Look Back On The Past STAGE vol.4 | 空想天象儀

空想天象儀

無限の想像力が日本人の創造力を刺激する!SF・ファンタジー専門劇団 『空想天象儀』!!

三週間ぶりの瀬良浩介です。

時間がすっ飛ぶことって、ありませんか?気が付いたら体感以上の時間が経過している、というような。例えば、まだ水曜日だと思っていたらもう土曜日だったとか。そういうときは、思わずこう言ってしまいますね。

「時間が飛んだ!ボスの射程に入っているッッッ!!」

ブログ更新忘れてすみませんでした。


さて、先週から劇団員総出で過去公演を振り返っておりますこのコーナー。先週は吉川が3rd STAGEの「追憶の村、生命の樹」を紹介してくれたので、今週は第四回目のこちらです。



4th STAGE

「欠陥の魔術師 -EXPLOITER-」




2011年4月29日~5月1日

@東長崎「てあとるらぽう」


支援の第4回公演。


劇団初のオムニバス公演。

この世界は神によってプログラムされた。しかしプログラムにバグ(欠陥)はつきもの。欠陥は様々な超常現象として現れ、世界の法則を乱し、人の生き様を乱してしまう。そこで神はデバッガ(バグ取り)を一握りの人間の手に託した。世界のEXPLOIT(穴)を塞ぐために。

そんな世界観を下敷きに、5(+1)編の短編を瀬良浩介が作・演出しました。主にコント寄りの作品が多かったのですが、奇怪な状況に引き裂かれた恋人たちのエピソードなど、彩り豊かなオムニバスとなりました。


そして公演日程を見てわかる通り、あの東日本大震災の直後の公演でした。震災発生前にすでに劇場は契約してあったので、最初は公演中止も考えました。東京でも大きな余震が多くあり、上演中に地震が起きて万が一の事故が起きた場合、責任は取れるのかと悩んだりもしました。

しかし、劇場の耐震構造もしっかりしており、避難経路も明確で誘導もしやすいとわかったので上演の意思は固まり、売り上げの全てを東北支援の募金にあてることで、復興支援の公演とすることも決めました。

幸い、公演中のすべての回で地震は起きず、滞りなく終えることができました。この年、知り合いの劇団の中には上演中に大きな揺れが起こり、進行停止を余儀なくされたところもありました。うちはとても幸運だったといえるでしょう。

そして、我々の意思を汲んでくださり、劇場まで足を運んでくださった皆様には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。




劇場のてあとるらぽうは、天井高こそやや低いものの間口(横幅)が広く、役者にとっては演じやすい劇場だったと思います。また舞台背後には大きなスクリーンが常設されており、映像をプロジェクタで投影するのに長けています。使わない手はないと思い、各話の間に短い映像を挿入する演出をとりました。劇中に映像を挟んだのもこれが初めてでしたね。

劇場は駅徒歩1分の好立地で、隣のビルには100均、弁当屋、その隣にはコンビニと、公演打つ側としては最高の環境でした。同じ建物の2階には飲み屋もあったなあ。使わなかったけれど(笑)。

ただ惜しむらくは楽屋がちょっと狭めで、10人も役者がいたらぎゅうぎゅうになってしまうところでしょうか。大勢で芝居をする場合は要注意ですね。


「欠陥~」の世界観は瀬良の中でも好きなもので、もっと色々書けるだろうなと思ってます。またこの世界観でオムニバス公演をしてもいいですし、2時間ものもきっと書けるでしょうね。例えるなら、テレビアニメのシリーズの完結編を、劇場版として公開するような(笑)。

劇中では、世界を守る側の「デバッガ」に対して、神の排除を目的とする組織「レコンキスタ」という存在が明らかにされて幕を閉じます。どう考えても続編が作られそうな終り方じゃありませんか(笑笑)。いつかきっと、「デバッガ」と「レコンキスタ」の戦いを描く異能バトル系を書かなくてはですね。すごいラノベっぽいですけど。



あれから4年経ったのかと考えると、あっという間だったような、まだ4年なのかという記憶の風化感に思い惑ったりもします。この4thの記事は本来3月11日に書かれる予定だったので、数奇な運命を感じながら執筆しようと思っていたのですが、本当にすみませんでした...orz

さて次回は、牧野が5th STAGE「魔皇子は憎むべき相手を知る」の記事を書いてくれます。ついに開幕するパンゲア・サーガ三部作の第一弾ですね。どうぞお楽しみに。

ではまた三週間後に、ごきげんよう…。



by.瀬良浩介