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[ 大人っぽい、子どもっぽい、どっちに思われたい? ]
- アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)/森 絵都
- ¥460
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あらすじ
『子供は眠る』
毎年恒例のいとこ同士による子どもたちだけのお泊り行事が今年の夏も始まった。章くんの別荘で行われるその行事は、恭たちの夏休みにとって欠かせない大切なものだ。ただ、章くんによる毎夜のクラシック鑑賞会と章くんとの接し方には注意しなくてはいけないのだけれど。しかし、あることをきっかけにこの夏は忘れられないものとなってしまった。
『彼女のアリア』
不眠症のぼくは、ある日、旧校舎の音楽室から聞こえてくるピアノの音に導かれた。そこには別のクラスの藤谷という少女がいた。彼女も不眠症で、2ヶ月も眠っていないというのだ。ぼくたちは毎週木曜日ここに集まり、藤谷の壮絶な家庭事情を聞くことになった。そうしている内に僕は眠れるようになったのだが、このことを彼女に言い出せないでいた。しかし、実は彼女も嘘をついていたのだった。
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』
奈緒はやさしくて少し不思議な絹子先生のところへピアノを習いにいっている。そこには友人で少し変わり者の君絵も通っていた。ある日、サティという音楽家にそっくりなおじさんが現れたことをきっかけに、ピアノ教室の雰囲気が少しずつ変わっていった。はじめは楽しい4人での日々だったのだが、いつしか笑顔が薄れていった。
全3編の短編集はそれぞれ実在するピアノの楽曲に乗せて彼らの生活にリズムを与える。子どもたちが抱える苦悩を薄暗い洞穴から引っ張るような青春小説。
僕はさっぱりピアノ楽曲、クラシックについて知りませんが、タイトルのやさしさに手を伸ばしました。
子どもたちに生まれる苦悩はぼんやりと、しかし深い闇の中に引きづりこまれそうな世界です。もしかしたら3編に描かれる苦悩のうちのどれかに当てはまった人もいるかもしれません。
征服欲、暗黙の了解、虚言、執着、禁断の恋、周囲の目…
どれもつらく、厳しい。
けれど、そんな苦悩を打破してくれる一筋の光はきっとどこかにある、そう思わせてくれる作品でした。
さて、この作品に描かれる子どもは、どこか大人っぽい。
しかし、これは大人っぽく見えるのではなく、大人になりたい、大人にならなければという願望がそうさせたのではないのでしょうか。
小さいままではいられない、大人にならなくてはならない、そう感じている子どもたちが、それでもまだ大人になるまでには時間がかかるのだと知らされるような作品だと思います。
子どもの頃は早く大人になりたくて、大人っぽく見られたいと思っていた。
この歳になれば、子どもの心を忘れないでいたいと思う。
でもね、僕は思うのです。
大人はやはり大人っぽくあるべきだと。
子どもが大人になるには時間がかかるのだから。
僕はまだまだ子どもです。
そして自分はまだ子どもだと言ってしまうことは決していいことではない。
笑顔たっぷりに全力で遊ぶことが子どもっぽいというのも違うと思う。
大人だって全力で遊ぶし、子どもだって静かにすごせる。
そういうことを履き違えて歩きたくは無いなって、、、なんとなぁくではありますが思っています。
堂々と「僕は大人だよ」って言えるように歩いていかなくてはと毎日思ってはいるのですが…
ふぅ…
ん?なんか後半わけがわからなく…
またしてもお子様ぶりを発揮してしまいました(w_-;