人とすれ違うとき、お互いが傘を外側に傾けて相手が濡れないよう気遣う。

これ、あたりまえにしているような事ですが「傘かしげ」という江戸時代から伝わるマナーだそうです。


【江戸しぐさ】って聞いたことありますか?


本日の講義は「道徳・道理」について。講師の小林猛さんは過去10年間で、なんと5000人のキャリアカウンセリングをしてこられた方で、GCDF(Global Career Development Facilitatorの略。厚生労働省指定の試験)キャリアカウンセラーとして活動されています。そしてNPO江戸しぐさ正会員でもあります。



「天職」 便り



本日のテーマである「道徳・道理」。これを守り円満な人間関係を築くため、小林先生が実践されているのが冒頭で述べた【江戸しぐさ】。江戸しぐさとは、江戸が発展し日本のみならず世界各所から多くの人が集まったので、その小さな町で互いが気持ちよく暮らすために、工夫されて出来た江戸っ子のマナーだそうです。

江戸っ子=てやんでい!

みたいなイメージしか正直なところ持っていなかったので、ふと、その昔同じクラスの意地悪な男の子が道案内してるのを目撃した時の事を思い出しました(笑)


「粋だ、野暮だ」などという言葉を聞いたことがあると思いますが、これも江戸しぐさに関係のある言葉なのだそうです。実は、江戸っ子には4つの条件があったのです。

①目の前の人を仏の化身と考えられる
②時泥棒をしない
③肩書きを気にしない
④遊び心がある

実践できれば正しく「粋」と言えるものばかり。そして、その本質というのもきちんと示されてあります。

a.約束を守る
b.見てわかることは言わない
c.結界を覚える(己の領域を知る)
d.人のしぐさを見て決める

といったものです。個人的に「b.見てわかることは言わない」に心を持っていかれました(笑)なんだか江戸時代の人に親近感を覚えてしまった瞬間。
見ればわかるでしょーが!って事を言わせるのは「野暮」ですもんね。


「天職」 便り

さて、江戸っ子って実はこんなに謙虚な考えを持っていたんだという事がわかって来ましたが、さらに江戸時代には【百人番頭】という言葉がありました。その名の通り「百人をまとめられる力量を持った番頭」という意味で、現代で言うと「個性豊かな部下百人を一人でまとめられる上司」という感じ。


しょうもない話ですが小林先生の口から「百人番頭」と聞いたとき、頭の中に織田無道さんが浮かんだのは私だけでしょうかね?(笑)


……真面目にやります(´-ω-`;)百人番頭と呼ばれるような人ならば心得ているのでしょう、人の上に立つ者に求められたものが2つあります。

①気配り・目配り・手配り・心配り
②先に備える見越しの力

江戸っ子の本質に加えて、百人番頭と呼ばれるほどの力量を兼ね備えている人ならば、まず間違いなく引く手数多でしょうね。これは今だって言える事は同じで、社会が必要としている人物像はいつの時代もさして変わりは無いと思うのです。

けれど情報過多の現代だから、シンプルな江戸しぐさを心にひとつ据えていたいと思いました。


さてここからは実践的な話になっていきますが、現代では就職をするにあたり、主に面接という形で企業と求職者がお互いを知る機会があります。まずはここで正しく自分をPRする事が必要になってくる。

江戸時代ならば「d.人のしぐさを見て決める」その仕事をしている人をその目で見て自分の行く先を決めたのだそうですが、現代では情報も多く、選択肢はとても広くあります。だからまずは正しく自分を知り、その上で正しく自分をPRする必要があるのですね。

それに欠かせないのが「表現力」であると小林先生は教えてくださいました。実際にひとりひとり、1分間ずつ時間を頂き自己PRをしました。



「天職」 便り


私の場合PRしたい事は決まっていて、いくつかあったので一つに絞って話してみたのですが、てんでまとまりが無い。話している自分がそう思うのだから、聞き手の事を考えるとぞっとします(笑)

もちろん自己PRにもポイントがあり、3つの事に気をつけただけでずいぶん印象が変わりました。

①エピソードを交える
②数字で表す
③具体的に


というものです。少なくとも印象には残りやすくなるのだと。それから小林先生曰く「傾聴力」が何よりも強みになる!のだそうです。しっかりと人の話を聴き、受け止め、正しくアウトプットできる人材というのが本当に求められているのだと言います。


先日コーチングの講師として小津先生が来てくださいましたが、そのコーチングも「傾聴」することから始まるそうで、この力だけでいかにコミニュケーションの礎を築けるかというのが伺えると思います。


最後に、小林先生のお話の中で印象的だった言葉をご紹介します。


「命は借りものであると考えながら生きていました」


江戸時代の人々の考え方だそうです。私は深く感銘を受けました。だから人は死ぬのだなと、すとんと心に落ちた言葉でした。これを思えば懸命に生きるし、誰かを傷つけることもしませんよね。

ちょっと返却日がいつなのかがわからないのが困りどころではありますが、精一杯生きて行こうと思えました。


小林 猛先生、本日は暑い中お越し頂き、また貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました!

また、ブログ執筆中にBGMの差し入れをしてくれた孟さん、ありがとうございました(´∀`)ノ リフレッシュできましたよ!「粋」な計らいに感動!

明日からのカリキュラムは自己表現に移ります。講師は土屋百合さん、塩見益代さんです

「天職」 便り

りえ姉のリラクゼーションサロン(*'▽')!私もがんばろー!!

本日のブログは受講生の篠塚が担当しました。最後までお読み頂きありがとうございました。