
- エマ (1) (Beam comix)/森 薫
- ¥651
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あらすじ
老婦人の使用人として働くエマ。家庭教師をしていた婦人の教え子で有力な貿易商の御曹司ウィリアム。ふたりは思わぬ出会いから互いを意識し始めるが、ふたりの間には大きな壁があった。貴族と使用人という大きな階級差が。ふたりの間を当時の社会が邪魔をし、引き裂いてしまうが、ウィリアムの想いはいつまでもエマに向いていた。階級社会に揺さぶられながら描かれる禁断の恋がヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に淡く、そして美しく描かれる恋と絆の物語。
これは結構有名な作品で名前だけはよく知っていましたが、なかなか読む機会に恵まれなかった作品でした。
が、読んでみてまぁ感動。なるほど、賞を受賞するだけあります。
いわゆる貴族とメイドのシンデレラストーリーですが、そんな簡単に括っちゃやーよっていうくらい美しくて渋い。
エマの一途さに心奪われない男はいないだろ。。。ってくらい素敵なエマさんはもちろんのこと、周りの人たちも魅力的でキャラが濃すぎず薄すぎずのいい塩梅。僕としてはヴィヴィアンのTHE・貴族ってキャラクターも嫌いじゃないです♪
物語は一般的なシンデレラストーリーっぽさがあるのだけれど、ちょっとしたスパイスが効いていて飽きが来ないし続きが気になる。1章ではエマとウィリアムが階級に邪魔をされる部分まで描かれ、2章では引き裂かれたふたりがそれぞれの生活を過ごして、再び出会うまでが描かれています。
時代背景やメイドの生活がうまく練りこまれていて時代文学としても楽しめるのかもしれません。
もちろんストーリーだけでなく絵としてもすてきな空間が描かれています。
19世紀末のイギリスの風景、それがすぅっと身にしみてくるような背景の連続にその世界に酔ってしまいそう。
人物の表情や仕草もいい。
なによりこの人の物語と絵が完璧に合致しているから読んでいて変なところに違和感を感じなくてすみます。
1章と2章という話のつなげ方の巧みさ、そして8巻からの番外編とエマの世界を堪能するという意味では十分な仕上がりになっております。この番外編がまたいい味を出しているんですよね。
お姉さま方の生活やメイドたちの休日なんかが垣間見れて、あぁ、やっぱりこの人たちの周りは幸せで満ち溢れているなとこっちまでほっとするようなお話の連続です。
ん~、これだけべた褒めしておいて購入はしないかな~なんて言いずらいのですが、
まぁこれは好みの問題でして、やっぱり「恋愛」が主に置かれた作品はなかなか…ね。
でも一度は読んでみると面白いと思うし、人にも勧めやすい作品ではあります。
ちなみに、現在同作者さんが描かれている「乙嫁語り」もなかなか面白そうです。
ん~…こちらもがっつり恋物語ですが…いや~、、、面白そうだよなぁ。。。
でも経済的負担が…
ってなるからやっぱりお金はあるほうがいい。
うん、きっとそう。
ふぅ…
あ~、そういえばプリティーウーマンもシンデレラストーリーでしたが、僕はリチャードギアに憧れたなぁ。
お金持ちってすごいって。
というか女性をお金で買うっていう状況をなんかいやらしく見せないリチャードギアがすごいのかもしれませんが。
多分あの作品は男性と女性、性別によって見方が全然変わる作品だろうなぁなんて思ったりもして。
ひとりの女性をお金が幸せにした(であろう)いい例ですね。