
- ザ・万歩計/万城目 学
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あらすじ
やぎさんゆうびんの歌を聴いて宇宙を感じ、自身の本のタイトルを説明する恥ずかしさを体験し、黒い稲妻との厳しい戦いに辛くも勝利、海外でも幾多の荒波を超えてきた万城目学のエッセイ集。鴨川ホルモーが生まれた経緯、それ以前の社会人時代や学生時代を軽快なリズムで書かれたものはどれも小説のような話ばかり。
万城目氏を主人公としたノンフィクションなものがたり。
はじめに、僕は万城目さんの作品を活字で体験したことはありませんでした。
鴨川ホルモーは映画で、鹿男あをによしはドラマと映像では楽しませていただきましたが、原作や他の書籍はノータッチ。いつか読みたいと思いつつも映像から入ってしまうとなぁ~。。。
さてさて、この本の感想ですが。。。
面白い!!
びっくりするぐらい面白い。
そして小説家のエッセイを読んだ後にこうしてブログを書くと自分のボキャブラリーの無さ、侘しいさに涙を流す。。。
僕がドカンとはまってしまったのは 『Fantastic Factory Ⅱ』 というお話。
社会人時代の隣の席にいたカンゲキ氏の話なのですが、そのカンゲキ氏には口癖があることに万城目さんだけが気がついた。その口癖というのが、分厚いファイルを開くときに決まって 「チャラリラリラ~」というマジックのときによくかかるあのフレーズをワンフレーズだけ口ずさむというのだ。それに気がついた万城目さんはそのたびに笑いをこらえていたのだが、あるときこの口癖に変化が起きた。曲が「PRIDE」に変わったのだが…
この話は秀逸です。笑わずにはいられない。見事なつながりには万城目さん、いや、カンゲキ氏に脱帽である。
そしてすごいなと思ったのは 『御器齧り戦記』 というお話。
単純明快、全編にわたって黒い稲妻ことGとの戦物語です。グロ注意、そんな話です。
Gとの戦いって言うのは誰にでもあって、その武勇伝はそれぞれお持ちかもしれないという点ではよくある話なのですが、何がすごいってGの表現方法の多様性を駆使した文の流れ、勢い、じっとり感、どれもが最高である。
なんだか小説家ってすごいと思わせてくれます。
そしてその後に 『ねねの話』を持ってくるとは。。。
他にもほぇぇぇ~、とか
なるほどぉぉぉ~、
およよぉぉぉ~、ってなる面白小話が収録されています。
あるとき笑いながら、ときにはほっこりしながら万城目学の頭の中を覗いてみてはいかがでしょうか。
ふぅ…
感覚的には僕の大好きなエッセイ、「気になる部分」のテイストに近いかもしれません。
日常の話なのだけれど型破りな発想(著者)が物語のように変化させる能力。
うらやましいわ~。
そして改めて最初の話 『風が吹けばエッセイを書く』を読み返す。
・・・
・・・
やっぱりこの人、すごい。
ところで…
[ 口癖ある? ]というブログネタですが(今更~とか言わないの。)僕はちょっと怖い。
もしも、、、もしも僕がチャラリラリラ~って無意識のうちに歌っていたらどうしようか。。。
自分ではなかなか口癖って気がつかないものですからね。
今のところ、僕の口癖らしい口癖は…無いつもりです。うん。。。
でもね、言っていたとしてもせめて面白い口癖を言っておきたい。
ん~~~ どっこいしょぅ!!!とか、
じゃじゃじゃじゃぁ!!とか。