僕は家の外で本を読むとき、ブックカバーをつけるのは好きではありません。

ん~…気に入ったブックカバーに出会えばこの感覚は変わるのかもしれないけど、なんだろうな。

本は内容だけではなく、表紙とか、題名とかも大事だと思っています。

題名考えるのにも時間をかけ、表紙は装丁を専門とするデザイナーすらいる。

それを隠すのはなんか申し訳ない。

それに…他人に見せびらかせるほどいい本を読んでる自信があるからって理由もあります。

まぁ、そんな大事な本を守るという意味ではブックカバーは必要なんでしょうが。。。(-。-;)


しかし…今回このポリシーを打ち破った作品がありました。


キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)/北尾 トロ
¥630
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えっと…これが理由です。この題名が。

ちょっと人前で開くには恥ずかしいタイトル…ましてや目の前の人の鼻毛が出ていたら…


この本は北尾さんが以前から試みたかったことをやってみようという本です。

これのどこがツボにはまったかというと、チャレンジするものの内容です。

 ・電車で知らないオヤジに話しかけてのみに誘う

 ・子どもと遊びたいと思うのは犯罪なのだろうか

 ・激マズ蕎麦屋で味の悪さを指摘する

 ・キミはちょい知りの他人に「鼻毛が出てますよ」と面と向かっていえるか

 ・人前で自作の詩を朗読する

 ・母親に恋愛時代の話を聞きに行く

などなど。

見てもらってわかるように、チャレンジ内容は非常に『勇気』が必要なものばかり。

とはいえ不必要な勇気ばかり。気にはなっていてもやらないで終わることが多いことばかり。いや、やらなくていいことばかり。そこを必死に取り組む北尾さんは…おそらく…マズイと思う。といっても悪い意味ではなく…こう……まぁうらやましい限りです。


この本読みながら笑いをこらえるのはすごくまずかった。

我慢すれば顔は引きつる。

肩が震える。

ふふふって言っちゃう。


後半はややダークな内容になってくるので、どこか不安になる感じはあったけど、十分面白い作品でした。


特に 『子どもと遊びたいと思うのは犯罪なのだろうか』 はすごく考えさせられつつも、笑わしてもらったし、

『母親に恋愛時代の話を聞きに行く』 は僕も少し気にはなるものの、なんか照れくさい。僕は一生聞けずに終わるのかもしれない。もちろん父親にも聞けない。 女の子はこういうこ聞けても、男はそうはいかないんだよなぁと共感しつつ読みました。

そう。この本にはそうなんだよなぁ!わかる!わかるけどもぉ!ってことばかり。そこが僕のツボにはまったんだろうなぁ。



これを読み終わってふと思う。

勇気は全くいらないものの、僕は親に言いたくてもいえない。いや、もう言う気にすらならないことがある。

父親はうちに来た地デジをジデジと言う。

タートルネックをトータルネックという。

…不安になり検索してみると…結構ヒットする。。。(^▽^;)

こむら返りをコブラ返りという。

…これは僕もこう覚えさせられたので、最近正しい方を知って驚いた。でもコブラ返りのほうがあの痛みにはぴたりだとおもう。


でももう注意しない。2,3度言って直らなければもうそれで良しとなる。

もう勇気も何もない、諦めとともに面白さがあれば結果オーライです。


ふぅ…

この人(北尾トロ)はチャレンジする過程で変な目で見られていたようだが…変態と呼ばれる種族に入るのだろうか。

寂しい限りではあるが……もし僕が声をかけられたならば…

ドン引きすることは間違いない。