篠山探訪~1日目
【集落丸山にて】丹波栗でっかい
さてさて、さかのぼってますよ(笑)。
10月10日、昔は体育の日でしたが、ただの金曜日。
古民家の活用に関する視察のため、兵庫県篠山市へ。
県内ではもはや古民家の申し子(?)のように
扱っていただくようになった主人とともに(笑)。
丹波篠山は、10年足らずの間に、
古民家の利活用が目覚ましく進んでいる地域で、
その仕組みや実際について、見に行きました。
…旅行?じゃないですよ。
視察です。お仕事です。
…といいつつも、新たな土地のいろんなものを見るのは、
単純に楽しかったし、ある決意も固まった、有意義な視察でした。
●集落丸山
【集落丸山にて】茅葺屋根をトタンで覆っている
一般社団法人ROOTの谷垣さんにご案内いただき、
まずは篠山の山の方、丸山という地域へ。
屋根のカタチがやっぱり全然富山とは違いますね。
それもそのはず、篠山には茅葺屋根のお家がいっぱい残っているのです。
でも、屋根を葺くのはほんとうに大変なので、
最近はこうやってトタンで屋根を覆ってしまうんですね。
三角形のは、家紋だそうです。
これだけピシッと角のある三角形のモチーフだと、
異国の雰囲気も漂うなぁ。
【集落丸山にて】建具がかわいい
集落丸山には、
農家をリノベーションした
「明かり(佐古田家)」と「ほの穂(斎藤家)」の
2棟の古民家の宿があります。
女将にご案内いただき、中を見学。
【集落丸山にて】古民家にソファーって合うね
空き家となった農家さんのお宅を、
宿としてオープンするためには、
お掃除や改築はもちろんですが、
さまざまな法律の壁をひとつひとつ乗り越えなければなりません。
うかがうだけで気が遠くなりそうだな、と思いつつ、
でも、ここにその事例があるんだ!ということに、
勇気をいただきました。
…と言っても、農家民宿はまだハードルが低くて、
まちなかの町屋を宿にするのはさらに難しい…などなど。
【集落丸山にて】タイル張りのキッチン
この地域では、かまどのことを、「おくどさん」というそうです。
かまどは現在使われていませんでしたが、
水回りがえらくおしゃれでした。
アメニティやトイレ(ウォシュレット完備)も充実していて、
快適に過ごせそう。
1棟貸しで5人まで泊まれるそう。
…あ~、社員研修で使いたい。
【集落丸山にて】窓から入ってくる緑がきもちいい
何気ない窓から緑が入ってくる。
ここで過ごす時間は、ほんとうに贅沢そうだ。
【集落丸山にて】ヒンメリ
この幾何学的なカタチのモビールは、
フィンランドの伝統的なお守り的な飾りで「ヒンメリ」というそう。
同じ集落の女性がつくって、いろんなところに飾っているそう。
ちょっと不思議だけど、風景になじんでいた。
丹波篠山の宿・集落丸山
●武家屋敷群
さて、丸山の後は、茅葺き屋根にトタンがかぶっていない地域へ。
【伝建地区】旧武家町にて
門の屋根も茅葺き!
【伝建地区】旧武家町にて
こちらの茅葺きの屋敷群たちは、
メンテナンスも大変ということと、
比較的認定が遅かったため、
昭和中期あたりの建物もたくさんあって、
実は町並みはずいぶんとバラバラとしている印象だ。
●商家エリア
…次は商家、町屋の並ぶ地域へ。
このあたりには、2008年頃から空き家をリノベーションした物件がちらほらあり、
どれも、おしゃれで感じのいいお店・事務所等が入っていた。
【伝建地区】旧商家町にて
翌日は、この一帯で「味まつり」という一大イベントが開催されるそうで、
まちなかは、
篠山じゅうの黒豆が集まってきているような雰囲気だ。
【伝建地区】旧商家町にて。本屋さん
本屋さん。
ここはとくに、おしゃれリノベーションはしていないけど、
無理していない感じがとても好感を持てた。
【伝建地区】旧商家町にて。栄亀堂さん
もともと、和菓子屋さんだったという栄亀堂さん。
金・土・日・祝 営業のお店。
町屋カフェ 栄亀堂(食べログ)
物腰のやわらかくてお話好きな、ステキな奥様が対応してくださった。
六角堂の近くでカフェをやっていらっしゃったWさんと雰囲気が重なって、
なんだか、心がほっこりじんわりした。
【伝建地区】旧商家町にて。葡萄屋晴治郎さん
リノベーション物件。
ワインとガラスの専門店さん。
たっくさんのワインが超魅力的に並んでいた。
古民家×お店 がすんごくマッチしていた。
懐かしくて落ち着いたたたずまいと、
柱や格子や建具のバロックな感じが、
もうなんともいい雰囲気を醸し出している。
葡萄屋晴治郎(facebook)
カラダによさそうな食材なども置かれていて、
思わずピクルスを購入。
【伝建地区】旧商家町にて。ハクトヤさん
こちらは、雑貨屋さん。
ちょこっと中に入ってみましたが、
1日中いてもまだ足りないくらいのステキな雑貨がいっぱい。
お家の間取りを独特なアレンジで使いながら、
センスのよい品々を並べてあるので、
どんどん奥へ奥へと足を踏み入れてしまいます。
やばいやばい、時間がいくらあっても足りないわ。
器とくらしの道具 ハクトヤ(Blog)
…魅惑の森のようでした。
【伝建地区】旧商家町にて。ベジワンフーズさん
金・土・日・月・火曜営業のべジワンフーズさん。
カフェ併設のオーガニック食品店。
篠山近辺の若手こだわり農家さんの作られたお野菜や、加工品なども扱っているし、
オリジナルの加工品も開発・販売している。
ベジワンフーズ(Blog)
お邪魔した頃は、
すでにとっぷりと日が暮れてしまっており、
営業も終了していたので、立ち話を。
【伝建地区】旧商家町にて。ささやまな家
ここは、「ささやまな家」。
2階にはROOTさんの事務所がある。
ささやまな家(一般社団法人 ROOT)
1階には小さなカウンターもあって、
ちょっとした会もできそうだ。
こういうところをお仕事場にできるって、
なんてステキなんだろう!!
【伝建地区】旧商家町にて。
…と、いろいろめぐっていたら、もうすっかり夜。
【伝建地区】旧商家町にて。CASA DEL’AMICIさん
最後もやっぱり古民家で。
10月はじめにできたばかりのイタリアンでお食事。
1日中精力的にご案内いただいた谷垣さんとともに、
丹波鶏やグレ(白身魚)など、
地元の食材を使ったイタリアンを堪能しました。
…と、そこで、篠山の空き家利活用の仕掛け人・
一般社団法人NOTEの代表、金野さんに遭遇。
一般社団法人 NOTE(ノオト)
【伝建地区】旧商家町にて。CASA DEL’AMICIさん
金野さんたちは別の打合せをされてたんですが、
最後はみんなで相席で、ワイングラスを傾けながら、
いろんなお話を伺いました。
みっちり視察して、貴重なお話もうかがって、
もっと主体的に、古民家の利活用に関わりたいという思いが強まりました。
いや、強まったとか生ぬるいことじゃなくて、
やらなくちゃ!!やるぞ!!という思いが固まってきました。
【CASA DEL’AMICI】記念撮影
最後に、シェフも一緒に、記念撮影。
もともとは、主人のプロジェクトの付き添いで
「後学のために」くらいの気持ちで視察に来たのですが、
すっかり視界がクリアになった気分です。
まちやひととの関わり方、働き方、家族との過ごし方…。
身の丈と挑戦。
…なんだ、
答えはすごく足元にあったんだなって。
すごく貴重な時間を持てたことに感謝。
そして、出会ったみなさんに感謝。
そしてそして、この視察を企画した主人に感謝。