相武万太郎オフィシャルブログ「六転び七転び八転びROCK。」(音楽、小説、酒)

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ベッキーがテレビに出てるとチャンネルを変えてしまう男が、好きな音楽や小説を語ったり書いたりらじばんだりしています。音楽は洋楽ロックメインだったが最近はハロプロ大好きです。特にANGERME。

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どうも。僕です。

 

 

きまぐれでアメブロ開こうとしてみたら、IDすらまったく覚えていなかった笑

 

調べてみたら、最後の記事、二年前やんww

 

でも、相変わらず、ここで交流していた方々はブログを続けられていて、すごいなあと思いました。

 

継続するって、大変ですよねー。

 

みなさん、お元気そうでよかった。

 

さかなさん(あれ、りんごさんになったんだっけ)は見当たらず。

 

ま、自分もそうだから、ね。

 

 

こんにちは。僕です。


先日の記事ではいくつか質問のあったメンテナンスについて、補足記事を書きますね。


羽毛布団は、前にも書きましたが、干す必要はありません。

吸湿発散性に優れているからです。


コンフォーターケース(布団カバー)を洗うだけで十分です。


逆に天日干ししてしまうと、側生地を傷めてしまうので、

どうしても干したい場合は、陰干しです。


ちなみに、我が家で使用している布団は、オールシーズンタイプというもので、

春秋に使用する合掛け布団と、夏に使用する肌掛け布団の2枚がセットになっています。

冬になると合掛布団と肌掛布団をボタンで1枚にすることができ、

いわゆる一枚ものと呼ばれる羽毛布団よりも便利であたたかいものなんですね。


なので、我が家はほぼ一年中羽毛布団を使っているのですが、

夏の間は合掛布団をしまっているんですね。


秋になって合掛布団と肌掛布団を入れ替えるときに、お手入れをします。


合掛布団のなかに含有する空気を、外気と入れ替えるために、

ダウンが傷つかないように丁寧にほぐしてあげます。すると、ケースに入れていて

ぺしゃんこになっていた羽毛のかさ高が復活し、ふくらみが戻るのです。


風邪などで汗をかき、湿気を含んでしまったときは、同じ要領で、

布団をばさばさすると、空気の入替ができますよ。


ちなみに、ティップス(お役立ち情報)ですが、

よくダウンジャケットとかでも、生地から羽毛や羽根が飛び出してくるじゃないですか。

あれは、引っ張るのはNGです。だって、中身がなくなるんですからねー。


そんな時はどうするかというと、中に引きずり込むんです。

外に出ようとしているものを、元に戻してあげるんですね。


そうすれば、中身は減ることがありません。

引きずり戻した後は、その部分の生地をしっかり揉んでください。

生地の穴をふさいであげると、飛び出にくくなります。


これ、羽毛布団でも、ダウンジャケットでも、同じです。

ぜひやってみてくださいね!


ではまた。

「的場のフォローを頼みたい。俺は福音の会を調べる」



肝心の情報をこちらでコントロールしておけば、田島に妙な勘ぐりをさせずにすむ。内部に情報をあまり流したくなかった。少なくとも、現時点では。





目が覚めたとき、江藤恵理子はその寒さに驚いた。パジャマ着のままということは、床についていたということになるが、恵理子がいる場所は、寝室でないことは確かだった。福音の会は、共同生活できる施設があり、幹部の中には個室を与えられている者もいたが、恵理子は本部近くのマンションを借りていた。自宅ではない。壁に分電盤らしき機械がみえるが、各ブレーカーのスイッチ名までは読み取れない。近寄ってみようと思ったが、そこで初めて自分が緊縛されていると知った。


「目が覚めたみたいだね」


「綿貫・・・くん?」


綿貫とは久しぶりに会った。研究室にこもりきりで、電話してもつながらない。避けられているという不安がぬぐえないでいたが、この場面から考えるに、その不安は的中したに違いなかった。


「私に、何をしようっていうの」


福音の会には、洗脳のノウハウはもちろん、拷問のノウハウを持っている者が信者にいる。組織が大きくなるには、手段を選ばずにさまざまな非合法を実施してきた歴史があることを、幹部である恵理子は、当然に知り尽くしていた。


「これから行うことはね」

綿貫は無表情を恵理子に向けた。「福音の会のためであって、しいては『世界』の人々のためであって、

そして何より大切なのは、君のためなのです」


綿貫は徐々に恍惚とした表情となっていく。「僕はね、本当に君のことを尊敬している。なぜかって?

この僕を踏み台にしようとしたからだよ。僕はね、これまでずっと君のためを思って行動してきた。それがどうだ、まさか結婚して子供までいるなんて、あきれてものがいえない。そういう嘘で固められた人生を挽回させてあげようということだ」


慎重に行動していたつもりだったが、家庭のことがばれてしまったことを悟った。プライドの高い綿貫がこれまで恵理子と連絡を絶ったのも頷ける。綿貫の表情がさらにゆがんだ。

「君のことを愛していたんだ!」「信じていたんだ!それなのに」

もはや綿貫は自分のことを見てもいなかった。視点をさまよわせ、表情がくるくると変わるそのさまは、まさに狂人のそれと相違なかった。恵理子は、なんとしてもこの場を切り抜けなければ、自分のキャリアはおろか、人生を強制終了させられてしまうと思った。





(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。

どうも。こんにちは。僕です。


小説も書いてないので、書かなきゃいけないんですけど。


先日書いた記事の続きを、その前に書きますね。



寝る為に必要なものとしては、ベッド(または式布団)、枕、かけ布団です。


前回はベッドについて語りましたので、今回はかけ布団について、

元業界人がみっちりご説明させていただきます。



かけ布団といっても、いくつか種類があるわけです。


①綿布団

②ポリエステル素材布団

③羊毛布団

④羽毛布団


①は、昔の婚礼布団では最もポピュラーなものでしたが、

綿の打ち直しなどのメンテナンスが必要なところや、

収納場所をとること、重いことなどから、現在は殆ど流通しておりません。


現在の主流は、②と④ですね。


②は安価だったのでよく売れていましたが、最近は羽毛布団も安いので、

皆さん使われているのは④が大半なのではないでしょうか。


しかし、羽毛布団というのは本当にピンからキリまであります。


2万円台のものもあれば、100万円のものもあるのです。。。


一体、何が違うのでしょうか。


その前にまず、羽毛布団の特徴をお話しますね。


1.軽くてあたたかい

鳥が体温をキープするための羽毛を集めたものですので、あたたかく、

そして軽いのです。体への負担もなく、そして保温力抜群なのが魅力ですね。


2.収納力

コンパクトにできるのも日本の住宅事情にぴったりですね。


3.メンテナンスが楽

羽毛布団は、干す必要もなければ、洗う必要もありません。

(むしろしてはいけません!)


4.コスパ

良い羽毛布団を一度買えば、40年は持ちます。

側生地さえ傷んでなければ、相当ながく使えるのです。



さて、ではどういう羽毛布団を買えばいいのか?



1.陸鳥(ダック)ではなく、水鳥(グース)の羽毛を選ぶ

安い羽毛布団は、食肉用の陸鳥からとられた羽毛です。


2.寒い産地の羽毛を選ぶ

国土の広い中国産は、品質にばらつきがあります。

世界三大産地は、カナダ、ポーランド、ハンガリーです。


3.かさ高の高いものを選ぶ

要するに、ひとつひとつの羽毛が大きなものは、保温性に優れています。

最もかさ高性に優れた羽毛は、エクセルゴールドラベル(確か16センチ以上)というものがついています。


値段の目安ですが、個人的見解で申し上げますと、

僕が勤めていたメーカーの価格でいえば、シングルサイズ7万円クラスのものであれば、

まあまあです。

贅沢な眠りを求めるのであれば、10万以上ですね。


一生ものの買い物だと思いますので(ベッドは15年くらいが寿命といわれています)

良いものを選んでくださいね。



ではまた。



こんにちは。僕です。


小説以外をブログにあげるのって、すごく久しぶりです。

小説もなかなかかけてませんけど・・・笑


今日はとーとつですが、マットレス選びのポイントについて語ります。


というのも、僕は元々某ベッドメーカーに10数年勤めておりまして(営業経験もあります)、

ブロ友さんがマットレスを今度購入するということを話されておりましたので、

独断と偏見にみちたマットレス選びのポイントをつらつらと書いてみようと思います。



1.ベッドOR布団


いびきがあまりにうるさいので、別の部屋で布団を敷いて寝ておりますが、

僕のおすすめはベッドです。

衛生的で、あたたかいからです。

床面から30センチほどの空間は、実は冷気と埃がたまりやすいのです。

床面から離れているベッドは、きれいであたたかい空気の中で眠れます。

また、足腰に力を入れずとも寝起きができるので、ベッドは楽チンです。

その意味からも、マットレスと床面との距離は、40~50センチ以上あると、楽です。

ただし、あまりマット面が高いと、空間が圧迫感がでて、部屋が狭くみえます。


2.どんなマットレスがよいのか

マットレスを選ぶにあたっては、寝入りの姿勢が重要です。

寝入りの姿勢が重要なのは、寝入りの時間帯がもっとも成長ホルモンが分泌されるといわれていて、

その寝姿勢にあったマットレスを選ぶべきだからです。

ちなみに僕は横向きに寝ます。

横向きは、よい寝姿勢ではありません。。。体重をなるべく広い面積で体圧分散させるほうが、

体に負担がかからないから、上向きで寝るのがベストなんです。

とはいえ、長年の習慣を変えるのは難しいです。

横向きの人は、肩こりしやすいとも言われます。肩に体重がかかるからですね。

なので、ポイントとしては、「体のラインはまっすぐに保ちつつ、かつ、固くないマットレス」が良いです。


上向きの人は、固めのマットレスがいいです。横向きの人ほど柔らかさを求めなくても大丈夫です。

大型店舗でメーカーOEM商品でよくあるのが、原価を少しでも抑えるために、詰め物(ウレタンなど)を

少なくするパターン。横向きの人はこういう詰め物が薄い商品はおすすめできません。

上向きの人は、こういうのでも大丈夫だと思います。


スプリングの種類は、大きくわけて2つあるのですが、いわゆる独立系と連続系。

連続系のスプリングは、マットレスに入っているスプリングが全部つながっています、というもので、

全部のスプリングが体を支えますという代物。

逆に独立系は、ひとつひとつ独立しているので、体のラインにフィットしやすいとか言われています。


はっきりいって、メーカーやお店の人が言ってることはあまりあてにしない方がいいですww


経験値で売りやすいセールストークを言ってることが多いので、自分が試してみて、

体に負担がかかりにくいものを直観的に選ぶのがよいと思います。

ただし、部屋がじとじとしていて、自分も汗をかきやすいという人は、湿気がこもりにくいタイプを

聞いて、そこから選ぶとよいでしょう。


3.その他

個人的に、○○リはおすすめしません。というか、おすすめしている業界人はいないと思います。

安かろう悪かろうを地でいくところですので・・・。


あと、お家騒動のあった某大型店も、僕は好きではありません。


あと、北欧発祥のイ○○も、ダメですね。


一番良いのは、地域で多店舗展開している大型店だと思います。


メーカーで一番良いところは、、、自分が勤めていたところ!といいたいですが、

そこそこの値段のものを買えば、たいていのメーカーのものは品質良いと思います。

ただ、お店が独自開発しているものは要するにメーカー品ではないものはダメですね。



あ、あと、枕も重要ですよ!


枕とか、かけ布団は、、また気が向いたら書いてみたいと思います。



ではでは。





「この打合せが終わったら電話しておこう。悪いが直接彼の席に向かってくれ」


そういうと江藤は会議室を後にした。かつてやつれた表情をしていた姿は微塵も感じられない。所詮、エリートにブランクなど存在しないのだと毒島は思った。



田島が近づいてきた。江藤からの指示を受けたようだ。

「毒島さんから指示をもらうよう言われました」


「S県警に的場という俺の同期がいる」


「知ってます、例の事件で飛ばされた人ですね」


「ああ。だが優秀だ。今、奴は身内から追われる立場になっている」


「何をしでかしたんですか?」


「人殺しの容疑だ。しかも署内でな」


自分もそこに一枚かんでしまっていることは田島には伏せた。


「的場を泳がせて情報をつかみたい。福音の会が絡んでくるのは間違いない」


「自分はどの作業に入りますか?」


諜報活動になじんだ田島には多くを言わずとも理解できる能力がある。特に、大胆な発想で捜査を詰めていく点を江藤だけではなく毒島も評価していた。


「的場のフォローを頼みたい。俺は福音の会を調べる」



肝心の情報をこちらでコントロールしておけば、田島に妙な勘ぐりをさせずにすむ。内部に情報をあまり流したくなかった。少なくとも、現時点では。










(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。

「ところで、福音の会を調べたい。いったん会社に戻ってきてくれるか」


「分かりました。その時にご報告もさせていただきます」





毒島は携帯電話を閉じると、腕時計をみた。日が暮れるのがはやいこの時期は、昔から苦手だった。昼夜関係ないこの仕事に就いてからも、冬は嫌いなままだった。ろくに休みが取れないうえ、始終さびしい気持ちにさせられるのが堪えた。苦い気持ちになってしまったのは、元妻に会ったためだろうか。霞が関に踵を返しながら、そんなことを考えた。


公安部のフロアに戻ると、江藤は自席で腕組みして黙考していた。

「ただいま戻りました」毒島が挨拶をすると、江藤は目配せをして奥の会議室へといざなった。


江藤に促されて固い椅子に体をしずめた。疲れていることに気づいた。


「疲れているところをすまん。報告が済んだら、即『福音の会』の件にとりかかってもらわないといけない。

 ブリーフィングでかまわんから」


毒島は今日会った出来事をかいつまんだ。江藤は顎に手を当てじっと聞き入っていた。


「箝口令が敷かれていても、漏れてはくるものだ。チヨダからも同じ連絡が入ったよ」


「チヨダ預りの事件になっているということですね」


「副総監がそう決めたらしい。それだけ大事になっているということだろう」


警視庁公安部に所属する江藤と毒島は、その上部組織である通称「チヨダ」から指示を受けることがある。チヨダが関与してくるということは、それだけ今回の事件がきな臭く、かつ、国家の重大事であることの証左だといえる。毒島は改めて気を引き締めてかからなければならないと覚悟した。


「江藤さんの立場は変更あり、ですか?」


「変更はされないが、頭越しの指示は飛んでくるかもな。まあそれはいいさ。それよりも、福音の会のことだ」


江藤は声を潜め、福音の会が登場してくる経緯を話してくれた。江藤は実直な上司だと思うが、俯瞰図全体を見せてくれる性格ではない。欠落しているところを自分なりに想像させないと話を読み違える。命にかかわることも多いこの仕事だけに、ひとつひとつ集中してかからなければならないことを、これまでの経験で痛いほど知り尽くしていた。


「的場と福音の会を同時に一人では追えないだろう。田島をサポートでつけようか」


江藤は、まだ若いが根性のある課員の名前をあげた。


「助かります。あいつでしたら、簡単な指示をするだけで期待通りの仕事をしてくれますから」


「この打合せが終わったら電話しておこう。悪いが直接彼の席に向かってくれ」


そういうと江藤は会議室を後にした。かつてやつれた表情をしていた姿は微塵も感じられない。所詮、エリートにブランクなど存在しないのだと毒島は思った。










(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。

カネ、国民、武力。あとは国土さえあれば、国家の真似事はできるかもしれない。国際的に認められるかどうかは別として、だ。


「ザミール、本当にありがとう。非常に重要な情報だ」


「日本にとっても、世界にとっても重要な問題だ。もちろん我が国も。ロシアの件は、こちらでもう少し貼りついてみるよ。君は、日本で指揮を執っている教団幹部を徹底的に洗ってほしい」





江藤はザミールとの会話を終えると再び電話番号を押した。2コールで相手が出た。


「お疲れ様です」


「どうした毒島。声に張りがあるぞ。別れても彼女のことが好きか」


「やめてくださいよ、そんなんじゃありませんから。で、ご用件は」


「動きはあったか」


「電話ではちょっといえませんが、ターゲットが動きました」


「接触できているのか?」


「大丈夫です。私の接触のタイミングがよすぎると勘ぐっているとは思いますが」


「気をつけろ。彼は優秀だからな」


「ええ、同期なのでよく知っています」


「ところで、福音の会を調べたい。いったん会社に戻ってきてくれるか」


「分かりました。その時にご報告もさせていただきます」








(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。

「中韓同志で自滅してしまえば、我々の覇権もぐっと近づいてきます。

福音の会はもはや単なる宗教法人の枠では収まらない、非常に統率のとれた集団です。

ゴモラソドムによって中韓を殲滅させ、我々が新たな国家を築き上げるのは、もう時間の問題でしょう」


そして自分が教祖となるのも、時間の問題だ。綿貫はそうほくそ笑んだ。









イスラエル諜報特務庁、通称「モサド」に所属するザミールから連絡が入ったのは、江藤が電話した翌日だった。「相変わらず、仕事が早いな」


「ユダヤには『他人を幸福にするのは、香水をふりかけるようなものだ』ということわざがある。他人事ではないのさ」


「日本でいうところの『昨日は人の身、今日は我が身』というところかね。ユダヤの先人は素敵な表現をしたものだね」


「余談はこのくらいにして本題に入ろう。福音の会は、とんでもないことをしでかそうとしているかもしれない。どうやら信者をロシアに送り込んで、旧ソ連時代の軍人崩れが起こしたコンサル会社で『研修』させているらしい」


「軍事訓練をさせているのか?」


「そういうことだ。軍事ビジネスは金になるから、お客を選ぶことはないんだ」


「その会社から、大量の武器を購入しているとみて間違いない」


「武器なんて、戦場からかっぱらってくれば元手はタダだからな。武器商人はぼろもうけだな」


「バーターとして、マネーロンダリングを引き受けているという噂もでている」


「海外拠点も持っているし、株式会社もあちこちにあるからな。ノウハウさえあれば可能だろう」


「彼らは何をもくろんでいるんだろう」


江藤は電話口でうなった。考えられることはひとつしかない。


「おそらく、国家になろうとしているのだろう」


カネ、国民、武力。あとは国土さえあれば、国家の真似事はできるかもしれない。国際的に認められるかどうかは別として、だ。


「ザミール、本当にありがとう。非常に重要な情報だ」


「日本にとっても、世界にとっても重要な問題だ。もちろん我が国も。ロシアの件は、こちらでもう少し貼りついてみるよ。君は、日本で指揮を執っている教団幹部を徹底的に洗ってほしい」







(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。

「その信者は、その材料に使うくらいしか使い道はないのか?」


「ええ。かつては実力があったようですが」


「誰なんだ、それは」


「江藤恵理子です」




ポーカーフェイスは保っていても、司からは無言の驚きが漏れていた。


「殺すこともあるまい」


「計画のためです。彼女の夫は、公安部外事課のエースなのです。

妻を引き渡すといっておびき出し、拘束します。彼らが掴んでいる情報をすべて吐き出させるのです」


「結婚していたのか」


その計画に、恵理子を殺す必然性はなかった。公安部のエースを飼い殺しにするためにはむしろ生かさず殺さずが都合がよいのも理解している。しかし、理屈抜きで殺したい。自分が作ったゴモラソドムによって―――。私利私欲のために自分をこの教団に入れたこと、そして結婚していたことを隠していたこと、すべてに怒りを感じていた。絶対に許さない。もっとも苦しい形で殺してやりたい。そんな思いがふつふつとたぎった。恵理子がかつて自分を利用したように、自分も利用できるだけ利用してやるまでだ。綿貫の描くゴモラソドム計画は、恵理子抜きには考えられないものとなっていた。

「実際のところ、彼らはどこまで知っているのか、気になる」


「公安、というより日本は殆ど知らないと思っています。

 むしろ、アメリカがどこまで把握しているのか、心配なのはそちらです」


「あの国は何でも首を突っ込んでくるからな」


「中韓同志で自滅してしまえば、我々の覇権もぐっと近づいてきます。

福音の会はもはや単なる宗教法人の枠では収まらない、非常に統率のとれた集団です。

ゴモラソドムによって中韓を殲滅させ、我々が新たな国家を築き上げるのは、もう時間の問題でしょう」


そして自分が教祖となるのも、時間の問題だ。綿貫はそうほくそ笑んだ。




(つづく)
※応援コメント、どうぞよろしくお願い申し上げます。
※以下より、登場人物メモです。ネタバレのおそれがあるため、
 以下閲覧注意です。





・的場英二:
S県警刑事局捜査1課所属。32歳。やせ形、筋肉質。伸長189センチ、体重78キロ。切れ目で高身長で一見もてそうな容姿をもつも、近寄りがたい空気を醸し出しており、友人も少ない。独身。ストイックで、禁酒・禁煙をしている。毎日8キロのジョギングが習慣。恋人は何年もいなかったが、事件を通じて恋に落ちる?

・江藤光太郎:
警視庁公安部所属。55歳。中肉中背。172センチ、体重75キロ。薄毛。妻恵理子は行方不明となり、失踪宣告した。娘の恵だけが生きがいだが、親子仲は悪い。粘着質のように仕事を進めることからハエ取り紙、公安部の略称「ハム」とあわせて「ハム取り紙の江藤」の異名をもつ。妻失踪後、仕事の情熱を失っていたが、今回の「福音の会」事件で妻が信者であったことを知り、情熱を燃やす。しかし、事件に配偶者が関わっている可能性があることから担当からはずされる(忌避)。それでも、独自に捜査を進めていたところ、的場と出会う。

・江藤恵
光太郎の娘。25歳。伸長162センチ、体重51キロ。父とは微妙な関係だが、父を嫌いなわけではない。目鼻立ちがくっきりしたかわいらしいタイプ。夜遊び・外泊を繰り返していたが、的場と知り合ってからは、真面目になる。母が失踪したことで、愛情に飢えている。自分のせいで失踪したのかと思いこんでいる。

・毒島寛
警視庁公安部所属。197センチ、体重87キロ。巨大な体躯。江藤とコンビを組んでいたが、江藤が担当を外されたことで、別の人間(中本重徳)と組む。しかし、江藤に同情する彼は、江藤から度々頼まれごとも、快く引き受けている。温厚で気さくな性格。

・杉本冴
S県警刑事局捜査1課所属。30歳、バツイチ。172センチ、54キロ。的場の仕事上の相棒。つっけんどんな対応しかしないのは、古傷が癒えていないからである。的場のことを気になりつつも、必死に一線をひく。女性と子供には優しい。



・綿貫博一
的場の同級生。眼鏡をかけており、ポッチャリ型。168センチ72キロ。おっとりした性格と信念を貫く強い面を併せ持つ。福音の会にハニートラップを仕掛けられた末、研究者としてからめとられることに。ゴモラソドムの開発者。研究者としてのエゴが人間としての良識を上回り、ゴモラソドムを開発してしまうも、良心に苦しみゴモラソドム消滅を図ろうとして組織に殺される。