クーポンの共同購入を斡旋する会社であるが、このサービス、果たして3年後には存在するだろうか?

例えば、ある高級レストランの50%オフのクーポンを入手し、その恩恵を受けたとする。そういう人が、次回正規料金で行ってみよう、と思うだろうか?ほとんどの場合、別の店のクーポンを探すのではないか?なぜなら、その人たちのニーズは「いいものをお得に」であるから、リピーターになることは考えにくい。

RFM分析、という分析手法がある。
・R(Recency):最終の購買日(飲食店なら来店日)
・F(Frequency):購買(飲食店なら来店)の頻度
・M(Monetary):購買金額の合計
これでランクを分けても、グルーポンで来るお客さんはFとMが極めて低くなると予想されるので、客としては「ありがたくない客」に分類されるだろう。

安売り店なら「価格戦略」であるため、とことん安値を追求する。これは戦略として正しい。
グルーポンを採用するところは、ある程度高級店である。そこが中途半端な価格戦略をしても、結局は一見さんがやってくるだけで、リピータはつかめないだろう。

グルーポンは、そういう中途半端な戦略を助長するだけのものであるように思える。しばらくははやりものであるかもしれないが、スーパーの特売よりも効果は期待できないだろう。それが認知されていくのに1年半かかり、それ以降は下降線をたどるのではないかと思う。

それと反対なのが、一休のようなサービスだ。これは十分に生き残ろるだろう。航空会社の格安チケットと同じで、「キャパ」が決まっており、そのキャパを埋めれば埋めるほど良いわけだ。よって、「空気を泊めるくらいなら格安ででも人を泊めた方がまだマシ」なのである。
そのニーズをきっちり抑え、Win-Winの関係に持っていっている好例だろう。

サービスを提供するなら、本当に役立つもの、長く求められるものを考えたいものである。