「風が強く吹いている」よし、走るか | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)/三浦 しをん

走り出したくなる:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5

笑:笑2笑2笑2 /5

ハイジー!!:涙3涙3涙3涙3涙3 /5



三浦しをんさんの「風が強く吹いている」を読みました。


以前、「サクリファイス 」を読んだ際にバステトさんから

頂いたコメントで興味がわきました。

かれこれ半年以上前のことです……



銭湯からの帰り道、清瀬灰ニは

あまりに美しく駆け抜けた男に釘付けになる。

それは万引をして逃走中の蔵原走の姿だった。


清瀬は走を「竹青荘」というボロアパートへ

招く。金も住む場所もなかった走はすぐにそこに

住むことになった。

「竹青荘」のメンバーは個性的ながらも愉快な面々だったので

走はすぐにうちとける。


しかし走の歓迎会で清瀬はとんでもないことを

言い出した。

この「竹青荘」のメンバー10人で箱根駅伝を目指そうと

言うのだ。



これはまた、おもしろかったです。

「サクリファイス」とはテーマに近いものを感じますが、

並べるとコチラの方が好みですね。


箱根駅伝を目指すほぼ素人集団「青竹荘」の一年間の物語です。

陸上経験者は清瀬灰ニと蔵原走、ニコチン中毒者のニコチャンのみ。

他は陸上は未経験です。


女の子にもてることばかり考えてる双子のジョージとジョータ、

理工学部の留学生ムサ、クイズ番組が大好きなキング、

すでに司法試験に受かっているユキ、

マンガばかり読んでいる王子、おだやかな性格の神童……


この「絶対無理」と思わせる状況から、

清瀬の指導力や走の才能、「青竹荘」の意外な底力で

どんどん力をつけていく。


どこかで「ありえない」と思っているのに、

思いっきり引き込まれてしまいます。


メンバーの掛け合いの面白さや、

「青竹荘」での過酷でちょっと笑えてしまう生活、

それぞれが抱える内面の問題を克服していく様子など

「いい」と思える要素がたくさんありました。


三浦さん、さすがですね。

この系統の作品は今のところハズレなしです。


読了後、いろいろな意味で深くため息が出ました。

あらすじだけである程度予測のできる物語なのに、

なぜここまで引き込まれるんでしょうね。


正直な話、駅伝とか全く興味がなかったので

バステトさんのコメントから半年も経ってしまったんです。

いや、愚かでした。


駅伝、おもしろいじゃないですか。

……よし、今から箱根を目指す(ウソ)。


でも私、陸上部だったんですよ。

大昔の話ですが。


バステトさんありがとうございました。