
先ほども書いたように、『四畳半神話大系』 『中二階』 と文体が独特で読みづらい作品を読み続け、たまにはさらりと読み進めていきたいと思った僕が本屋で見つけたのがこれ。
『 天国はまだ遠く 』 著:瀬尾まいこ
- 天国はまだ遠く (新潮文庫)/瀬尾 まいこ
- ¥380
- Amazon.co.jp
あらすじ (ほぼ背表紙あらすじ)
仕事も人間関係もうまくいかず、日々が苦しい23歳の千鶴。彼女は会社を辞めて自殺しようと決めた。人気の無い静かなところを目指して辿り着いたのは、山の中の民宿。そこで睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。
そしてその民宿を開いている田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。おおらかな大地、人、ゆったりとした日々。彼女はその恵まれた地で気がついてしまう。ここは自分の居場所ではないと。。。
一日で読み終えてしまった作品ですが、非常におもしろかったです。
内容はもしかしたらよくある話かもしれない。死のうとしたのに死ねず、側にいる優しい人たちに癒され、生きる希望を持っていく。
でも言葉の美しさや、田村さんと千鶴のやりとりが面白く読んでいて飽きさせない。
ほんとにすっきりと読める作品でした。読んでいるこちらまで世界が田舎のど真ん中にいる気すらしてきます。正直、こんな感じの田舎暮らしに憧れてしまいます。田舎嫌いな都会人はよりこの生活が羨ましいと…思わない人もいるんだろうなやっぱり(^o^;) 僕もこの生活に羨ましさを感じるものの、どこか気持ちが落ち着かないこともあるかもしれない。千鶴のように…
コレを読んでいたら、不思議と田村さんが大泉洋に見えて仕方なかった。
映像化するなら田村さんは大泉洋で、千鶴は……う~ん、戸田恵理香かなぁ…。でも大泉洋はぴったり。あの冗談の言い方や、ぶっきらぼうな感じは当てはまりそう。
なんて思っていたら、これ、映像化されるらしいです。千鶴は加藤ローサだそうな。
ふむ、ぴったり!戸田恵理香は少し大きすぎるかなぁと思っていたけど、加藤ローサなら雰囲気もなにもぴったり!じゃぁ田村さんはというと…チュートリアルの徳井だって…
全然イメージと違う…なんか顔も整いすぎてる気がするし、むさぼったい感じは全く無いし、なによりおおらかさを感じない。
ちょっと残念かな。
ちょうどこの本とブログネタがリンクするようなところがあったので、ネタとして書いてみました。
これは物語の早々に死ねなかったという状況になるのですが、目覚めた後は死ぬことすら怖くなってしまったという話になります。死ぬ前ににいろいろなことに神経を使い、様々な身辺を整理して、いざ死ぬときには心が揺らぎ気力が必要である。それだけのことをして死ねなかった千鶴はもう死ぬことすら出来なかったそうです。ただ彼女は救われる状況にあった。心が通う人、心が安らぐ場所、全てをスッキリさせていたことによる心の開放感。こう考えると、彼女はシアワセだったと言えるでしょう。
僕は昔からもうやだ、死ぬ!とか、死ねよ!とか言うのが苦手で、そうやって冗談としても簡単に口に出せる人が信用できませんでした。
学生ってホントによくこうやって死ぬと言う言葉を使うもんだなぁと今思い出してみて実感しました。死ぬってことが一般的になってしまっている状況なんでしょうね。なんだか怖いです。
といいつつ、大学に入って、うまくいかないことが増え、僕も何度か死にたいと思ったことがありました。駅のホームに立つたびにもうヤダ…と。でも不思議なことにその想像を膨らましていくと、決まって同じ状況なのです。
混み合うホームで女の子が押されて線路に落ちる。そこへもう死ぬならいっそ人助けをと思い僕は飛び込むも女の子を見事助け、僕はというと一緒に助かってしまう。その後は電車男のような状況へ進み…
改めて、僕ってばかでしょ?(^▽^;)
結局死にたいと思っていなくて、死を怖いとも思っている。なんなら悪夢のようなその状況からいい方向へ進めようとすらしてしまう。人間は欲深い…いや、これまで欲深いのは僕自身か。
やっぱり、簡単に死ぬとか、死ねとか言えないみたい。
∑ヾ( ̄0 ̄;ノ まさか一日で読みきってしまうとは思わなかったから明日の通学中に読む本が無い!まぁ、たまにはいいか。
ふぅ…
考えてみたらこうやって本は読んでいるのに、建築系の本はほとんど読んでいない…いいのかこれで?