連休中日ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
行楽日和で、紅葉狩りなどお出かけになる方も多いと思います。
あるいは家でのんびりというのもいいですね。
家でゆっくりしながら連休明けの相場を考えている方もいらっしゃると思いますが、11月相場はどうなるのでしょうか?
個人的には、やや下方向で見ておいたほうがいいのではないかなと思っています。
現状-三角持合
上記は日経平均のここ1年のチャートですが、5月に頂点をつけて以降、典型的な持ち合い相場となっています。
下値も切りあがっていますが、上値も切り下がっています。
これは特に相場を動かすような目新しいニュースがなく、市場参加者の合意が一定の水準に収斂してきていることを意味しています。
つまり、このまま何もなければレンジがどんどん狭まります。
狭まるということは、ちょっとしたニュースで合意が崩れやすく、上方向や下方向に離れやすくなります。
これが所謂「三角持合上離れ・下離れ」という言葉で表現されるものです。
今後の展開
さて、チャートからはそろそろ煮詰まっていることが感じられますが、ここから上離れるのか下離れるのか?
上離れのリスクとしては欧米市場の堅調さがありますが、欧米市場はここ数ヶ月基本的には堅調であり、最高値を更新しながら推移してきました。
そんな中で日本株は上値を切り下げているため、欧米市場の堅調さだけでは上離れるのは難しいと思います。
よほど大きな上昇があれば別ですが。
下離れのリスクとしては、やはり決算だと思います。
先週、日本の決算シーズンの前半が終了しましたが、上方修正と下方修正が拮抗しており、やや下方修正の方が多い印象です。
この傾向は来週もそれほど変わらないでしょう。
事前には上方修正連発との期待も高かっただけに、やや期待はずれの感が否めません。
となると、相場の水準がやや下に切り下がってくるのではないかと思います。
しかしながら、仮に持合を下に抜けたとしても、それほど大きな落差にはならないと思います。
やや期待に足りなかったとはいえ決算は好調であり、大きな水準訂正は必要なさそうです。
相変わらず量的金融緩和が後押ししてくれるでしょう。
下がったとしても6月の安値12415円は割らないんじゃないかなと思います。
三角持合下離れの意味するもの
それよりも大きな問題は、持合を下抜けることにより、5月高値を抜けることが困難になることです。
5月高値で制度信用で買った人は、11月23日に期限を迎えます。
現引きできない人は損をしたまま決済せざるを得ません。
5月の急落の際、「20%超の暴落を演じて高値奪還できたのは過去に1度しかない」という話をしました(関連記事:日本株はどこまで下がる? 2 )
今回、半年経っても高値を奪回できなければ、またひとつ証拠がそろってしまうことになります。
もしそうなれば現在の水準は既に天井圏であり、アベノミクスバブルの頂点は5月の15943円から大きく上に抜けることはなく、2007年の18300円を超える可能性はかなり小さくなります。(超えるためには別の経済イベント・新しいエンジンが必要となります)
18300円を超えられなければ、1989年のバブル崩壊から見れば日本株は未だに下げ波動の中にあり、日本経済はアベノミクスによっても大転換期を迎えることはできないということになります。
11月23日までに高値を奪還できないということは、長期波動を考える際には大きな意味を持ちます。