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凛々しい黒馬だけど、初心者の客を乗せるようなので、とってもおとなしいらしい。

モンゴルの馬は、足が短くて小ぶりだけど、持久力に優れている。

私が乗せてもらった黒馬はナーダムに出場予定だそうだから、本気で走ればきっとすごいスピードがあるんだろうけど、私を載せている間はとてもそうは見えない穏やかな馬だった。

馬の先生の手を借りて馬の背に乗り、何か説明してもらえるのかと思いきやなんの一言もなく、先生もムングーさんもそれぞれ自分の馬に乗っていきなり散策スタート(笑)

私の馬は、急に走り出したりしないように先生がヒモをもってくれてるけど、なんか乗り方のコツとか注意とか…ないのね(^^;;

モンゴルの馬、小さいと思ってたけど乗ってみると意外に高くて揺れるし怖い。

自分でなんとかバランスを取りつつ、ようやくあたりを見回してみる。

羊の子供がいたり、ヤクがいたり、草原も空もどこまでもひろく…なんて気持ちの良い世界なんだろう。

三人でのんびり乗馬を楽しんでいると、途中で遠くから遊牧民の青年が馬を走らせてきた。

全速力の馬かっこいい!!

馬の先生と友達みたいで、先生と馬を並行させながらニコニコと何かしゃべっている。

ムングーさんが、「牛の赤ちゃんが生まれて可愛いという話をしています」
と教えてくれた。

うう~そういう話でニコニコ盛り上がってる青年二人が可愛い(笑)

モンゴル語の会話にムングーさんも混ざって、三人で何か盛り上がってる中、私はなんとか振り落とされないように馬に意識を集中させていたんだけど、前を歩いていたムングーさんの馬が、歩くリズムに合わせて、ブッ!ブッ!ブッ!と三回位すごいオナラをした。

そこで思わず吹き出したら、ちょうど三人の会話でも爆笑して、私が同じタイミングで爆笑したものだから、三人が「お、なんだモンゴル語分かるのか?」という感じでこちらを嬉しそうにみてきて、勿論モンゴル語は分からないんだけどなんだか楽しい雰囲気になった。

暫くして遊牧民の青年がじゃあなという感じで、馬を全速力で走らせて去っていった。

馬の先生が後ろを振り向いて、ニヤっと笑って、「明日はあれ位速く走るぞ」と冗談をいった。

ムリ…ガーン

もう夕方だったので、ゲルキャンプに帰る途中、小羊たちがいる柵に行き当たった。

モンゴル人のおじいちゃんがニコニコと、「一緒に写真を撮るか?」と言ってくれて、途中下馬して写真を撮ることに。

しかし小羊たち、当たり前だけど怖がって全速力で逃げる。

それをおじいさんとムングーさんと走って追いかけ、なんとか捕まえて、羊が全力で暴れるのをなんとか押さえ込んでパシャり(ごめんね~)

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言葉は全然通じないんだけど、みんなで笑ってすっごく楽しかったニコニコ

ゲルに戻ってきて、夕食はキャンプのすぐ近くにある小さなレストランで。

またもやワンプレートには山盛りのお肉。
疲れ過ぎてお肉はどうも受け付けない…。

このゲルにはどの位人が泊まってるのかムングーさんに聞いたら、
「ゲストは私たち二人だけ。あとはみんなモンゴル人のスタッフです」
と。

こんだけ広いゲルキャンプに私たち二人だけ…。
衝撃…。

五月だけど、夜は寒いので、ゲルの暖炉にマキをくべてくれるそう。

きれる頃モンゴル人スタッフが補充しにいきます、夜中の2時と明け方の5時位。と言われた。

夜中起きるのめんどくさいな…と思ってたら、
「勝手に補充するのでカギは開けっ放しで寝てください。」
と。

えっ……。

ゲルに一人なのにカギを開けっ放しで寝ろと?
しかもマキをくべてくれる人たちは男性なんだけど…。

怖い…。

と固まった私に気づいたムングーさん、

「怖いですか?大丈夫でーす!」って。

ほんとにーーーー⁈

モンゴル人はゲルにはカギをかけないと聞いていたけど、それが当たり前らしい…。

食事を済ませ、ムングーさんと別れ、ゲルに戻る。

ゲルの周りは布なので、外の音がよく聞こえる。

モンゴル人は歌が皆好きらしく、ゲルの横をモンゴル人が通る時は歌が聴こえて楽しい。

休んでいると間もなく、がっとドアが開いて(ノックなし。笑)、モンゴル人の青年がマキをくべてくれた。

ついでにゲルの一部に隙間が空いていたらしく、陽気に歌を歌いながら直してくれた。

終わった後モンゴル語で何やら話しかけられたが、何を言ってるのかさっぱり分からず、通じてないのは向こうも分かっているみたいだけど何やらニコニコしながら出て行った。

うーん陽気だ…音譜

しかしこの暖炉……。

熱い!!!!!メラメラ

どんどん部屋の温度があがってサウナ状態。

ゲルは一部屋だから逃げ場がないし、もう時間は深夜で、こんな時間にムングーさんを呼ぶのも気がひける…。

こりゃ消えるのを待つしかない…。

余りの暑さにカギどころかゲルのドアも全開で、汗だくになりながらベッドで横になってなんとか寝る努力をしていると、

突然モンゴル人の青年二人がタバコを吸いながら私のゲルの中に入ってきた。

しかも中に入ってドアを閉めるとカギまでかけた!叫びあせる

こちらは暑くて上は下着一枚である。

内心ぎえーーーっ!!!と思いながら固まってると、その二人、締めたカギをまた開けて、ドアを2、3度開閉してみせた。

そして私にモンゴル語で何やら話しかけてきた。

話しながら、ドアをしめ、カギをかける仕草をして、どうやら、「こうやればドアもカギも締まるよ」と説明してくれているらしい…。

私がドアを開けっぱなしだったので、カギの掛け方が分からないんじゃないかと心配してくれたようだ…(笑)

おーーーーーいっっ!!

もう脱力というか、笑いがこみ上げてきたけれど、そこは空気を読んでしまう日本人、いかにも「あ、そうやれば締まるのねグッド!」と、
さも今知ったかのような表情とジェスチャーで、「サンキュー!」と微笑んでしまった…(ああ日本人…)

その後も灼熱を耐え、身体は疲れ切ってるのに暑くて全然寝付けず、夜半を過ぎてようやくマキが燃え尽きてくれたので、追加はいらん!の意思表示でドアにカギをかけて寝た。

やれやれ…。