コンピュータ将棋がアマチュア名人を撃破した 衝撃の5月5日 | 考える道具を考える

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とうとう、コンピュータ将棋が人間を上回ってしまいました。

第18回世界コンピュータ将棋選手権(コンピュータ将棋協会主催)は、5月3日から5日まで千葉県木更津市で行われ、ソフト「激指(げきさし)」が優勝(3回目)を飾りましたが、その後行われた清水上徹さん(2005アマ竜王)との公開対局で「激指」が完勝したというニュースが出ていました。

アマチュア名人クラスの実力は、プロ棋士の6段以上の実力があるといわれていますから、これは大変な出来事ですね。

チェスの対戦では、既にコンピュータが人間を上回っていますが、将棋は、相手の駒を獲得した後の展開が無限大に近い多様性を持った指し手が可能なため、コンピュータが人間を上回るのには大変なプログラムが必要だとされていましたね。

それが現実のものとなったのです。

確かに持ち時間15分というのは、どう考えても人間には不利。
しかも、公開対局で興味津々の観客の前で、負けられないというプレッシャーを受ける人間の側に、心理的な圧力というマイナス要因が働いていたのも事実でしょう。

感情の揺らぎのないコンピュータは、全て論理的な思考で局面を読み、最善の手を選択することができますが、人間はそうはいかない。


棋士の読みは、最善の手ではなく、消去法で行われるといわれています。
選択するのではなく、数百の手筋のうち、これは駄目、あれは駄目と一手ずつに絞り込んで「残されたベターな手」を選択するのが普通です。(でなければ、将棋は一手指したところで勝負が終わってしまう可能性もある)
これが最高の手であると結論づけるコンピュータと、他よりマイナスが少ない手を選択する棋士の思考の違いが、今回の結果につながったのではないかと考えられます。

‥‥

将棋の面白みは、うっかりミス、読み違え、思い込み、体調などなど‥実力だけでなく、勝負に勝つための総合的なマネジメントによって結果が左右されることにあると私は思っています。
だから、フェアな戦いをするなら、コンピュータに「逡巡」「迷い」などの人間的要素を加えたプログラムを組み込んで初めて対等といえるのかもしれませんが、そんなことできるわけないか?


とはいえ、将棋の好きな私も、過去最強といわれたコンピュータゲーム「森田将棋」に挑戦して以来、結構新しい将棋ソフトに戦いを挑んでいますが、ソフトのレベルを最強に設定した時に、実に無残にも、負けてばかりいます。

しかも、終盤になり、こちらがまだ必死に読んでいる時でも、コンピュータソフトは勝負を読みきってしまうと圧倒的に指し手が早くなります。私が一手指すと瞬間的に次の一手を打ってきます。まるでコンピュータに馬鹿にされているかのような気分になってしまいますが、そういう終盤のモードに入った時は、既に勝負は終わっているのです。


    これって、結構悔しいですね。
    パソコンの向こうに、見えない人格がいるようで‥‥。

将棋ソフト‥どこまで強くなるのでしょうか?