竹林上人追善茶会 番外編
竹をことのほか愛し、自ら竹林と号した竹林上人。
真直ぐに伸び、その姿は清楚で1年を通して色を変えることはない。
竹林上人追善茶会のポスターには、いつもその竹の絵が描かれています。
水墨画で描かれたそのポスターが毎年のように、盗まれてなくなるという情報を入手。
歴史がたりでガイドを務めてくださった金岡さんが、竹林茶会の主催者「竹林会」のお世話をしていると
聞き、早速おじゃまにあがりました。
初代ポスターは、昭和27年ごろで、丸尾玉琳さんという牟礼の方にお願いしたそうです。
その頃は、金岡さんのお父さんがお世話をされていて、玉琳先生とお知り合いだったので、そのご縁で。
丸尾玉琳先生は、米寿を迎えられた今でも新しい作品をどんどん発表されています。、
今年も6月5日~10日まで美術館市民ギャラリーで米寿記念展を開催され、数々の賞を受賞されている
先生です。
この当時の竹林茶会は大変な人気で、1500枚~1600枚のお茶券が売れていたそうです。
しばらくの間、丸尾先生がポスターをずっと書いて下さっていたのですが、5年間ほどご病気をされ、
その間、お引き受けくださったのが、志度のアサヒ印刷の広瀬石南先生。
日本南画院に属し、讃岐水墨会の評議員をされていた腕前だったそうです。
広瀬先生のポスターには、竹と雀が描かれていました。
昭和56年頃、広瀬先生がご逝去され、再び丸尾先生にお願い。
この頃の丸尾先生のポスターには、竹と朝顔が描かれていたそうです。
そして平成5年頃から、現在の岡野景舟先生にバトンタッチ。
普段は漁師さんをされているそう。
あまりに、ポスターがよく盗られるので、何年か前から竹林茶会の開催日を書くようにしたけれど、
やっぱりいまだに盗まれるとか。
岡野先生のポスターは竹の絵です。
竹の表情は変わるからと、毎年山へ入り、竹のスケッチを書き溜め、そのスケッチの数だけ
ポスターを書かれるそうです。
だから、1枚づつ竹の絵が違います。
現場検証
①平賀源内先生遺品館 ②風月堂 ③太田園
確かに、1枚づづ竹の絵が違う!
風月堂さん 台風で50cmも床上浸水して、保管しといた昔のポスターが全部ダメになったけど、
1枚だけあるわ。待ちまいよ。
竹林茶会のポスターを見たら、その年、その年の葉っぱの繁り方、太さなど竹の表情がわかるん
ですね。
立派な竹観察記録です。
ポスターひとつにも、歴史、思い、ご縁があり、関わって来られた方々の優しさを感じました。