日銀追加緩和でマイナス金利導入、株価は乱高下
[東京 29日 ロイター] - 日銀は29日の金融政策決定会合で、従来の年間80兆円の国債など資産買い入れに加え、金融機関の手元資金である当座預金の一部金利をマイナスにする新手法を導入する形で追加緩和に踏み切った。予想を裏切る緩和手法に市場は混乱、株価は乱高下した。
http://jp.reuters.com/article/boj-policy-rate-idJPKCN0V70AM
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
日銀がマイナス金利を導入しました。
マイナス金利になるといろいろと不思議な事が起こるようですが、それはこれから経済誌などで特集が組まれると思います
詳細についてはそれらの記事を参考にしたいと思いますが、ごく簡単に今わかっていることをまとめると
①いままで一般の銀行が日銀当座預金口座に預けていた部分については、法定準備金を除いて、今までどおり+0.1%の金利を付けますよ。
②今後日銀が量的緩和で追加購入した代金に当たる部分は、0%で運用していきますよ。
③それ以上預けている部分については、ペナルティとして-0.1%を適用しますよ。
ということのようです。
現在①の有利子部分に当たるのは一般銀行合計で220兆円ほどです。
これをいきなりマイナス金利にすると一般銀行に大きな損失が生じます。
また、220兆にふくらんだ背景は、日銀が国債を購入し、その代金を日銀当座預金口座に振り込んでいたという事情があるので、これをマイナス金利で減らされるのも、一般銀行にしてみれば納得がいかないことでしょう。
つまり今回、一般銀行に「マイナス金利にするから、嫌なら引き取って融資に回せ」と言っているのは③の部分であり、これは一般銀行合計で18兆円くらいと見られています。
そしてその部分は日銀当座預金口座から引き取るだけではダメで、現金のまま持っていると、その分は融資に回していないということで②の0%枠が減らされ、次は①の+0.1%枠も減らされます。
合計で18兆ですので、今のところ大きな金額ではありません。
しかし今後はマイナス金利の適用枠拡大や、マイナス幅を広げることも視野に入れていると思います。
わかりやすい説明が日銀から出ています。
http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/k160129b.pdf
━─━─━─━─━─
マイナス金利については様々な捉え方があり、複雑な状況になりそうですが、長期的に見ればデフレの要素の方が強いのではないかと思います。
政府日銀は、一般銀行がお金を遊ばせて融資に回していない、あたかも銀行が仕事をしていないかのように捉えているフシがありますが、そうではありません。
民間にはこれ以上の資金需要はないのです。
逆に言えば民間の全能力を上回る巨額の債務を、政府が負ってしまっているという言い方もできます。
自制すべきなのは、政府の方じゃないのかなという気もします。
いつか時間があれば、また記事にしたいと思います。
ところでECBがマイナス金利を導入した後、ドイツの株価はどうなったのでしょうか?
上記はDAX指数の2年チャートです。
マイナス金利の先輩であるECBは、2014年6月にマイナス金利を導入。
その後2015年1月に量的緩和に踏み切っています。
2014年はエボラ騒動で株価が急落といったこともあり、今の日本とは状況が違います。
しかしながらドイツに関しては、マイナス金利導入で株価が上昇した気配はなさそうです。
大きく上昇した日本株。来週以降の株価はどうなるのでしょうか?