ホテルカクタス (集英社文庫)/江國 香織
¥540
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あらすじ

「ホテルカクタス」という名のアパートに帽子ときゅうりと数字の2は住んでいた。バラバラだった3人はいつしか同じ時間を共有し、絆を深めていった。穏やかな日、悲しい日、可笑しな日、彼らの日常をとらえた不思議でどこか物悲しい物語。



江國さんの作品はこれで二作目なのですが、アパートの一角に帽子ときゅうりと数字の2が住んでいるという設定に負けて手を伸ばしました。

読み始める前は、帽子やきゅうりや2をモチーフにした人たちが登場するのかなぁと思っていたのですが…

どうやら帽子は帽子で、きゅうりはきゅうりで2は数字の2である様子。

メルヘンのような世界観なのに、どこかリアル感が強かったので、なんだか頭がついていかなくなってしまいました。

各話が短く構成されているので、ポンポン読めるかなぁと思っていたのですが、こうした変換能力が欠如してしまったためか今までのようにすらすらとは読めなかった作品でした。

それでもそれぞれの性格は面白い感じで表現されて…いや、再現されて?いるのでこの世界の楽しさはありました。

なにより、僕の好きな数字の2が出てきましたしね!


それから、各節目ごとに挿入されている挿絵が、何が良いのかわからないけれど、非常にいい雰囲気がありました。たぶんホテルカクタスを描いているのでしょうが…あんな感じのアパートなら一度は住んでみたいなぁ。スチールの匂いがしそうな冷たいのに優しい、そんなアパート。


読後に思い出してみると、なぜかきゅうりのみずみずしさが一番最初に思い出されました(^▽^;)


ふぅ…

やっぱり数字の2の性格は

割り切ったことが好きらしい。

協調性があるらしい。

公務員らしい。

控えめなのにどこか憧れの心は強いらしい。

ですよねぇ~♪