姉妹愛

　死んだ人のことを思うと、その人は成仏できないという。だけど、私は、あやめ姉さんのことだけは、忘れられないし、忘れたくない。



　小さいころは、なかなか一緒にいることができなくて、すごく寂しい思いをした。だけど、あやめ姉さんは、剣のお稽古の合間を縫って、私と遊んでくれた。実家の庭に植わっている大きな桜の木の下で、おままごとをしたり、一緒に寝転がったり…。とっても楽しい思い出だったな…。



　あやめ姉さんが陸軍士官学校に入った時、素直に
「行ってらっしゃい。」
って言えなかった。口では、
「行かないで。行っちゃイヤだ。」
って言ってたけど、心の中では、
「行ってらっしゃい。」
って思ってた。その時は、これが最後になるなんて思ってなかったから。


「あやめ姉さんが死んだ…。」
　私が、あやめ姉さんの死を知ったのは、欧州星組の司令として、ドイツに赴いていた時。私が19歳の時。
「なんで…何も言わずに逝ってしまったの…。」
私は、あやめ姉さんを責めた。あやめ姉さんを責めてもどうにもならないことだったけど…。



　今、私は、あやめ姉さんの跡を継いで、帝国華撃団の副司令になった。あやめ姉さんが愛した帝都を守るために…。あやめ姉さんが目指した帝都の平和のために…。今の私は、あやめ姉さんのようにはいかないけど、あやめ姉さんの意志を継いで、私、頑張るから、見ててね…。あやめ姉さん…。





★あとがき★

リハビリ小説第２弾。

久々に、藤枝姉妹の姉妹愛を小説にしてみました

駄作でスミマセン…

失礼しました…。