キッドナップ・ツアー  角田光代


キッドナップ・ツアー (新潮文庫)/角田 光代
¥420
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あらすじ

5年生の夏休み、私はユウカイ(=キッドナップ)された。犯人は家からいなくなったおとうさんである。だらしなくて、お金の無いおとうさん。どうやらお母さんに取引を要求しているようだけれど…。 久しぶりに会ったおとうさんとの夏休みの生活は海水浴や肝試し、キャンプなどイベントたっぷりの生活。クールな女の子ハルと、どうしょうもない父親とのひと夏のユウカイ旅行は一体どうなるのか。

父親と過ごすほのぼの小説。



キッドナップとは言いつつも、緊迫感ゼロのユウカイ劇です。ホントにほのぼの旅行記、といってもいいくらい。

物語の終わりは??で、結局??なのですが、この物語はそこにいたるまでの過程が大事であり、一種のロードムービーともいえるのではないでしょうか。

ここに登場するクールな少女は意外と現代には多いのかもしれない。

お父さんに気を使ったり、旅の途中ユウカイ先でであった女の子と話をあわせたりするのは日常的なことなのかもしれません。でもこの物語では、そんなクールな女の子だからこそ成り立っている。

おとうさんに付き合いでユウカイされ、おとうさんの金銭事情を心得、それゆえユウカイはスムーズに進む。

つまり、いい娘さんだと言う話。

いやいや、そういうことを言いたいわけではないのですが、もしこんな子が娘だったら妙に安心してしまうかなぁなんて読んでいて思ったりして。


少し話を戻しますが、この物語は父と娘の絆物語なのか。

正直わからない。というのは僕の読解力不足なのかもしれませんが、父親が娘に何か償いの言葉をかけるわけでも、娘が涙流れに別れるわけでもない。しかし二人のやり取りには確実に再会したときよりもしっかりとした絆があり、家族再生物語としてはその流れはしっかりとある。

けれど僕はそんなことよりも、寒い夜の海に入って、児童虐待だ!と叫びながらもゼリーのような海に浮かぶ様子や、スーパーで楽しげに品物をかごに入れていく様子が実に微笑ましく、これが家族の絆を結んでいるのかどうかというよりも、子どもが二人騒いでいるような、そんな場面の方が鮮明に残っています。


角田さんの持つほんわかとした文章は、淡々と進んでいきますが、そこがまたこの家族を素直に表している気がします。


おとうさんが困ったように笑う様子や、ハルがわざと無視する様子、それらは微笑ましくてやわらかく、やっぱりユウカイされているとは思えない旅ですが、そこがこの物語のよさなのかもしれません。


核心をつくネタバレ(反転)

ただ、結論の出ない物語が嫌いな人は手を出さない方がいいかもしれません…



ふぅ…

先日、最後の現地調査に行ってきました。

久々に子どもたちの輪の中に飛び込んだのですが…

疲れたぁぁ・・・!(-^□^-)

全体力を吸い取られるかのようでしたけど、久しぶりの鬼ごっこ、

なんか燃えた。


子どもに出されたポケモンクイズ、

ほとんどわからなかった…

バシバシ発見されるポケモン…

昔は150匹だったというのに…

世界は広いんだなぁ…