ねずみに轢かれないように
【いつかの風景】
今日も雷ゴロゴロ。
晴れてるかと思えば、ザーッと雨の降る、
梅雨が断末魔の叫びをあげているような日。
私にとっての3連休は、
多少ゆったり家事をした後、
ゆっくり事務所に出てきて、
追いすがるお仕事を片づけることのできる
ボーナストラックのようなもの。
しかし、今日は、新入スタッフ・Sちゃんが、
さっそくの休日出勤をしている。
理由は、絶賛制作中のデザインが、
印刷屋さんに入稿する日が近いのに、
なかなか進まないから。
…そして気づいてしまったようだ。
休日、電話もかかってこない、
他の人からも干渉されない状態でデザインするのが、
もっともハカドル、ということを。
そういえば、
私の社会人になって間もない頃は、
5年連続くらいで、たったひとりで会社で年越ししていた。
帰省もせず、仕事納めからがようやく集中できる!
…くらいの感じで。
働きすぎ。ワーカホリック。
…何と言われようが、
世の中の人々がゆっくりお休みしているときにこそ、
やらなきゃいけないことがある!という
使命感を感じながら、
夜中の広いオフィスでもくもくと作業していた。
社長となった今は、
スタッフには残業や休日出勤は、してほしくないと思う。
それに、私が率先してお休みしなきゃいけないなとも思う。
…でも、
人間には、「がんばり時」ってやつがある。
今の自分のレベルよりも、
もっと上に行くためには、
やっぱり「すんなり」というわけにはいかない。
やらされている感が大きい場合は、
「がんばれ」というのは不幸だけど、
それにちゃんと意味と目標を見出しているのなら、
やっぱり、がんばるべきだと思う。
なりふりかまわずがんばる時間は、
ふつうは他人には評価してもらえないけれど、
確実に自分の血や肉になる。
…がんばれ、Sちゃん。
そう思いながら、彼女を置いて事務所を後にする。
…この瞬間、必ず、前の会社の同僚Iさんが、
遅くまで残って作業してる私に、
いつもかけてくれた言葉を思い出す。
「ねずみに轢かれないようにね」って。
…今の事務所は、
都会にある雑居ビルみたいな感じじゃなく、
住居の方が多く、ほんわか&クリーンなので、
まず、ねずみが走り回るようなことはないだろう。
応援の気持ちを表しながら、ちょっとクスッとする
そんな一言、はやく見つけたいなぁ。