キノの旅―The beautiful world (4) (電撃文庫 (0440))/時雨沢 恵一
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あらすじ

キノはモトラド(注:二輪車)であるエルメスと共に旅をしている。訪れた国での滞在期間は常に3日間。その国を知るには丁度良く、それ以上は旅立ちづらくなってしまうから…

さまざまな国を知り、その国の状況を見守り、そしてまた旅立っていく1人と1台のファンタジー旅行記を淡々とした文章で描く。


『橋の国』-Their Line-

広大な砂漠を走るキノとエルメス。その砂漠の先には蒼い海と隣の大陸へ続く白い大橋が架かっていた。その橋を渡っているとエルメスが突然キノに止まるように言った。エルメスは橋の欄干に文字が書かれているのを見つけたのだ。「私達はここに橋を架ける。私達がなぜ何をしたのかをこうして欄干に残す。いつかこの橋を渡る誰かのために。」キノとエルメスは欄干に書き込まれている文章をたどることにした。その欄干が語るものとは―。


収録作

プロローグ 『紅い海の真ん中で・b』

『像のある国』

『×××××』

『二人の国』

『伝統』

『仕事をしなくていい国』

『分かれている国』

『ぶどう』

『認められている国』

『たかられた国』 (シズの話)

『橋の国』

『塔の国』

エピローグ 『紅い海の真ん中で・a』



キノの旅の4巻です。

なかなか寝付けなくて、ちょっと読んでみようと手にしたのですが、さらぁ~っと読んでしまいました。

今回は『国の面白さ』としてはまぁまぁだったかなぁ…

というか、なんか現代に生きる僕らの胸にグサリと突き刺さるような国ばかりで、うっ…おぉぅ…という感じで今までとは違う胸の痛みを感じながら読んでしまいましたねぇ。


それから、収録された作品のひとつ『たかられた国』ではシズの戦闘シーンが入っています。キノの旅は物語の構成上、少々マンネリ化してしまいがちなのですが、たまにこうして勢いよく戦う話が組み込まれているので読み続けられる気がします。

ただ、その戦闘シーンも戦っている姿は勇ましくかっこいいのですが、語り口調が冷めているため不思議な雰囲気はあり、直接的な表現方法が苦手な人もいるかもしれませんが。


このキノの旅ですが、あとがきがファンの間で有名だそうで、確かに一風変わったあとがきです。

あとがきで遊んで個性を発揮しているとでもいうのでしょうか。

でも僕はあとがきよりもカバーについている作者のコメントの方が好きです。

写真はもちろん、コメントもちょっとバカバカしくていいです。



この場所を知らず 夢の地を目指し

夢の地に着いて この場所を知らず


ふぅ…

あぁ、今日も寒い。