駅前旅館 (新潮文庫)/井伏 鱒二
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あらすじ


昭和30年代初頭、上野駅前の旅館で働く主人、生野次平。幼い頃から女中部屋で寝起きし、いつしか番頭になった次平の番台裏話。お国による客の違い、呼び込みの手段、旅館関係で使われる隠語、そして彼の色恋沙汰も交えつつ、彼の周りで起こったいくつかの騒動を当時の宿泊事情を淡々と話す。



井伏鱒二というと『黒い雨』しかしらないのですが(これも教科書に載っていたから知っていたくらい)、なんとなく最近は柔らかい文体でしか本を読んでいないなぁって思い、少し前の時代の文章を読んでみました。

ちょっと言い回しが古くなっただけでここまで頭に入る量が減るのかと少々悲しみが襲いましたが、何とか読み終えました。

多分、文体にはそれほど癖は無いのですが、当時の時代背景を知らな過ぎること、裏話ゆえの独特の言葉などが読むペースを遅らせたのではないかと。


ただ、昔の作品というのは今の作品の面白さとは少し違う面白さがあって、たまに読むと不思議な気持ちになります。最近書かれた昭和の話のような雰囲気はやはり昔を作り上げて書かれているんだよなぁなんて思ったり。ノスタルジアの世界もいいのですが、当時の世界(現実)をそのまま描いた世界を今読むのも大切な気がしました。


さて、本編は番頭の次平の語りという形で展開されています。

飲み屋かどこかで彼の話を聞いている、そんな感じでしょうか。

旅館内のちょっとした出来事は、その世界から離れている僕たちからすると面白く、話しに食いついてしまう、そんな作品です。

先に話したように当時の様子がしっかり思い浮かべられず、少し難しいが先行してしまったのが悔やまれます。



なんでしょうねぇ、例えばファンタジーという世界は僕らが知らない世界なので、文書に現れる風景描写を汲み取って世界をぼんやりながらも作り出していくのに、昔のリアルを汲み取ろうとすると少し難しくなる。

『リアル』ということはやはり存在することなんだなぁって思い知らされました。


あ、いや、この本はエッセイではなく確かに小説なのですが…

それだけの雰囲気があったということでしょうかね。



ふぅ…

フライパンを買い変えました。

結局安いテフロン加工のものに…

でも…お肉がフライパンに引っ付かない!!!

汚れがさっと落ちる!!

安物を少しでも長く使うよう頑張ろう♪