おとなしくしている、といったはずだが、早速、現在の執行部を批判する民主党小沢一郎。
 でも、言ってることって、正しいと思う。
 子ども手当の減額と高速道路無料化の棚上げを批判。マニフェストにあったのに、代表がかわったからといって、やめるという話ではない、というのはその通りだ。消費税も4年間上げないという約束だ。というのは、小沢の言う通りだと思う。

 子ども手当というのは、バラマキではなく、鳩山由紀夫の育児の社会化についてのメッセージだったと思っている。このことと、「新しい公共」という考え方はつながっている。ただ、菅直人以下、民主党の多くの議員がそのことを理解していないだけだ。
 高速道路の無料化というのは、そもそも高速道路はいつかは無料になるはずのものだったということ。そして、有料だから使われないということが、経済的寝室になっている場所があるということ。この2つは考慮されるべきことだ。首都高や東名を無料化するとは言っていない。
 消費税の増税というのは、検討すべきことの1つだということは間違っていない。けれども、4年間の間に景気を回復させるという前提があって成り立つものだ。マスメディアの財源論にまどわされてはいけない。増税のアナウンスは景気悪化につながる。

 という本質的なことが、菅政権になって置き去りにされているということに対し、小沢がいらだつというのは、あたりまえなのだろう。

 小沢を影の権力者として描き、失脚しつつも復活を狙う、というマスメディアには、ずっと違和感がある。田中派の流れをくむ、古い体質の政治家だからこそ、クリーンとはいいきれない部分を持っているとは思うが、権力を掌握しようということは、あまり考えていないんじゃないかとも思っている。ただ、ガバナンスの問題として、民主党の議員の多くが心許ないので、どうしてもしめつけてしまうという、行き過ぎた行為をしてしまうんじゃないか。
 役所からも「こども政権」と言われている民主党政権なので、それはしかたないとは思う。
 小沢の方法に異論はあるけれども、少なくとも、今回のことは、小沢が正しい。

 ついでに言えば、現時点で、みんなの党との連立を模索するような発言をする枝野はどうか、とは思う。そんなんだから、今の民主党政権に心踊るものがない。