銀のティーポットはお教室でもいくつかコレクションをしていますが、それぞれ大変に思い出深いものがありますね。
やはり高額商品ゆえに、お迎えするときはいつも清水の舞台から飛び降りる心地になっていました。
そんな銀のティーポットですが、茶器としての性能はどうかという点です。
それこそプロ仕様の一眼レフカメラやレンズ並みのお値段がするものですが、多くの方が気になられるとすれば、そのような高額商品を持つべき価値が本当にあるのかどうか、という点についてでしょう。
これはどういう目的で純銀製のティーポットを欲しているか、という点に大きく左右されると皓斗は考えています。
様々な需要があるでしょうが、あえて2つに大別するならば・・・
○ティータイムを華やかに演出したい・銀が大好きなどの装飾的な目的であれば・・・銀のティーポットは最高のパフォーマンスで活躍してくれることでしょう。
○お茶本来の香り味を存分に楽しみたいといったお茶の風味目的であれば・・・皓斗は銀は茶水に与える影響が大きいという観点で、ティーポットの材質としてはよくよく検討をする必要があると思っています。
結論としては、宝飾品あるいは見せ芸としてなら銀のティーポットって確かにすごいけれど、銀のティーポットが無いと(お茶本来の香りと味の)美味しいお茶がいれられないなんてこともないよ、と言う風に皓斗は考えています。
お茶本来の風味を上手く引き出すための良いお道具が欲しいということであれば、むしろ普通に陶磁器製あるいは耐熱ガラスなどの素材のティーポットでお茶をいれた方がよほどに安定した結果が見込めますね。
皓斗は個人的に(お茶本来の風味の)美味しいお茶をいれるためのティーポットとしてならば、むしろiwakiさんやカリタさんのジャンピングティーポットをお勧めしています・・・。
他にも昔ならば顕示的な使い方(要するに見せびらかし)のほかに、砒素(硫砒鉄鉱)での毒殺を見抜くためもあったんだなんてこともいわれますね。
実際には砒素で黒くなるのではなく、砒素と共に含有されている硫黄に銀が反応して(=硫化銀)黒ずんでいる・・・普通に銀器を放置しておくことで大気中の硫黄に反応して黒く変色するのと、化学変化としてはまったく同じです。
ちなみに現代だと砒素の純度を上げることもできちゃいますから、銀器は砒素検知器としてもそれほど信頼できるものではなくなっていますね・・・。
こうしたことから現代だと、銀のティーポットはお茶よりもお道具そのものの見た目の美しさを楽しむため、あるいは顕示的な消費の仕方をするためのもの・・・という位置づけになるでしょう。
こうしたことから現代だと、銀のティーポットはお茶よりもお道具そのものの見た目の美しさを楽しむため、あるいは顕示的な消費の仕方をするためのもの・・・という位置づけになるでしょう。
では銀がお茶にどのような影響を与えるのか・・・という点についてを、次の「茶水への影響について」で見て行きたいと思います。
今日のお茶の時間には、ティファニーのお一人様用のティーセットを引っ張り出してみました・・・。
正確な製造年代は不明ですが、両親が結婚の時に、祖父の海外の取引先の方が下さったものという経緯とデザインからすれば、製造から50年弱くらい・・・ヴィンテージ手前というくらいではないかと思われます。
どのような意図で下さったのかは存じないのですが、皓斗が想像する限りでは、このセットで毎朝アーリーモーニングティーをいれてあげなさい、という父へのメッセージだったのではないかと思っています。
皓斗にとっても、生まれたころから家にあった、始めて触れた思い出深く愛着のある銀器です・・・。
こうして並べると、やはりこの銀の輝きは素敵ですね♪