慣性の法則を思い出すような出来事があった。


先週の木曜日、いつものように帰りの電車に乗り込むと、違和感のある匂い。

鼻をつく刺激臭、剣道部時代の夏の思い出を一瞬にして蘇らせるその悪臭源は、
車両の真ん中辺りにいる、いかにも、自宅が段ボールで出来ていますけど何か?的なタイプのおじさんだった。
この満員電車の中、シートに横向きになって寝ている。
そこだけこの混雑のなか、ぽっかりと穴があいていた。

あまりの悪臭にたまらず一個後ろの車両に移ったが、これが誤算だった。

世の中の物質はすべて、運動方向が突然かわっても、それまで動いていた方向に動き続けようという力が働く。
いわゆる慣性の法則。
電車がとまっている間に発生した悪臭は、電車が発車してもその場にとどまり続け、
悪臭の位置はかわらずして電車は移動する。
すると、後ろの車両まで悪臭に!

せっかく移動したのに全く意味が無い。


一個だけおもしろいのが、駅につくと乗ってくる人がその匂いに気付き、かならず自分の服の匂いを確認することね。