家計資産運用の語り手 照彌のブログ

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今回は株式投資をされておられる方へ 株式投資運用  市場急落時のポートフォリオ変動率を抑えるペアトレード・ロングショート戦略について説明させていただきます。


株式投資運用は生活資産及び安全資産をしっかりと管理運用が出来てからのステップとなります。


上記のステップを踏まずにこの段階に進むことは3階建ての家を建てるのに1・2階の基礎なしで3階部分だけ一生懸命に作ろうとしていることになります。


数年間かかりますが、まずはしっかりと資金力、お金の知識、低リスクの運用の経験を踏まえてから臨みましょう。



さて、株式市場では中国市場の急落を受け、またアメリカの早期利上げ観測から新興国市場の資金流出が続いております。世界市場にも動揺売りが起こり、8月中旬から日本市場も急落いたしました。



5月から警戒していたことが現実となりました。



2015年今年初めと9月5日現在の世界の株式市場指数の推移を比べてみると、欧米市場ではドイツ・フランス市場が辛うじてプラス、他のほとんどの市場が年初レベルあるいはマイナス圏に沈んでおります。


欧州株価指数 リアルタイムチャート

http://nikkei225jp.com/euro/


また、アジア市場でもニュージーランドが辛うじてプラス、他のほとんどの市場が年初レベルあるいはマイナス圏に沈んでおります。


今日のアジア市況
http://nikkei225jp.com/asia/


その中で8月中旬まで日本市場だけはGPIFおよび日銀によるクジラ買い、個人投資家によるNISA買いなどで買われることがあっても売られることがない状況、他の市場に比べて優位性があり、年初よりプラス圏で推移していました。


これまで買い方優位のまま、売り方の陣地深くまで攻め入った日本市場に買い方は完全に油断していました。


しかし、世界株式市場との相関性は年々高まっております。


この状況をこれまで黙っていた海外投資家がここで動きます。8月第2週から現物・先物市場に大きく売り浴びせてきたのです。


投資部門別売買状況から8月第2週に5000億、第3週12500億、第4週19000億(現物7264億・225先物(ミニ含む)7007億・TOPIX先物(ミニ含む)4425億、他 JPX400売り)の売り超過を行いました。


現物 株式週間売買状況 

http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/


先物 投資部門別取引状況

http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-derivatives/sector/


それに対して、GPIFおよび日銀は散発的な応戦買いを行いますが、GPIFの株式構成割合は当初低かったものが今年6月末状況で23.39%、国内株式の基本ポートフォリオ比率25%(±9%)の上限付近であります。


日銀についてはETF保有枠3兆円に対して9月5日現在購入額約2.3兆円(時価評価約2.1兆円・株価が下がれば購入残枠は増加)、残り約7~9000億と残り少なく、1日約300億のETF買いの日銀砲の残数まで読まれている状況に売り方は怯むことなく攻撃してきます。




これまで1年近く買い方優勢でまともな株価調整をしないまま、ここ最近に至っておりました。今までやられ続けてきた売り方がどのレベルで満足できるのか、しばらくは売り方の出番になってきた可能性が高いです。



今後の日経平均の推移は、世界市場の好転、米国の利上げ延期または日本版QE3(金融緩和)が起これば急反騰もあり得ますが、現在の世界市場の状況から年初レベルの16500~17500円までの下落予想、ただし、このレベルでもドル円相場が118円前後のボックス圏に維持されていることが条件です。ボックス圏を下抜けすれば、まだ下値を模索することになります。ドル円との連動性が高いです。


かなり解消されましたが、世界全体市場の指数と比べて日本市場はまだ割高感があるからです。


また、円高傾向が続いておりますので、ドル円100円前後に進めば日経平均14000~15000円レベルに逆戻りすることが2014年からの日経平均チャート・為替チャートをご覧頂けるとお分かり頂けると思います。


よって、これから先も注意して慎重に投資していく必要があります。



さて、今回は株式運用の基本編の説明を考えておりましたが、先に市場急落時の対応について説明させて頂きます。


過去に経験したリーマンショッククラスの世界市場の相場環境の急激な悪化、東日本大震災の大災害等で市場が混乱した急落時にどう対応すればよいのでしょうか。



そのためには、



普段から割高・割安を見分ける習慣を身につけておいてください。



これが極意です。



いざという時に、ここで使うのが割高・割安を見分ける習慣が生きてくるロングショート(割安買い・割高売り)戦略です。



これは同業種大手の売上高規模近似2社のPER、PBR、営業利益率、今後の業績予想を徹底的に分析把握しておき、ペアトレードの銘柄候補として選んでおきます。



普段からこれらの銘柄群を少しずつウォッチリストに加えておくことが重要です。



その中で明らかに割安銘柄が割高銘柄に対して、何らかの理由で一時的に価値を喪失してさらに株価下落している時、もしくは割高銘柄が一時的に価値がさらに株価上昇している時にこの戦略を採ります。



売り買い同程度の金額で、割安銘柄を買って、割高銘柄を信用売り(空売り)する。



そのタイミングの見極めに私が使っているのは、楽天証券マーケットスピードの複合チャートです。


これは2銘柄のスプレッド(価格差)や2~4銘柄の指数強弱化をグラフで把握でき、各銘柄の相対評価が確認できます。日足、週足レベルで価値がどのように変化していくかを日頃から見ておきます。


この戦略のメリットは全体相場の乱高下リスクを軽減し、2銘柄の銘柄リスクのみで利益を狙うことにあります。全体相場が急騰した場合は2銘柄とも上昇、急落する場合は共に下落する可能性が高いため、

自分のポートフォリオの変動が比較的穏やかになります。


いくら自信がある、買い保有銘柄でも単独買いだと全体相場の急落に巻き込まれると相当なダメージがあります。


しかし、同業種同規模の割高な銘柄を空売り保有することで全体相場からの急落リスクを軽減することができます。


もちろん、割安銘柄がそのまま下落していき、割高銘柄が上昇する股裂きのような展開もあります。しかし、上記に記載したように2社の企業分析を徹底的に行っておき、割安優位性が継続していることが明らかに確認できれば、割安・割高の状態が解消される本来の価値に回帰していく可能性が高まります。これにより安定的な利益を求めていきます。


ただし、長期的には業績予想の変動、公募売出、増減配など様々な要因で優位性が変動する可能性があり、この戦略を長期で維持し続けると、想定外の方向に進むことがあります。


割安優位性が喪失した場合やロングショート設定時から2銘柄合計で10~20%損失超過した場合はロスカット(損切り)はしてください。


ですので、業績変動等の影響を受ける可能性が少なく、2銘柄の優劣格差が通常時維持される傾向にある、短期的(長くて数か月程度)な戦略として用います。


そして、市場急落時の混乱により、一時的に優劣格差の変動が起きたときに仕掛ける戦略となります。


また、資金コントロールも重要です。いくら危険性が軽減されていても、投資金額や証拠金の大部分を占めるような取引は止めましょう。


股裂きリスクに対応するため、最大でも全資金量の15%くらいのウエイトが望ましいです。1つの取引だけで大勝ちしようするのではなく、数多くの取引を経験してこつこつと利益を積み上げていく感覚です。


混乱時はチャンスでもありますが、資産運用は現状維持でも十分良いとされる展開であります。


いたずらに攻めることより、守備を固めて機会を待つ戦略として覚えておきましょう。



では、この実践例を申し上げていきます。


2008年10月リーマンショック時に日本ビルファンド(8951)とジャパンリアルエステイト(8952)や他の複数銘柄でペアトレードのロングショート戦略を行いました。


REITの2大主要銘柄であるこの組み合わせは株価の相関性が高く、似たような株価の動きをすることが多い傾向がありました。



日経会社情報2008年秋号より8月29日時点の日本ビルファンド(8951)とジャパンリアルエステイト(JRE・8952)のデータを見ていきます。


日本ビル 株価118万円 配当 21100円 予想利回り 3.6% 総資産7256億
JRE    株価102万円 配当 18310円 予想利回り 3.6% 総資産5275億


この時の市場評価は配当利回り同率で、配当の差を踏まえて株価格差1.15倍で成立している状況です。


ところが、この10月初めから相場が大混乱でほとんどの銘柄の株価が大きく変動している状況、買いのみ売りのみの戦略ではポートフォリオが大きく揺れ動く不安定な展開、しかし徐々に下に引きずられる精神的に厳しい局面です。


この2銘柄も同様に強烈な下落トレンドに入りました。10%近く下落する日が何度もあり、保有者には非常に厳しい展開でした。ただし、1.2倍超の株価格差は維持しております。



前営業日の10月10日にも10%近く下落し、どん底の展開となっています。


そして、10月14日に異変が起こります。


14日の日本ビルの朝の寄付きは売り気配、ところがJREは強烈な買い気配から始まります。他の多くのREIT銘柄も強烈な買い気配です。


これは株価格差が解消される可能性が高い。

怖いけれども、ここがチャンスだ。


すぐさま日本ビルに成行買い、JREに信用取引空売り成行注文を行いました。しばらくすると、日本ビル669000円(前日比2万円安)で買い約定します。そのときJREは・・・。


約定せず買い気配でぐんぐん気配値を上げていきます。前日終値56万から60万を超えてもまだ成立する状況にありません。62万、64万でも成立せず、そしてとうとう66万のストップ高で売り約定します。


通常、売り方単独でストップ高で約定することは相当な恐怖です。なぜなら次の日も大幅高で相当の踏み上げによる損失を受ける可能性があるからです。


しかし、ロングショート戦略では割高売りに対して割安買いを行っております。割高な銘柄が上がっても、割安な銘柄も上がっていくのが通常です。


ロングショートで一時的に株価格差ほぼ1.0倍の割安銘柄となった日本ビルを見てみると、株価は上昇に転じ、14日終値は789000円、前日比10万円高のストップ高で終了しました。JRE終値は653000円、前日比9万3千円高で終了しました。終値ベースでは再び1.2倍超の株価格差に戻りました。


私の取引はJREはストップ高が剥がれたところで少しずつ返済注文をして、売りを全部返済、日本ビルも当日分割しながら全て売却しました。


他の日や他銘柄の組み合わせによるペアトレードのロングショート戦略を行い、2008年のリーマンショックは奇跡的にプラス圏で乗り越えることができました。



2008年7月から年末まで半年間のマーケットスピード複合チャート日足の2銘柄のスプレッドのグラフや時系列情報をご覧いただくと、この状況下でどのタイミングで仕掛けて、どのあたりで決済解消したかお分かりいただけると思います。


しかし、本当にきつかったのはその翌年の2009年3月付近(日経平均7000円台前半)であったのを覚えております。取引流動性が極端に少なく、そのため投資機会がなく、緩やかに、しかし確実に下落していく状況は真綿でゆっくり締め上げられていく感覚でした。機会があればまた話していきたいと思います。



さて、話は移ります。

次の激動時は2011年東日本大震災でした。



東日本大震災後の相場は大混乱、その当日、私のポートフォリオは買いのみの状況で完全に無防備の状況でした。どれほどの規模が不透明のため、ひとまず当日時間外で先物売りを2枚行いました。


が、翌営業日の保有銘柄の損失はその5倍以上のダメージでした。


先物売りの防波堤を飛び越えてくる損失の波が凄まじい高さで襲い掛かってきます。


この時、ほとんどの銘柄をロスカットいたしました。一撃で平均-13%のダメージです。


頭がふらつきそうな状況になりましたが、まず、ロスカットで損失を確定させて将来の損失拡大を食い止めました。


なぜロスカットしたかは阪神大震災後の株価が一時的に回復しても下落傾向にあったことを頭に入れていたからです。


さて、ここからどのように立て直していくのか。



そこで講じたのは割高・割安を見分ける習慣が生きてくる、あのロングショート戦略でした。


ここでも同じように割安な方を買い、割高な方を信用売りを行います。


この時はポーラ・オルビス(4927)とコーセー(4922)の2社でロングショートを行いました。


日経会社情報2011年春号より2月25日時点のポーラ・オルビス(4927)とコーセー(4922)のデータを見ていきます。



ポーラ・オルビス 株価1836円 配当45円 PER14.0 PBR0.7 売上予想1681億 営業利益129億 経常利益130億 純利益75億 1株益130.9円 総資産1879億 自己資本1530億 1株資産2768円


コーセー     株価2206円 配当 40円 PER22.7 PBR1.3 売上予想1790億 営業利益125億 経常利益125億 純利益65億 1株益107.3円 総資産1670億 自己資本1025億 1株資産1766円



この時点のデータからどちらが割安で割高かお分かりいただけると思います。



震災後週明けの3月14日はコーセーは前日終値2184円から134円安の2050円で寄り付きました。


混乱時でも長期保有の機関投資家は売らずに支えている感が伝わってきます。


この時、保有銘柄のロスカット注文を出し終えて、2銘柄の値動きを注視、他のロングショート銘柄候補の値動きもウオッチリストに入れて見ております。


一方、前年12月に上場してから僅か4か月と間もないポーラオルビスは長期保有の機関投資家にはまだ認識されておらず、買い方の援護がありません。個人投資家中心の投げがまともにやって来ます。



よって、ポーラオルビスにはほとんど買い手がつきません。凄まじい売り方に押されてそのまま気配値を下げつつけており、取引成立気配が見えません。


ここでとった行動はまず、コーセーを2050円で信用売りを行って約定しました。


ポーラオルビスはまだ気配値を下げております。


いったい、どこまで下げるんだ。


しかし、これはピンチがチャンスに変わるのか。


ポーラオルビスの買い注文準備を行います。



前日終値1989円から気配値を下げ、


1800円台、


1700円台、


1600円台でも値がつかず、


なんと400円ストップ安水準の1589円まで下落します。


前日のスプレッド(価格差)は195、この時のスプレッドは450強。


本来ならコーセーの株価を上回っていてもおかしくない割安なポーラオルビスがさらに割安になっている。


この時、ポーラオルビス1589円現物買いしました。


数時間後、1800~1812円で全て売却、コーセーは2080~2085円で売り返済しました。



本来ならスプレッドが解消されるまでポジション継続するのですが、この時、福島原発の状況が悪化していくニュースを聞いて、とんでもないことになるかもしれないと、ひとまずポジションを後ろ髪引かれながら解消したのです。


しかし、この取引をスプレッド280付近で全部決済できたことで大震災のダメージから一息つくことができました。



ですが、その翌日3月15日、10時過ぎ、戦慄が走ります。



福島原発3号機付近で400ミリシーベルトの放射線量を観測。



当時の菅首相からの国民へのメッセージが伝わります。


これまでマイクロシーベルトの単位を聞いていた私は耳を疑います。

ミリシーベルトってなんだ。


その意味は日経平均の分足チャートを見れば理解できました。


短時間で経験したことのない下落が凄まじい勢いで訪れます。


日経平均先物は1000円安の8600円台となり、サーキットブレーカーを発動して一定時間取引停止します。市場関係者の動揺を抑えるためです。


約10分後に取引開始、下げ止まらず8200円台の安値を付け、2度目のサーキットブレーカー発動。


しかし、下げ止まる気配がありません。


約15分後に再び取引開始、下げ止まらず下値7900円台。


気配値が目まぐるしく変動します。


昼過ぎには7800円台の安値を付けた時、日本は終わるのかと心底思いました。


ところが、ここから猛然と海外投資家が買いに動きます。


その日の日経平均終値8605円15銭 それでも前日比1015円安の衝撃的な一日でした。



その緊迫した状況時に、ポーラオルビスとコーセーのロングショート戦略を行います。


ポーラオルビスは始値1790円から一気に下落トレンドに進みます。


しかし、下げ止まりません。安値1454円(前日終値から358円安)を付け、どこまでいくのか。


ところが、コーセーは始値2011円からほとんど下げません。これはディフェンシブ銘柄となり、緊急避難的にロングオンリー(買いだけでポートフォリオ構築)の機関投資家が駆け込んでいると判断しました。


すると安値1951円を付けてから、昼過ぎからの海外投資家の大量援護買いで日経平均1015円安の中、なんと終値2131円(前日比61円高)となりました。


その日、私はポーラオルビス1550円台で買い、コーセーを2100円前後で信用売りのロングショートを組みました。この時のスプレッド550程度あって大きく、大変ありがたかったことを覚えております。


何よりも良かったのは、こんな市場急落時ならば夜眠る時に普通は恐怖でガタガタと体を震わせ、眠れない夜を過ごすことになりますが、今回はその心配がなかったからです。



翌日3月16日、大震災と原発制御不能の混乱が続く中、割高であるコーセーの株価が上昇していきます。時間の経過とともに加速度的にものすごい勢いで上昇していきます。明らかにおかしい動きです。


何かコーセーにとって良い情報が出たのかとあらゆる情報を見ていきました。


銘柄ニュース・会社のIR情報・適時開示情報をくまなく確認し、何もニュースが出ていないことを確認しました。


これは緊急避難的な機関投資家のアルゴリズム取引(コンピュータによる超高速取引)の暴走だと判断しました。この他にもいくつかの銘柄で理由もなく急騰する銘柄がありました。


そこで、コーセー売りだけを2083円と2155円で半分ずつ解消して、一度様子を見ました。


そして、まだ上昇する気配があるため、買いポジション金額に対して半分の量を2173円で空売り、さらに2409円で残り半分の量を空売りしました。その後も高値2460円まで上昇しますが、私にはもう十分でした。


この時の平均スプレッドは700以上と過去最大となりました。

その3か月後の6月、このスプレッドは無事解消されました。


2011年東日本大震災もロングショート戦略でなんとか無事乗り越えることができたのです。



さて、2015年8月今回の急落では割安なドラッグストア銘柄の買いに対して、大手ドラッグストア銘柄を空売りしております。現在、割安銘柄の方の下落率が高く、ロングショート全体ではマイナスですが、ポーラオルビスと同じタイプの銘柄なのでもう少し待ってみたいと思います。



最後に、今回の急落で大変な思いをされておられる方々に役に立てればと思い、記事にいたしました。参考になれば幸いです。


ただし、この戦略も万全ではありません。しっかりと事前に研究し、常に相場に対する努力と反省、勇気と決断、忍耐、規律を守ることで堅実な資産運用が可能となります。



また、急ぎ記事にいたしましたので、荒削りな部分や間違いがあれば、後ほど訂正・加筆を行います。


ご自身でしっかりと裏を取って確認していただき、くれぐれも投資に関しては自己責任でお願いいたします。



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今回は行列の中で感じたことについて話していきます。


今、生活が苦しいと答えた家庭が62%を超え、子供の貧困率も約16%台、どこの国の話でしょうか。


これは我が国、日本の現状であります。


昔の一億総中流と言われた時代からすると、そんなバカな話があるかと思っていましたが、現在は大きく変わりました。


ある日、いつも行っているスーパーでは100人以上の方が何かを求めて30分以上待っている光景を見ました。早い方は1時間前から待っております。


無料で何か配布しているのかなと列の前まで行ってみますとタイムサービスの看板が立ってありました。


それは、97円のサイズ不揃いの卵を買うための列でした。1日3回決まった時間に先着200名の方へ販売するタイムサービスです。


しかし、長時間並ばなくてももう100円足せばサイズの揃った品質の良い卵が買うことができます。


また、卵の安い他のスーパーに行けば60~70円足すと同じ品質の卵が買えます。また、別のスーパーでは500円もしくは1000円以上の買い物をすると100円でその卵が買えます。


並んでおられる方々の1時間あたりの普段のお給料はいくらでしょうか。もっともっと高いはずです。


たいていの方がぼーと待っている姿を見て、正直待っている時間がもったいないと感じ、その節約法はどうなのだろうかと首をかしげながらその列の横を通り過ぎました。



さて現在、各市町村において現金1万円で12000円分のプレミアム商品券が発行されており、その販売の際はどこも長蛇の列になっております。とある市の発行分はそこの市民以外でも買える商品券でした。


昔はこういったプレミアムの付いた商品券の発売が何度かありましたが、当時は5分も待たずに買えていました。最近はそうゆう機会がなかったので、これには私も久しぶりに買ってみようと思いました。


発売当日、他の市町村の混雑しているニュースを耳にしておりましたので、念のため販売開始45分前に最寄りの駅に到着しました。が、ここで目を疑う光景に遭遇します。


なんと、駅前のランドマークである百貨店の敷地周り100メートル四方がすでに人の列で埋め尽くされており、その列以外に百貨店につながる連絡陸橋にも人の列ができています。


いったいこの人の多さはどうゆうことでしょう。


時の流れで人々の生活が厳しく変わりつつあることを実感しました。


ぱっと見ても数千人の規模です。その日は蒸し暑く、薄着の方でも扇子で扇いだり、タオルで汗を拭う方々も見られます。大勢の人の熱気も合わさって、ここで待つには凄まじい体力の消耗を伴うことが予想されます。



これは1時間待つどころではない、下手すると2~3時間待つことになる。ここで待っていけないと判断しました。


販売場所は幸いいくつかあります。しかし、駅前周辺の他の販売場所も大勢の方が待っていて、今から並んでもそこの販売予想部数に対して購入できる可能性はほとんどありません。



そこで人の波とは逆に、駅前から離れたところに移動しました。駅前の華やかな街並みから昭和の香り漂うレトロで静かな商店街を通り抜け、さらに駅から離れた下町の商店街事務局本部に行きました。


事務局本部といっても小さな建物で普段一般の方が利用することはありません。周りにはお店も少なく、一見するとここで売られているとは考えられない場所です。


まさかに備えて事前に考えておりました。ここなら並ぶ人数も少なく、かつ事務局本部なので販売部数もそれなりにあることが予想されたのです。


近づいてみますと、見えるのは2~3人の方の姿だけです。

よし、予想通りだ。良かったと安堵し汗を拭いながら本部に到着します。



すると、ここでも愕然する光景を目にします。建物で見えなかった裏手側になんと200人以上の方々がすでに列を作っておられたのです。



しまった。考えが甘かったか。



正直、今回は空振りかと思いましたが、本部での配布部数は幸い比較的多いことを並んでいる方から聞きました。読みは間違ってはいなかったのです。



私はそこで販売開始30分前から日差しが照り付ける中、屋外で待ちました。販売開始15分後に1人3セット限定3万円の支払で6000円分のプレミアムを含めた商品券をなんとか購入できました。


私の前の方は小さな子供連れのご家族でした。暑さでさすがにお子様も疲れ気味でしたが、そのお子様分も購入できましたのでこれは待つ価値がありました。



さらに別の日、私の地元の市でのプレミアム商品券発売日がやってきました。


前回同様、販売開始30分前より市役所で並んでおりました。販売開始後から遅れて並び始めると、より待ち時間がかかることを理解していたからです。もうすでに百人以上の方々が列を作っております。


その日は発売開始20分後に1人2セット限定で妻と私で4セット購入できました。帰り際に行列を見てみると、私達が時間前に並んでから約3倍以上の長さになっております。早起きは三文の徳と言われる理由が良く分かります。


さらに後日、まだ余っていることを聞いたので待たずに家族全員で8セット購入しました。ここの市民限定で買える商品券のため余っていたようです。そして、事前の予約販売で12セット購入してましたので地元発行分は合計24セット購入できました。プレミアム分だけでも48000円です。これはありがたいことでした。


これらの必要なお金は以前の記事で述べております安全資産運用の資金からこの商品券の購入に充てました。元金24万に対し、プレミアム48000円分を半年分の利息と考えますと年40%の利回りです。この場合、低金利の定額貯金運用よりもはるかに効率的です。



さらに買うこともできましたが、使えるお店の範囲と有効期限の半年分で使える金額を想定すると月5万円あたりと考え、これ以上の購入は止めました。いくらでも買えるといっても、半年間で使いきれない分は無駄になるからです。



さて話は戻りまして、なぜ私は卵の列には並ばなくて、商品券の列には並んだのでしょうか。また、混雑が予想される時間・場所ではなく、人気のないと思われる時間・場所で並んだのでしょうか。


これらの行動の理由を時間とお金の関係で考えてみたいと思います。


1時間当たり普段1000円稼ぐ方でしたら、1時間待つならば1000円以上の利益がある場合、30分待つには500円以上の利益がある場合で待つ価値があると考えます。


仮に1000円の利益があっても、上記の方で待つ時間が1時間を超えて待つならば、その価値が減少してきます。


また、1時間当たり普段3000円稼ぐ会社員の方でしたら、今回の商品券購入で6000円の利益の場合は2時間の価値に相当します。これを超える待ち時間は価値減少につながります。


よって、有意な価値がある状況下で、できるだけ人の少ない時間前に、また人気のない場所で、その価値のメリットを最大化させようと試みたのです。

これをトレードオフ(機会費用)と言います。機会費用においてご自身の時間価値をお金に正当に置き換えてみましょう。


働いて得た年間総支給所得を、残業及び通勤時間を含めた実質労働時間で割ることにより、その方の1時間当たりの時間価値が導けます。


今は働いていなくて時給ゼロの方でしたら、どんな状況下でも列に並ぶことは当然かもしれません。


しかし一般の方にとって、待つ価値があまりに低い卵の列に並ぶことより、その時間に他の仕事をして進捗度を高めたり、ストレス解消のために余暇を楽しんだり、またはしっかり休む時間に充てて次の仕事に備える方が価値が高くなります。


よって、ご自身の時間価値を正しく考えることが求められます。時間を大切にできる方はお金も大切にできます。


ご自身の時間価値と適切な状況を意識しながら行動することで、安全で効率的な資産運用も可能となります。



さて、スーパーでの話に戻りまして、混雑している順番待ちのレジではこのような光景に会いました。


私の3人前方の人は会計の際、その店で使える優待カード使って5%OFF+10月に3~7%のキャッシュバック返金、次に1000円毎に使える100円の割引券を複数出し、電子マネーで決済(買い物ポイント加算+1週間後100円相当のポイント付与)しておられました。


2人前方の人は1000円毎に使える100円の割引券こそ出しませんでしたが、それ以外は前の人と同じ支払い方法で決済しております。


このお二人はタイムサービスの卵に目もくれず、食費を10~20%以上割り引く買物しています。生活苦と言われている中でも、時間とお金の価値を理解して上手に買物できる方もおられると感心しました。


次に、私の前の方がレジの前に来ました。20代の若い男性です。仕事終わりの感じが伝わり、お疲れのようで顔に元気がなく、服もくたびれた感じです。


その方は500mlのペットボトルジュースとインスタントラーメン、そして1万円のiTunesカードを購入しました。今夜の食事と趣味の買い物のようです。


買い物計算が終わり、レジの方からスーパーの何種類かのポイントカード等が載った掲示板を指し「こちらの対象カードはお持ちでしょうか」の問いに「いいえ持っていません」と返答しました。


改善した方がよいところがあります。


優待カードやキャッシュカードは無くても、せめて普段使うポイントカードは持っておきましょう。その日は5%安く買い物できるのです。(iTunesカードは割引対象外です)


また、なぜ500mLのペットボトルのジュースを買うのだろうと思いました。その種類でしたらあと30~40円出せば1.5ℓのペットボトルを買えます。喉が渇いているからすぐに飲みたかったのかもしれません。また、荷物が重くなるのが嫌だったのかもしれません。


でも、私なら迷わず1.5ℓの方を買って、水筒に必要な分だけ移し替えて残りは冷蔵庫に入れます。その方が結果的に少ないお金でたくさんの量を飲めるからです。


ジュース以外では今でも麦茶や緑茶は家で沸かしております。家族は水筒に入れております。私も昔は水筒に常備して入れていました。今は各社から株主優待で頂いたペットボトルのお茶等を飲んだ後、再利用して何回かジュースやお茶を詰め替えて利用しております。


1万円のiTunesカードについてはここで買わずに、次から約90%で買えるネットオークションで購入しましょう。約1000円浮きます。たまにはインスタント麺でも悪くはないのですが、その浮いたお金で栄養のある食材を買って、明日への仕事のパフォーマンスを高めてはいかがでしょうか。


さらにできることならiTunesカードを買わない生活をしてはと考えます。趣味は大切ですが、あまりお金を使わない趣味で将来のための貯蓄を行う方が良いと思います。



なぜなら、今の若い方はこれからもっと苦労する生活を送ることになるからです。


少子高齢化による年金の受給減少、医療福祉費負担の増加、消費税等の増加する税金、肥大化が止まらない国債の借金を背負わされ、生活していく上で徐々に重荷がのしかかることがこれから待ち受けております。


今の政策はその時が良ければという状況です。財務の健全化(プライマリーバランス)は毎回毎回、先へ延期を繰り返して健全化の見通しは立っておりません。


その場凌ぎの年金医療政策、諸外国への巨額のODA資金供与や豪華なハコモノ施設等でお金をばら撒いたり見栄を張っている状況ではないと思うのです。


このままだと、いずれギリシャのような社会問題がこの日本でも現実化される可能性が高まります。


行列の中でいろんなことを感じた1か月でした。

これらの状況を受け止めながらも国に頼らず、自分の力で対応できる生活作りを行う必要があります。次第に生活苦が広がっていますが、見せかけの平常下の今の状況に甘んじることなく、知識を高めて将来への備えを行っていきましょう。


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今回は株式投資をされておられる方へ 株主優待運用 株価変動の損失リスクを回避したクロス取引のメリットと注意点について説明させていただきます。


前回、株主優待目的の銘柄については配当優待利回り、銘柄の健全性、購入タイミングの3つを確認した上で保有検討しましょうと述べました。


ただ、今の相場環境ですと長期的な視点から、優待目的銘柄を新規に購入するタイミングとしては悪いものが多く、将来大きな損失を招く可能性があります。


その理由として過去の株価チャートを見ると、ほとんどが高値圏であることが分かるからです。


長期で保有することは相場の山だけではなく、谷も経験することになります。特に深い谷ではかなりの苦痛が伴います。それを乗り越えて精神的に強くなることも大事ですが、やはり想定されるダメージは少ないに越したことはありません。


特に、NISAで優待銘柄をこれから新規で買う場合は損益通算できないことをよく考えておいてください。


今、魅力的な優待銘柄はどんどん買われており、一度買うとしばらく売ることもないので、個人投資家の買い支えにより高値が維持されやすい傾向にあります。


しかし将来、市場が弱気相場に転じ、恐怖のどん底を経験する時には我先に売りが殺到する場面に直面します。


こういった銘柄において、普段は太い木の枝のように株価が折れにくい性質がある(株価下落耐性がある)のですが、いざ、想定を超える有事が発生すると、個人投資家の動揺パニック売りが加速度的に起こり、木が一気にへし折られるかのような感覚で他の非優待銘柄以上に下落することが予想されます。


このタイミングで売ると非常に大きな売却損が出ます。さらに、特定口座で利益の出た銘柄と損益通算できないことにより、売却損の約20%の税金還付もありません。まさに泣きっ面に蜂の状況になります。


NISAで購入すると利益が出た時には非課税のメリットがあります。反面、損失になった場合は上記のデメリットも理解しておきましょう。


よって、これから優待目的で購入保有する銘柄は多少の株価変動に対しても動揺しないもの、生涯保有したい銘柄や日常生活で欠かせない銘柄を中心にポートフォリオを作りましょう。


さて、話は戻りまして、どうすれば株主優待運用において、株価変動による損失リスクを回避して行えるのか。


それは1つの銘柄を信用売り、現物買いで同数保有するクロス取引の方法です。


信用売りは制度信用取引と一般信用取引があります。


信用取引を使って権利日前場後場の寄付前にクロス取引を行えば、配当分はほとんど相殺されますが、権利落ち後の株価変動による損失リスクを回避して株主優待を受け取ることができます。今回はその詳細について話していきます。


まずは優待銘柄の権利を獲ることによるメリットです。


私はある私鉄の銘柄をクロス取引して、半年フリーパスの定期型株主優待券(価値十万円以上)を数千円程度で取得し、普段利用しております。


日常生活で使うスーパーの優待券・割引券・優待カード、コンビニなどで使えるクオカードも各社から頂いて買い物に利用しています。また、お米やビール、お茶、ジュース、お菓子など様々な品物が贈られてくるので、狭い部屋の我が家が優待品で溢れる時期があります。


このクロス取引を使いこなすと、日常生活費が相当量低減できます。低減した部分を貯蓄・投資するとさらに優待品が増える好循環になり、貯蓄スピードが高まります。今は知識不足の方でも今から資金力を少しでもつけておくことがここで活かされてきます。


ただし、クロス取引で売買銘柄、売買注文、数量、売買条件、売買タイミング等いくつかの項目で1つでもミスがあると正しく取引が出来ず、運良く利益になることもありますが、損失が出てしまう可能性が多々あります。


よって、確実に取引を成立できるように気を配る必要があります。


特に3月9月には優待銘柄が多くなるので、ミスを防ぐために私は取引銘柄の進行状況表を作って現状を確認し、注文時には声を出して1つ1つ確認しながら注文を出しています。そして、注文後は注文状況を再確認して、間違いがないか見ていきます。



ここから、制度信用クロス取引においての注意点を説明していきます。



権利日前に制度信用クロス保有している場合は普段から日本経済新聞朝刊のマーケット総合1・2欄を見て、注意喚起、売り建て禁止(売禁)などの情報が入っていないか確認します。


注意喚起、売禁の入った銘柄で貸株(信用売り)超過の場合は逆日歩が高くなるケースがあります。逆日歩があまりつかないケースもありますが、貸株超過で該当した場合は基本的に信用売り現物買いポジションを解消決済します。


さらに、権利日当日の寄り付き前や前場引けから後場が始まる休憩時間内に日本証券金融の貸借情報サイトを確認します。注意喚起、売禁、品株料率10倍適用などの情報が突発的に入ることがあるからです。


突発的なニュースが入った銘柄も制度信用クロスしているものは権利を取らず、当日中にクロス解消決済します。翌日、高額の逆日歩が待っていることが多いからです。


数十億から百億円レベルの時価総額の少ない銘柄、小型株、逆日歩3日分の該当月、1000株単位銘柄または12月優待銘柄の制度信用クロスは要警戒です。


逆日歩が自分の予想以上にかかることがあり、クロスしている単元数が大きいと、少しの逆日歩でも優待価値を上回る手数料を支払うケースがあります。


また、12月は年末年始をまたぐため、逆日歩適用日数が約5~7日間と長く、高額な逆日歩が来ると日数分かかるので、そのダメージは強烈になります。



ここで、極端な例を申し上げます。



音通という銘柄の優待は5000株以上保有で3000円相当のそば・うどん・そうめんセットが貰えます。


2012年9月当時、株価は15円と極端に安く、75000円の投資で優待を受けることができました。また、これまで権利日に信用売りが超過することはほとんどありませんでした。


そこで一部の方は制度信用のクロス取引を使って、権利落ち後の株価変動の損失リスクを回避した取引を試みます。私は低位株の制度信用売りによる逆日歩の怖さをこれまで目の当たりしてきたので、恐れ多くて近づけません。


権利日当日引け後の結果、この銘柄の発行株式数約1億9千万株に対し、権利日当日の売建超過わずか約30万株で発行株式数に対する割合は0.16%、通常のケースだと逆日歩はかかっても少額です。


制度信用売方はこれなら大丈夫と胸を撫で下ろします。逆日歩の結果は翌日昼前に分かります。


最高逆日歩回避の一応の目安は発行株式数に対する売建超過割合が1%超えで避難勧告レベル、2%超えで避難指示レベルです。


この把握方法は前日の売建超過株数と権利日当日の前場後場の寄付出来高(クロス取引が多数を占めるため)を合計して、権利日当日後場で制度信用クロス取引を継続するか解消するかの判断をします。


ただし、銘柄によっては売建超過割合が1%未満でも最高逆日歩がかかるケースや2%超えでも逆日歩が少額のケースもあり、銘柄の特性や経験が必要とされる部分もあります。後で申し上げます最高逆日歩がどれだけ付くのか、過去の売建超過割合に対する逆日歩状況も頭に入れておく必要があります。


話は戻ります。


しかし、この銘柄には大きな落とし穴が待っていました。当時は東証市場に合併される前の大証(大阪市場)取引です。分かる方はご存知でしょうが、品貸入札の流動性が低い銘柄が中にはあり、最高逆日歩のつく銘柄が発生しやすい市場でした。 


そこに前回述べました、鬼より怖い逆日歩が制度信用売方に襲い掛かります。


翌日、なんと前日に保有していた制度信用売方1株に対し、1日当たり6円の最高逆日歩が発表されます。



この数字を見た投資家は愕然とします。



優待受取に必要なクロス取引5000株売建で1日当たり3万円の支払い、さらに2012年9月権利の逆日歩日数は3日間、よって合計9万円の逆日歩支払いです。


3000円の優待品に対し、9万円を支払うとんでもない状況になったのです。この支払いのために音通現物株5000株を全て失った上、15000円をさらに支払うことになりました。


それ以来、この音通に関しては3月9月の年2回優待があるにも関わらず、権利日に制度信用クロス取引がほとんど入らない銘柄になりました。



また、逆日歩の状況判断は時価総額の多い大型株でも油断禁物です。


時価総額1千億超える銘柄でも過去に高額の逆日歩がかかることがあり、スギ薬局(7500円・100株3日分)・パーク24(1600円・100株1日分)など、時に制度信用売方は売買手数料を含めると優待価値を超える手数料を払うことになりました。まさか、これだけの大型株なら掛からないだろうと思っていた私もこれには巻き込まれました。



よって、高額の逆日歩を受けてしまった場合は仕方がないのですが、まずは最高逆日歩総額がどれだけになるのかを確認すること、過去の売建超過割合に対する逆日歩傾向を調べることです。


ただし、最近はクロス取引による優待取りも人気化しており、厳しめに逆日歩を見積ります。優待価値を超える可能性のある危ない銘柄は回避します。基本は最低単元数で制度信用クロスを形成します。


また、優待クロス銘柄を少数に集中せず、分散投資して、逆日歩によるダメージを平均化させます。


さらに、権利日当日の出来高状況を考慮し、日本証券金融の注意情報等の有無を確認して、当日後場で制度信用クロス取引を継続するか解消するかの総合的な判断をします。



なお、特定口座で源泉徴収あり、配当金を株式数比例配分方式で受け取っておられる方で、制度信用売り現物買いクロス取引の場合は権利日をまたいで保有していると、配当の約12%が取引差益として約3か月後(証券会社や状況によっては株式取引利益との年末調整後の翌年1月初旬)にもらえます。一般信用クロス取引の場合は配当分は相殺されます。


詳細はカブドットコム証券のQ&Aに載っておりました以下の部分をご覧ください。


引用始め


現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)を差し引かれた状態で支払われます。
配当金が1万円の場合、源泉税を差引かれた7,969円が支払われます。

信用取引の配当落調整金は、制度信用と一般信用で異なります。
○一般信用取引(売り)の場合(配当落調整金100%)
配当金が1万円の場合、配当落調整金として1万円全額をお支払いいただきます。

○制度信用取引の場合(配当落調整金84.685%)
配当金が1万円の場合、配当落調整金として15.315%の所得税分を差引いた8,469円をお支払いいただきます。

配当金にかかる源泉税(20.315%)につきましては、確定申告することで譲渡損(配当落調整金の支払を含む)と損益通算することができます。


なお特定口座(源泉徴収あり+配当受入あり)かつ配当金の自動受取(株式比例配分方式)を選択されているお客さまの口座につきましては、現物株式の配当金は特定口座の譲渡損(配当調整金の支払いを含む)と自動的に損益通算され、翌年1月に税金が還付されます。


引用終わり



これを見ると、配当金の税引後受取7969円-配当落調整金8469円で500円損するではないかと思われますが、8469円の損失には約20%の税金還付があります。その還付分から500円を差し引くと、配当金の約12%が取引差益になります。


売買手数料や貸株料を差し引くと、おまけみたいなものですが、高額クロス取引で配当金額が多い銘柄ですと、ばかにできない額となります。ただし、高額の逆日歩が付いてしまうと、この利益も吹き飛びます。高額クロス取引の差益狙いでうかつに近づくと、大やけどする可能性があります。



これらの状況を見て、制度信用取引なんて怖くて無理、逆日歩が付くかどうかの面倒な判断をする時間や経験もないよ。



そんな方々には一般信用取引を紹介します。貸株利率は制度信用金利より割高ですが、この取引は問題となる逆日歩がありません。


カブドットコム証券、SBI証券、松井証券、大和証券、岩井コスモ証券で対象銘柄は限定されていますが一般信用売建が可能です。


ただし、人気のある銘柄は1か月前には品薄や在庫切れになっていることもあります。ところが、かなり前から一般信用クロス取引を行うと、貸株利率が制度信用より高いので売買手数料と維持金利コストを計算しないと優待を獲っても高くついてしまいます。


また、保有期限が短く限定されている売建銘柄だと権利日までに届かずに決済になってしまう場合もありますので、最終決済日がいつになるのかを確認しておきましょう。


最大のメリットとして逆日歩が付かないので、優待取得のための総額経費の把握がしやすいです。大型株を中心に様々な優待を軽減されたリスクで取得可能になります。


優待クロス取引を始めて間もない方、逆日歩が付きやすい銘柄を避けるには一般信用取引が良いと思います。



では、最後に株主優待運用のクロス取引で紹介したいサイトを述べていきます。


コツコツ株主優待

http://ameblo.jp/y50/


業界最大数の一般信用取引銘柄を取り扱うカブドットコム証券の売建可能数、競争倍率が曜日毎に記されており、人気度と一般信用クロス取引のタイミングが分かるようになっています。また、最高逆日歩や過去の傾向も載っているので制度信用取引で注意が必要な銘柄を知ることができます。


株主優待を極める

http://yutai.amits.net/


月毎の人気の銘柄や優待内容を知ることができ、権利月/日、証券会社別、単元価格別、銘柄コード順に並び替えが可能で、自分が必要な情報を分類することができます。また、過去の逆日歩状況も過去5年分記載されており、制度信用の詳しい逆日歩動向が把握できます。


もちろん、過去の傾向ですので、将来の逆日歩がどうなるかは分かりません。一定の目安として、または平均値を想定する意味合いで使いたいです。



クロス取引で株主優待を取得することは普段生活する上でとても役立つと考えております。まずは知識を蓄え、日々の倹約による貯蓄で資金力を高めると、こういった方法でさらに貯蓄スピードが高まります。まずは小さなことからコツコツと進めていきましょう。



上記の運用につきましてはご自身でしっかり確認した上で、自己責任でお願いいたします。


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