NPOって何なんだ?
【まちの駅新聞17号】2012年、お正月版。ようやく発送完了!
おはようございます。東京4日目。
今日は、Uターンラッシュに便乗して、最終の新幹線&はくたかで富山に帰る予定です。
昨日の年賀状かきかきは終了し、今日はNPOの活動報告系をまとめています。
…最終電車までに間に合うんだろうか!?(笑)
今年も残すところあと3日。
独立して、会社をつくって、私の中ではかなりの節目の年でした。
そんな中でも、今までのNPO活動は引き続き行ってきたわけですが、この活動に関して、たとえばまちの駅の全国大会で感じたことなどのように、思うところ&確認することが多い年でもありました。
…ということで、NPO活動のことを振り返ってみたいと思います。
●立場が変わって、NPOの捉え方も変わった。
2010年の4月までは、東京のNPOの役員兼職員でもあった私。
…今は、役員の肩書のみ残っている。
今は、お給料をいただいているわけでもないし、福利厚生があるわけでもない。
でも、なぜ関わっているか?
…それは、私を育ててくれたところでもあるし、私がライフワークとしてやっていきたい〝まちづくり〟の種や苗が、ここにあるからでもある。
以前はNPOのプロとして、お給料という〝対価〟をいただいて活動をしていたわけですが、今は〝自分が関わりたい〟と思えば、そこから得るものすべてが〝対価〟になっている気がします。
たとえば、出会った人の笑顔や、感謝の気持ち、ぬくもり。
どこかにお邪魔するなら、美味しかったものとか、楽しかった体験とか。
…こういうことが、活動の産物(副産物)として、純粋に喜べるようになったんです。
でも、それなりに時間も体力も、ときにはお金も使うことなので、本業以上に活動することは、今の私にはできないと感じています。
今年、法人をつくった際、NPOにせず株式会社にしたのは、「私がかかわるNPOは、ひとつでいい」と思っていたからでもあります。
●NPOを本業にするには、相当の覚悟がいる
…実は…なのですが、
NPOに所属し「まちの駅」の全国協議会の事務局をしていた約10年、お金という〝対価〟をいただくことが、どこか後ろめたかった。
「まちの駅」の登録料や年会費、フォーラム参加費、グッズ販売料や講演料などが主な収入。
会員組織を維持するための経費として、事務局の人件費や間接費も全額ではないが計上しています。
これは、当たり前のこと。
だけど、私には申し訳なさがずーっとついてまわっていました。
今、この瞬間も、日本のどこかの「まちの駅」で、笑顔でおもてなししてくださっている駅長さんや駅員さんがいらっしゃるわけです。
それも、多くの場合、
「自分のお店だけよくなってもしかたない。地域全体が元気にならなきゃ」と思って、お店や事務所の一部を無料で開放されている方々です。
本業とは別のことを、お金を払ってわざわざやっている、すごく意識の高い方々なんです。
…そんな方々のために私ができることって、ホントにあるんだろうか?…そう思って、事務局をさせていただく中で、気づいたことがあります。
みなさんからいただいている会費は、
おひとりおひとりの「期待」であり
「エール」なんだということを。
そして、その大切なおひとりおひとりの力を、
少しずつ束ねて大きな力にしていくのが、
事務局の大切な役割なんだということを。
こう書いて、
「それってすごくワクワクする♪」と思う方と、「うわー…なんだかすごく大変そう(汗)」と思う方がいらっしゃるはず。…私は、いつも両方の気持ちを持っていました。
●本気になりすぎて、感覚がずれてくる
「まちの駅」がひとつできるたびに、そして人に出会うたびに、嬉しさと引き締まる気持ちとともに、今、視界に入っているもの・こと・ひとに、私ができることは何だろうか?…と問いかけてきました。
使えるお金は決まっているけど、思いはいくら使ってもいいわけで、そういう意味で、全身全霊をかけて取り組んできた、と思っています。
昔の「まちの駅事務局日記」には、そのへんの喜びと苦悩のはざまで、奮闘している様子が表されていると思います↓↓
第二のふるさと 自分の力量を思い知らされて奮起する
オープンラッシュ とことんがんばることで答えようとする
つっこみ上等 自分の言葉で伝えようとする
選挙いってきました 自信のない中で奮闘する
会議終わりました 当事者に寄りそう。責任をとる
…でも、本気になりすぎて、周囲が見えなくなっていた気もするのです(笑)。
「期待に応えなくちゃ」「○○しなくちゃ」と、自分を追い込みすぎると、ちょっとの失敗も許せなくなてきちゃうんですね。
〝まちづくり〟とは、「終わりなき改善のプロセス」。
「さぁ、まちづくりするぞ!」と始めるものではなくて、〝ずーっとやっていくもの〟なのに(笑)。
…それに気づいたので、富山にUターンしました。
私は、とにかく〝まちづくり〟がしたかったということに気づいたのです。
足をつけられる土地と、できることを磨き続ける毎日が必要だと気づいたのです。
新しいまちづくりの学校 Uターンを決心する
●で、NPOってなにか?
…こういう流れを経てきた中で、
私にとっての〝NPO(Nonprofit Organization)〟は、
・社会に関わりながら自分本来のミッションを見つける場
・ライフワークとして、一生関わることができる場
だと思っています。
〝NPO〟と〝ボランティア〟の違いを聞く人っていっぱいいますけど、
〝NPO〟は「組織」のある形態のことであり、
〝ボランティア〟は、個人レベルの「意識」から「活動」までを意味する言葉。
「人生のビジョン」と「一日のスケジュール」くらい、スケールの差があります。
(…でもそれは確実に影響しあってもいるのですが。)
人によっては〝NPO〟を、〝低賃金の労働力を提供する組織〟とか、〝民間企業や行政のアリバイがわり〟とか、〝経営努力が足りない仲良しクラブ〟と捉える方もいらっしゃるでしょうが、少なくとも社会に対して何らかの貢献をしたいというモチベーションのない人が、〝NPO〟で働く(に関わるではなく)ことはないのでは?と思います。
一方で、「社会貢献したい」というと、モチベーションが高いように聞こえるかもしれないけど、さっきの〝まちづくり〟の話のように、「さぁ、社会貢献するぞ!」といってできることは自己満足の域を出ず、〝ずーっとやっていく〟先に、本当の社会貢献があるのだと思います。
そういう意味で〝NPO〟は、続けないと、社会に対して本来の力を発揮できないものだと思います。そして、それに関わるための〝ボランタリー(自主的)〟な気持ちを維持していくのは個人の努力なのだとも思います。
過去の事務局日記↓
コミュニティ 逃れられないものと選んだものの違いを考える
先ほど〝NPO〟は「組織」だと言いましたが、今の私には「場」と言ったほうがしっくりきますね。
いろんな立場の人たちが、自分の意志や置かれている状況によって、ときにはみっちり、ときにはあっさりと関わることのできる「場」なんだと。
お店や事務所の一部を無料開放する「まちの駅」運動と〝NPO〟の特徴が、不思議なくらい重なる。
NPO職員じゃなくなったからこそ、改めて感じる。
…ふと、
同じく理事で、いつも素晴らしい示唆をくださるNさんの言葉を思い出した。
「NPOというのは、法人ではあるが、創設者一代限りのもの」
…うーん。これについては、まだ理解できる域に及ばない(汗)。
将来の自分は、これについてどう考えているのだろうか…。
…ああー。
NPO活動のシメの日ということで、長々と書いちゃいました(汗)。
全国の「まちの駅」のみなさん、地域交流センターのみなさん、関わってくださったみなさん、今年もありがとうございました。