おはようございます。
【共依存】とは、依存症の一つで、特定の人間関係に依存する状態です。自己の存在意義を認めてもらおうとして過剰な献身をくり返すなどの行為がみられます。
組織的な不正を犯す組織では、組織員がお互いに【依存・共依存】の関係になっていることがあります。
今日は、この【依存・共依存】の関係をもつ【共依存組織】での【依存・共依存】の関係を作る方法について、実例を交えて解説してみます。
【共依存組織】では、まず自我の確立を徹底的に抑制します。
自分の頭で考えることを否定し、また自己への自信をなくさせ、代わりに【共依存組織】への忠誠を植え付けるように指導します。
まず最初に奪われるのは、『理性』(論理的思考・善悪判断能力・道徳的判断能力)です。
【共依存組織】内では、個々人の論理的思考や【共依存組織】への批判は、徹底的に糾弾されます。
例えば、
「個人的な意見を言うな!」
「素直に聞け!」
「共依存組織の素晴らしさは、理屈ではない!」
などです。
また、【共依存組織】の長は、
「左脳で考えずに、右脳で感じろ!」
という言葉をよく使います。
この言葉は、『左半球が言語や論理的思考の中枢であり、右半球が映像・音声的イメージや芸術的創造性を担う』という科学的根拠のない右脳・左脳論に基づくものです。
言い換えれば、
「論理的思考を放棄して、感情のみで受止めろ!」
となります。
このように、【共依存組織】では、組織員に論理的思考を放棄することを、権力を行使して繰り返し強制します。
こういう環境に入ると、人間には環境に順応する本能があるため、この環境で生きのびる為に『理性』(論理的思考・善悪判断能力・道徳的判断能力)を簡単に放棄してしまいます。
組織員から『理性』(論理的思考・善悪判断能力・道徳的判断能力)を奪った後、【共依存組織】の特殊な価値観を『感情』に直接訴えはじめます。
【誣告】や【投影性同一視】などを駆使して、会長や社長を始め他部署や組織内のまじめな人を『仮想敵』に仕立て上げて、【共依存組織】が『仮想敵』から【外圧】を受けていると被害妄想させ、怒りと憎しみなどの『感情』を煽り、組織員の団結心と【共依存組織】への依存心を高めようとします。
このとき当然情報操作が行われ、【共依存組織】以外の情報は全て信じるに値しないもので、真実の情報は【共依存組織】内にしかないと教えます。
こうして、【共依存組織】の特殊な価値観を、『理性』ではなく『感情』の部分で受入れさせ、組織員の心深くまで浸透させます。
また、常に過大すぎるほどの勤労・労働が与えられ、忙しさと疲れ、動いていることへの満足感によって、理性を使う暇を与えられません。
すると、組織員は、【共依存組織】の特殊な価値観で全てのものを見るようになり、全ての自分の言動を自発的に行っていると錯覚します。
さらに、自分達の価値観が歪んでいるにもかかわらず、外部の方が歪んでいると思い込むようになります。
ここまでくると、【共依存組織】は、組織員を完全にコントロールできるようになります。
一方、組織員達は、『仮想敵』の【外圧】に対抗している仲間として自己の存在意義を認めてもらい、組織員同士がお互いに依存し合う関係によって情緒的な安心感が得られます。
この関係は、あくまでも【依存・共依存】による自他の区別がない人間関係で、健全な大人の人間関係ではありません。
【依存・共依存】の関係になった組織員達は、【共依存組織】無くては生きていけないかのような錯覚にとらわれ、その恐怖心が潜在意識で働いて、【共依存組織】への献身と没我を無意識に求めるようになります。
もともと自我が確立できていて『理性』的な判断ができる人は、【共依存組織】に依存することはありませんが、もともとアダルトチルドレンや自我の確立ができずに自信が無い人は、依存しやすい傾向にあります。
【依存・共依存】の関係ではなく、自立・自律した健全な人間同士が協力し合える関係を築きましょう!