来週の展開を考える上で、ちょっと気になるトピックを2つ
まず1つ目
シリア情勢
アメリカがシリアに軍事介入するらしい
これが現在マーケットの不安定材料の1つとなっていて、原油が高騰したりドルが下がったりとなかなか安定しない。
介入は既に規定路線で、8/29がXデーだとか、どこが最初の空爆地点になるかなどいろいろ言われてるけど、ここに来てイギリス議会が軍事介入を否決したり、オバマ大統領が介入はまだ決まっていないと発言するなど、風向きが変わってきている。
アメリカは本当に軍事介入するだろうか
アメリカは現在民主党政権。
ご存知の通り、対中東政策に関してはハト派の政権です。
アフガン紛争、イラク戦争-ブッシュ大統領
湾岸戦争-パパ・ブッシュ大統領
過去の大規模軍事介入はいずれも共和党政権の時に行われています。
ケネディ大統領はベトナム戦争のイメージがありますが、その前のアイゼンハワー大統領の時からの継続でした。
しかも前回のイラク戦争では大規模破壊兵器が見つからず、戦争の大義名分が立たない状態になってしまいました。
今回のシリアに関しては国連の決議も得られず、イギリス議会の承認も得られませんでした。
こんな状態で果たして開戦できるのか
連日の”軍事介入は規定路線”的な報道には、ちょっと違和感があります。
ハードルは意外に高いんじゃないかという気がします。
アメリカは10月に暫定予算の期限切れを迎え、また債務上限問題が蒸し返されます。
そのときに「お金がないと軍事介入できない。世界の警察としての役目を果たせない」という、共和党が乗ってきそうなエサとして、軍事介入カードは温存するんじゃないか?
そんな気がします。
そんなこと言って、今日にでも開戦したらあわててしまいますが
ある程度織り込んでるし、とりあえず空爆開始-日経平均500円安-みたいな展開は、考えなくてもいいかなという気がします。
もうひとつは
JPモルガンの変調
こっちの方が個人的には気がかりです。
以下は8月28日付けのブルームバーグの記事です。
JPモルガンに5820億円の支払いを米住宅金融局が要求-関係者
8月28日(ブルームバーグ):米銀最大手のJPモルガン・チェース が、ファニーメイ (連邦住宅抵当金庫)とフレディマック (連邦住宅貸付抵当公社)に売却した住宅ローン担保証券(RMBS)をめぐる民事訴訟で、米連邦住宅金融局(FHFA)が和解の条件として少なくとも60億ドル(約5820億円)の支払いを求めていることが明らかになった。
事情に詳しい関係者1人が協議の非公開を理由に匿名で語った。JPモルガンはFHFAの直近の要求に抵抗しているという。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MS7PRY6JIJVQ01.html
出所はフィナンシャルタイムズのようですが、「事情に詳しい関係者1人が協議の非公開を理由に匿名で語った」とか、なんだかアヤシイ感じです笑
アヤシイ感じではありますが、この金額60億ドルが本当なら、相当大きい金額です。
去年、ロンドンの鯨と言われたJPモルガンのトレーダーが出した巨額損失が話題になりましたが、それがたしか60億ドルで同じくらいだったと思います。
ところで週末金曜日、日本株は途中から大きく値下がりしました。
下げを主導したのはやはり先物。
誰が売ったのか見てみると。
何だこのTOPIX14000枚の売りは?Σ(=°ω°=;ノ)ノ
えーとブン投げですね。
何ヶ月もかけて積み上げた買い玉を、一日でゼロにしたわけです。
無茶しますねJPモルガンさん
JPモルガンは日経先物-TOPIX先物の裁定をやっているようで、日経先物は利益、TOPIX先物は損失となっているのですが、損失確定でブン投げたわけです。
含み益の日経先物はなぜか投げず、12000枚程度の買い玉を持ったままです。
普通はポジションを縮小するにしても、こんな決済の仕方はしません。
マーケットインパクトを考慮して、少しずつ分散して売ります。
よほど現金化を急ぎたい事情があったのでしょう。
この玉が自己売買か客注かはわかりませんが、複数の客が同日に全建て玉をブン投げるとはちょっと考えにくいです。
JPモルガンの投げは1名の顧客もしくは自己売買だったと推測できますが、自己売買の線が濃厚であり、もしかすると先のニュースの制裁金の件が絡んでるのかもしれません。
となると、日経先物の建て玉もほぼ自己売買の可能性が高いので、建て玉12000枚が近いうちにブン投げられることも予想しておいたほうがよさそうです。
もし投げるのであれば日を置かずに、来週のどこかで出てくるのではないか。
そんな悪寒がします
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