで再び開館される。インフォメーションセンターでガイダンスを受けた後、所要時間1~2時間程度のツアーに参加して風景や作品を見ることもできる。カフェ・ヨシルでは、大島で採取された陶土で作られた陶器を使って、お茶や手作りのお菓子を味わうことができる。文化会館では、「もりがみ」のプログラムに参加したり、コンサートを楽しんだりすることもできる。


瀬戸内国際芸術祭の閉幕後、フェリーの時間などにはやや変更がある。また、直島と豊島のバス運行状況も少し調整されている。これからお出かけの場合は、事前に公式サイトで確認していただきたい。来年の4月以降の展示については、今年の11月から来年3月までの来訪者の状況によって決定される。


瀬戸内国際芸術祭2010  http://setouchi-artfest.jp/  (日、英)