ユキノシタのお花 | THE SYOJIN~家庭で出来る精進料理~tokidoki非精進~

ユキノシタのお花


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ユキノシタ

別名 イドクサ・コジソウ

ユキノシタ科ユキノシタ属

学名 サクシフラガ・ストロニフェラ

原産地 日本・中国

花言葉 恋心・切実な愛情

咲いている場所 境内庭園南側


花を雪に例え、その下に葉があることから、この名前がついたといわれています。

花弁は上三枚は小さく淡紅色、下二枚は蝶々のように白い花を咲かせます。


学名のサクシフラガは、ラテン語で「石」宝石白を表す「サクスム」と・・・

「割る」を表す「フランゴ」から・・・「サクシフランガ」

「ストロニフェラ」は「走出枝を持つ」走る人クローバー走る人

走出枝とは、土すれすれの親株から長く伸びた茎の先に子株が出来、成長し花を咲かせ・・・実らせる


雪の多い冬にも緑の葉を枯らせることなく雪クローバー雪

新緑の時期に、雪のような花を実らせ、かわいらしい白い花を咲かせます。


このお花は実に色んな呼び方があって、鴨足草とも呼ばれ・・・ 虎耳草とも呼ばれ・・・・

沢山の呼び方がありますが、


まるで巣立ちするように、白いお花を咲かせているように、思えるのは、わたくしだけでしょうか?


お寺の境内では、今年から多くのツバメが飛んでいます。

境内には、ツバメの巣はありませんが、お寺の裏の歩道橋に巣をツバメが作り・・・

子育てを行っています。


ツバメは暖かい東南アジアで越冬した後、春になると数千キロの旅をして、日本に帰ってくるといいます。

鳥の中でも飛行能力が高く、高速で飛んだり、空中でぱっと身を翻して方向転換をする「燕返し」はお家芸ならぬ・・・お鳥芸・・・

皆さんは「燕返し」といえば、何を思い浮かべますか?

私は巌流島決戦で、宮本武蔵と決闘した佐々木小次郎の秘儀「燕返し」を思い浮かべますが・・・

山口県岩国市は、その技を編み出した土地ともいわれています。

佐々木小次郎は下関市の巌流島で、宮本武蔵に敗れてしまいますが、両者は、何百という修行を積んで、決戦に挑んだのではないでしょうか?


燕は、暖かい南から日本に来ると、まず泥や枯草を運び、建物の軒下など、人の行き来が多い場所に「巣」を作るといわれています。

日本では昔から「つばめが巣をかけると家に幸せが訪れる」という言い伝えがあり、ツバメの巣は大切に扱われてきました。

土で巣を作り、虫を食べ、子育てするので・・・

つばめのさえずりは「土食って虫食って渋い」と聞こえるとも・・・

驚くことに、お腹をすかせた雛鳥のために、親鳥のツバメは、一時間に約40回も・・・

一日に換算すると、524匹もの虫を、雛鳥(こども)のために・・・

親自身もこどもを育てるために200~300百匹の虫を食べるので、ひとつのつばめ家族で、千匹もの虫を食べなければならないとか・・・

親に育てられた雛鳥は二十日経つと、巣もいっぱいになり、やがて「巣立ち」を迎えますが・・・

育ててもらった雛鳥・若いツバメは、最初電線でどうしてよいかわからず、必死につかまり・・・

飛び方もぎこちないですが、夏を迎える頃には、器用に空を飛ぶまで、成長するといわれています。

秋にはそれぞれ成人し、南へと旅立っていき・・・遠く離れた東南アジアから、自分を育ててくれた巣に、戻り、親と同じように子育てをする風習があるとか・・・


いったいどんな旅をして、どんなパートナーを見つけ・・・

それを問いかけながら、変わらぬ白い花を咲かせる「雪の下」のお花・・・


この時期、派手な花が咲く境内で、目立たない白い花を咲かせ・・・

巣立つように、また戻ってくるように、お花を実らせる「ユキノシタ」のお花もわたくしの大好きなお花のひとつです。


禅の言葉に

坐石待薫風(石に坐して 薫風を待つ)


人生いつも順風満帆にことが運ぶわけではない、自然のあらゆるものを素直に受け入れなければならない。どんな時でも、初夏に吹く南風のごとく穏やかな気持ちでいたい。


この時期に吹く風は少々強い・・・そんな中で花を咲かせる「ユキノシタ」の花は、

強い風を楽しむように、長い茎の先に咲いたお花を踊るように、楽しむように、咲いています。

そんなお花に手を触れると・・・空にはツバメが、飛んでいました。


何度も・・・親心を知り、振り返るような「燕返し」を・・・

感じ取れるようにも思えました。


コスモスお花とふれあいのお寺ニコニコ

曹洞宗瑞龍山祥雲寺

山口県周南市平野2-7-26