■日経平均        11089.94(-7.20)-0.06%
■TOPIX         978.81(-0.77)-0.08%
■ジャスダック指数       53.20(-0.27)-0.50%
■売買高概算       20億3722万株
■売買代金概算       1兆5314億円
■売買高概算前日比推移  ▼▼△▼▼▼△△△▼△▼
■日経サイコロジカル   ○●○●○●○○○●○●
              7勝5敗
■値上り銘柄数       723
■値下り銘柄数       812
■変わらず          134
■騰落レシオ      (東証1部)
 25日   138.3%(先週:  134.06)
■外国証券の寄前注文状況 
             売り 2270万株
             買い 2220万株
             差引   50売り越し
             ○○○○○○○○○●○●
                  30万株の買い越し(今週 合計)

「過熱を冷ましながらのトレンド形成に」
月足の一目均衡表の基準線(10772円)突破が確定した。これで明日の始値が10772円を上回って始まることで、基準線がサポートとして意識されることになる。騰落レシオの過熱感などが警戒されているが、ボリンジャーバンドのプラス1σとプラス2σに沿ったトレンドは継続。プラス1σは10920円まで切り上がってきており、1月高値と直近保ち合いレベルがサポートとして意識されることになる。日足のプラス2σは11235円、月足のプラス2σは11200円辺りに位置しており、目先的なターゲットが近いこともあり、いったんは調整歓迎ムードが強まる可能性もあろう。月足の一目均衡表の遅行スパンが上方転換シグナルを発生させるのはしばらく時間を要するため、過熱を冷ましながらの中長期的なトレンド形成が期待される。


市況概況
昨日の米国市場が堅調、為替も円安となったことから、輸出株を中心に買われ買い先行となりました。ただ、外国人売買動向(市場筋推計、外資系10社ベース)が金額では買い越しながらも株数で売り越しと伝えられたことや過熱感も強いことから寄り付きの買いが一巡した後は利益確定売りに押されて軟調となる場面もありました。それでも、11,000円と言う心理的な節目を抜けたことや月末・期末の「お化粧買い」期待、明日の日銀短観の上振れ期待などから、先高期待も強まり、上値の重さが確認されても売り急ぐ動きにはならず、堅調ながらも方向感のない狭い範囲での動きとなりました。後場も方向感のない展開となりました。後場に入って海運株が業績の上方修正を発表、反応は鈍かったのですが、底堅さを見た買い戻しなどが入ると値動きの良さに連られるように買いが入り大幅高となるなど、目先の値動きには敏感に反応する動きとなっていました。ただ、物色対象の広がりも限定的、やはり過熱感が強いことが気になるということで、輸出関連銘柄に利益確定売りに押されるものも見られ、指数の上値は重くなり、最後まで方向感はなく、底堅さが見られるのですが上値の重さが気になる相場が続きました。最後は「お化粧買い」と「お化粧買い」に期待した向きの手仕舞い売りが交錯、小幅安となりました。小型銘柄も堅調ながらも上値が限定的となりました。月末・期末ということもあり、積極的な売り買いも手控え気味で主力銘柄同様方向感に乏しい展開となりました。引けを意識する時間帯から手仕舞い売りに押されて東証マザーズ指数は軟調となり、日経ジャスダック平均はそれでも堅調となりました。先物も散発的にまとまった売り買いも見られるのですが、追随する動きも、積極的に買い上がる、売り叩くような動きもなく、目先的な持高調整と小掬い商いが中心となっていたようで、指数を方向付けるような動きはありませんでした。明日から新年度入りということですが、日銀短観の発表を機に手仕舞い売りが嵩むのではないかと思います。日銀短観の上振れが期待されて売り手控えられていたとすれば、予想を上回れば上回ったで「買いが入るから売り」と言うことになり、逆に予想を下回り、売られれば「買われ過ぎた分は修正となるのだろうから、売り」と言うことで売られてしまうのではないかと思います。昨年来高値水準ということで、買い方は利益の出ている可能性が高く、まずは利益を確定するためにいったんは手仕舞い売りも嵩むのではないかと思います。
市場の声として
「為替を材料に商品投資顧問業者(CTA)などが債券先物売り/株価指数先物買い、株の中では先物売り/現物買いを行なっているようだ」
「外部環境の好転で投資家心理が上向くなか、循環物色が相場全体を支えている」
「午後2時以降に海外勢のバスケット買いが主力株を中心に150億円程度入りそうだとの観測もあり、売りにくくなっている。ただ、あくまでうわさであるほか、高値警戒感もあり買いにも慎重だ」
「引き続き高値警戒感があるなか、利益確定売りと年度末を意識した買いが交錯しているようで上値は重い」
「米経済指標の改善や円安などを好感して買いが先行したものの、アイスランドの格下げに関するニュースなどで欧州懸念もくすぶり上値追いに慎重になっている。国内勢のバスケット売りなども観測されている」
「円安がもう一段進めば短期筋の買いが入る可能性はあるが、終値で1万1000円を回復した後で利益確定売りに押されやすい」などなどの見解が聞かれた。

「期末でドレッシング買いへの期待がはく落したことも下押し要因」
「足元で売り材料らしいものは短期的な過熱感しかない。ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用リポートが発表されるが、週末の米3月雇用統計をみるまでは方向感もはっきりしないだろう。2月の反動で増加が期待され、円安が進行すれば、相場には好材料となる」

NY市場は2008年9月26日以来、約1年半ぶりの高値

3月の米消費者信頼感指数が前月比で上昇し、市場予想も上回った。1月の米S&P/ケース・シラー住宅価格指数では、全米20都市の価格指数が予想より小幅な低下にとどまった。米景気の回復期待がやや強まったことも相場を支えた。ただ、主な株価指数が直近の高値圏にあるため、利益確定売りも断続的に出て相場は安く推移する場面もあった。NYダウは10907.42ドル11.56ドル高。S&P500は1173.27ポイント0.05高。ナスダックは2410.69ポイント6.33高。シカゴ225先物¥は11,115円(大証終値11,120円)。ドル/円92.83円0.30円安。WTI原油82.37ドル0.20円安。NYダウは2/5安値からの短期上昇トレンドラインは継続中ながら、3/25の上髭の長い「トウバ」を出した高値を更新出来ずにいる状態。利益確定売り圧力が強い状態。


日本市場は、米株高と円安が支えで一時高値更新するも利益確定で押される展開
前日の米株高に加え、外国為替市場で円安・ドル高が進行していることが相場全体の買い安心感につながった。このところの株価上昇で高値警戒感も意識されており、上値では利益確定売りも出て、一段の上昇は限られた。 ソニーなどハイテク株の一角には買い先行後、下げに転じる銘柄もみられた。日経平均も朝方の買いが一巡すると、小幅安に転じる場面があった。しかし、不動産や小売株など内需関連株に上げる銘柄が目立ち、日経平均を下支えした。 後場は円相場の一段の下落などを手掛かりにした買いが入ったが香港、上海市場が軟調な展開を受けて、また、明日の日銀短観、第一生命上場などのイベントを見極める様子見の展開で小安く終了。


本日のポイント
1.日経平均は小幅に反落――後場中頃から値を消す
2.場中に商船三井が上方修正し、海運業が高い
3.保険業やノンバンクが買われる
4.円安で輸出関連が堅調
5.鉄鋼や非鉄金属などが利益確定売りで下落
■移動平均線
  乖離率(%)
  5日移動平均線↑ 10999    0.82 (先週:   0.13)
 25日移動平均線↑ 10607    4.54 (先週:   3・31) 
 75日移動平均線↑ 10462    5.99 (先週:   4.04)
100日移動平均線↑ 10273    7.94 (先週:   5.73)
200日移動平均線↑ 10169    9.04 (先週:   6.68)
■一目均衡表
    基準線↑   10616
    転換線↑   10939
先行スパン1(雲上限)  10293
先行スパン2(雲下限)  10408
■ボリンジャーバンド 
 26日  +3σ  11532
      +2σ  11220   
      -2σ   9974
      -3σ   9662 
■ピボット     
HBOP(売りLCポイント) 11191
S2  (売りポイント 2) 11169
S1  (売りポイント 1) 11129
P   (ピボットポイント) 11107
B1  (買いポイント 1) 11067
B2  (買いポイント 2) 11045
LBOP(買いLCポイント) 11005


1日(木)の見通し
本日の東京市場は、米国株高などを背景に、買い先行となり、日経平均は小高く寄り付きスタートしました。また、内需関連が堅調に推移した一方、国際優良株などには利益確定売りに押される銘柄も散見され、上値は重く下げに転じる場面もみられました。しかし、月末、年度末ということで後場はドレッシング買いが入り、底堅く推移し狭いレンジでのもみあいとなりました。明日は、今晩発表されるADP米雇用統計や為替などの外的要因に左右される可能性がありますが、よっぽどのサプライズがない限り上値の重い展開をみています。30日想定日経平均レンジは10000―10300円と見ています。


明日の株新聞 
本日午後には1ドル93円台半ばの円安局面が到来するなど、好地合い継続が意識された本日の株式相場ですが、中核銘柄の多くは値を伸ばせず、ここにきて「買い疲れ」も見られています。同時に株価指数の上値追いにも慎重姿勢が広がっているのではないでしょうか。日経平均株価は小幅下落。サポートとなる5日移動平均線(10999.75円)をキープしましたが、ローソク足の形状では陰線転換となりました。新値追いによって順張り意識が大勢を占めるなか、本日の下落は弱気筋の指摘していた高値警戒感をより強める結果になったことは否定できません。米国市場休場や来週のオプションSQ算出などポジション調整につながりかねないイベント動向を踏まえると、やはり日程面から「買い手控えムード」の高まりは避けられない格好です。それでも過度に弱気姿勢で臨むのは早計でしょう。本日賑わった銘柄群を見ると、『守り』の投資戦略として推していた「やや内需寄りの銘柄」が強さを見せています。外部要因の影響が懸念されるなか、「攻め」の銘柄群は一息ついた様子ですが、循環物色は着実に進んでいるのではないでしょうか。さて、明日からは名実ともに「4月相場」がスタートします。明日も本日同様の需給環境の継続が予想されるうえ、大型新規上場・第一生命(8750)に対する注目度も高く、全体観が「一気に強気へと傾く状況」は予想し難いでしょう。投資戦略としては、推していた「攻守両面」で一定量のポジションをすでに構築したならば、当面は「イベント通過を待つ」スタンスとなります。また、手元で冴えない動きを見せているのならば、外部要因の悪化や短期調整の到来を警戒して「利益確定などポジションを軽くする」意識が必要ではないでしょうか。また、大型上場の第一生命だけではなく、JXホールディングス(5020)、NKSJホールディングス(8630)、MS&ADインシュアランス(8725)など統合会社の取引開始によって、短期志向の強い銘柄もボリューム不足が懸念されることから、短期で手掛ける銘柄に対しても明日は静観が無難です。


マーケット関連News
◎ひとまず値固めの時期に
ちばぎんアセットマネジメント 調査部長 奥村義弘氏
12日のSQ(特別清算指数)算出日通過後の堅調展開は想定通りながら、背景としては、外部環境の落ち着きが挙げられる。欧州などでの景気2番底懸念も払しょくされつつあり、1ドル=92円台、1ユーロ=124円台に戻すなど、最近の円安進展も安心感を誘っている。とはいえ、日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)が3年半ぶりの高水準に達するなど、少々スピード違反の感も否めない。個別ベースでも先駆株には、ひとまず利食いが先行する場面か。当面は、4月1日の日銀短観、週末2日の米国雇用統計など、注目指標の動向を確認しながら、日経平均1万1000円どころでの値固めを要する場面と言えよう。
もちろん、来3月期業績は、まだ十分株価に織り込まれていない。4月下旬にかけて本格化してくる決算発表に向け、相場は再び上向きに転じ、1万1500円を目指す流れを想定している。当面の物色対象としては、やや一服感の生じている輸出関連に代わって、素材・市況関連株に一段の活躍が見込まれる。中国経済好調の恩恵を受けるセクターであり、新鮮な銘柄イメージも、ここではプラスに作用しそうだ。
◎JPモルガン証券 
チーフストラテジスト 北野一氏
新年度の株式相場は景気・業績回復を背景に基本的に強気でみている。セクターとしては内需関連が注目。2009年度は製造業が業績を回復させてきたが、その主因は数量の回復だった。ただ2月鉱工業生産にみられるようにモメンタムは落ち始めている。今後は設備投資などが遅行的に出てくるタイミングであり、国内の需要拡大が期待できよう。ただ世界的にみれば雇用の改善などにともない金利上昇の局面に入る。金利上昇局面では金利感応度が低い日本株がメリットを受けるとみられるが、セクターとしては設備投資関連などよりも日本のリスクを表しているような金融などが注目されるとみている。
◎ドル/円がテクニカルに上抜け
1.一目均衡表の「雲」上限
2.今年1月高値と2月高値を結ぶライン
3.200日移動平均線
4.昨年4月高値と今年1月高値を結ぶライン
5.今年2月高値
6.07年6月高値と08年8月高値を結ぶライン
明日からは、名実ともに新年度入りとなり年度末までの円買い要因も消滅するうえ、ドル/円の変動要因となり得る日本株の動きにも「4月効果」と呼ばれる強含みの展開が見られる可能性がある。何より、このところ米長期金利が強含みで推移し、日米金利差が拡大していることが大きい。米長期金利上昇の背景には、一つに米景気の回復傾向が徐々に強まってきていることで、いわゆる「出口」への時間的距離が縮まってきていることがある。4月2日に発表される(米)3月の雇用統計においても、非農業部門雇用者数が前月比で20万~30万人増加することが見込まれており、今後、米景気にとって強気の指標発表が続くと4月下旬に開催されるFOMCにおいて、政策金利を異例の低水準に維持することが正当化される期間を、これまでの「長期間」から少し短い期間に修正する可能性があると見ているエコノミストが多い。
他方、件のギリシャ問題はユーロ参加国とIMFの協調による支援の方向で合意が形成されたが、その実、根本的な解決の方向性はまったく見出されていない。よって今後も暫くの間、ギリシャ問題をはじめとする南欧諸国のソブリン・リスクは、ユーロの下押し圧力として意識され続けることとなろう。もちろん、対ユーロでのドル上昇は、対円でもドルの強気材料となるはずだ。今後、ドル/円が1月高値の93.77円を上抜けると、昨年4月高値から昨年11月安値までの下げ幅に対する61.8%戻しの水準=95.10円が当面の上値めメドになるものと見られる。少々気が早いかもしれないが、その次の上値メドは昨年11月安値と今年1月高値、今年3月安値を元にしたN計算値で97.10円となる。


銘柄関連News
◎電池関連人気再び
電気自動車の発表ラッシュ
ステラケミ、関東電化など
電池関連株に材料株人気が回帰してきそうなタイミングだ。
リチウムイオン電池の電解液で使用される「六フッ化リン酸リチウム」で、世界シェアをほぼ二分しているステラケミファ(4109)と関東電化(4047)が30日はそろって大幅続伸。いずれも4連騰で戻りが本格化してきた。手掛かり材料は豪系証券会社のマッコーリー証券が29日付で海外投資家向けに発表したリポートだ。電気自動車関連株として、この2銘柄を新規「アウトパフォーム(買い)」とし、ステラケミファの目標株価を5700円に、関東電化の目標株価を930円に設定。直近終値からの上ザヤ余地の大きさが、目先資金の関心も誘ったようだ。六フッ化リン酸リチウム事業の潜在的価値を非常に高く評価しているマッコーリーでは、ステラケミファの同事業だけで1000億円の現在価値(29日現在ステラケミファ全体で時価総額470億円程度)があると分析、また、関東電化の同事業についても単独で900億円(同約410億円)の価値があるとした。リチウムイオン電池の主要用途は、ノートパソコンや携帯電話などで、自動車用途の規模はまだまだ小さいが、これが車載用に普及することになれば、その将来性の大きさは一変する。2010年には世界の自動車メーカーが相次いで、リチウムイオン電池搭載車の発売計画を明らかにする見通しとなっており、実質新年度入りした株式市場でも、今期の新テーマとして関心が高まっているようだ。ちょうど、30日には電気自動車(EV)開発を積極的に推進している日産(7201)が10年末から発売する5人乗りEV「リーフ」を発表したことも関連株の支援材料。このほか、先には、大和証券キャピタルマーケッツが関連リポートを発表、やはり上記2銘柄を有望銘柄として挙げたほか、成長有望な「乾式セパレータ」を手掛ける宇部興産(4208)の成長ポテンシャルを指摘していた。
◎富士エレ(9883)・・・業績復調
同社は独立系の半導体商社。
米マイクロン社製のDRAMも取り扱っている。
業績は復調。
昨日、減益幅縮小の上方修正を発表している。
PER14倍台。
PBR0.70倍。

◎コーセー(4922)
2010年2月に開始した男性用化粧品アディダススキンプロテクションの販売により、男性用化粧品市場に本格的に参入、国内事業の多角化を図っている。例年、海外においては中国と台湾でその売上の3分の2が成され、中国事業の今期3Q(2009年12月)累計売上(現地通貨ベース)は前年同期比約20%増と好調であった。中国専門店数も、2009年9月の約170店から2009年12月には200店に達し、中国事業基盤を着実に構築している。
取引したい時期と価格レンジ 
5日株価移動平均線付近を推移し、これを上値として試す位置にある。5日移動平均線を上抜き、下値の抵抗線と出来るかに注目。
◎富士重工業(7270)
3月に入り、米国全需に販売改善の兆しが見えてきているという。2月の同社グローバル生産は前年同月比50%増の53,760台となり、日米の生産拠点でフル操業が続いていると指摘されており、来期に向けても力強い生産が続くであろうとの声も聞かれる。
取引したい時期と価格レンジ 
一目均衡表日足において、転換線を下値とした動きの中、3月30日には窓を開けて更に上昇している。今後も転換線を下値とできるかに注意しながら、押し目狙いの作戦か。
◎パイオニア(6773)
主力のカーエレクトロニクス機器の販売は新興国を中心に拡大傾向にある。また、生産拠点の統廃合や人員体制の見直しなどの構造改革による効果も第3四半期(09年10-12月期)に発現した。また、大和CMでは、ホームエレクトロニクス部門における主要な不採算事業からの撤退により、来期以降は大きな赤字が出ない体制が整ったと指摘している。29日の株価は、大和CMが投資判断を「1」とし、目標株価を450円に設定したことが引き続き手掛かり材料視された。2月4日高値391円から2月19日の戻り高値375円などを結んだ上値抵抗ラインを上方突破したことで先高期待を一段と強めている。価格帯別累積売買高でボリュームの突出する300円処を上放れ、需給は鮮明に改善してきた。2月19日高値375円から3月2日安値301円への短期下落局面で信用買い残を膨らませた経緯からは利益確定売りや戻り売り圧力も強まりやすい位置関係にはある。一方で過熱感は台頭しておらず、押し目を形成する場面では引き続き買い意欲が強まりやすいと判断する。
◎アルパイン(6816)
同社の事業は高級自動車向けカーエレクトロニクス分野であり、需要回復に時間がかかっていたが、米国向けを中心に需要の回復感が出てきている。人件費を含む構造改革効果や調達コスト削減等も寄与しており、09年10-12月決算では5四半期ぶりの経常黒字へ転換した。なお、10年1-3月期の想定為替レートは1ドル=87円、1ユーロ=130円としている。対ドルでの円安進行が好感されるほか、対ユーロでは引き続き懸念を残しつつも、欧州ソブリンリスクの後退を受けて悪材料が一服しつつある。株価は1月25日高値1185円形成後に三角保ち合いを形成していたものの、2月19日高値1160円や3月11日高値1133円などを結ぶ上値抵抗ラインを突破し、保ち合いからの上放れが認識されつつある。1月25日高値1185円から2月8日安値976円までの下落波を保ち合い中心である1100円処から上乗せした目標値は1309円であり、PBR1倍水準(1327円)奪回へ向けた水準訂正が意識されてくる。
◎日本車輌製造(7102)
鉄道事業は新しい輸出産業として注目度が上がってきた。日立が英国高速鉄道で優先交渉権を得ており、6月の英国選挙後にも正式受注の見通しとなっている。世界には名だたるライバルが目白押しだが、日本の鉄道技術は安全性だけでなく、納期の正確さもセールスポイントになっている。これまでも、台湾新幹線や中国高速鉄道に実績はあるが、巨大ビジネスだけに、国を挙げての取組が必要だ。日本車輌製造は明治29年に鉄道車両の製造販売を目的に設立された老舗企業。新幹線車両の生産実績2000輌以上を誇り、現在ではJR東海の子会社となっている。そのJR東海が今年度設備投資計画で、N700系新幹線16編成を追加する事は好材料。7月開業予定の成田空港線では、京成電鉄向けに新型車両6編成(48両)全てを受注している。JR東海向けの売上は31.6%で、民鉄や海外にも展開しており、鉄道車両の受注残高は1129億円と豊富で、米国高速鉄道で新幹線方式受注なら、中心的存在になりそうだ。今後数年は過去最高利益を大幅に更新し、高原状態で推移する公算が大きい。今後鉄道関連ニュースに反応する場面も想定し、吹き値売りスタンスで中期投資。
◎壱番屋(7630)
雇用・所得環境が悪化し、個人消費が伸び悩むなど低迷し、売上高は▲3.6%となっている。CoCo壱番屋の客数は前年同期比▲4%だが、宅配や期間限定メニューを投入し単価を引き上げたり、ストアレベルマーケティングで各店舗の独自性を持たせる戦略に注力し、客単価+0.3%とデフレの中、価格戦略でしっかり結果を残している。壱番屋は利益率のレベルでは大きな変化はなく堅調。9%台の営業利益を稼ぎ出している高収益企業。株価も現在上昇トレンドを継続している。
◎イオンモール(8905)
メリルリンチ日本(ML)証券が同社株の投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、目標株価も2100円から2600円に引き上げたことを好感した買いが増勢となっている。同証券では、資産価値だけでなく、PERでも今期以降の利益成長を考慮すると割安感があると指摘している。株価は、11月20日安値1386円、3月4日安値1533円と二番底形成から出直り、8日付で三菱UFJ証券が同判断を「3」(中立)から「2」(やや強気)に格上げ、目標株価を1850円としたことを機に、上昇基調を強めていたが、前日30日に上値抵抗線である1月20日高値1921円を突破したことから、弾みがついた格好となっている。ただ、2000~2500円処は厚い壁となっており、目先目標達成感も出るところか。

◎第一生命(8750)の初値は公募価格14万円から大幅上昇の公算大
4月1日に東証1部に新規上場する第一生命<8750>のグレーマーケット(証券会社間の相対取引)での取引価格が上昇している。30日時点では、売り14万7000円、買い14万5000円の気配値だったが、きょう31日は売り買いともに気配値を切り上げ、売り14万8000円、買い14万6000円となっている。公募価格は14万円で上場初日の4月1日には初値は公募価格を上回って付く可能性が高くなってきた。市場関係者によれば、大型のIPO(新規公開)に際して利用されるグレーマーケットでの気配値と初値形成には相関性がある。過去、グレーマーケットを利用した大型上場は新生銀行とあおぞら銀行があるが、2004年に新規上場した新生銀行の場合、公募価格525円に対しグレーマーケットでの気配値は700円超。初値も公募価格を66%上回る872円となった。一方、2006年に新規上場したあおぞら銀行の場合は公募価格570円に対しグレーマーケットでの気配値は公募価格を下回る520~530円。結局、初値は公募割れの495円となった。この2例から、今回の第一生命の初値は公募価格14万円を大幅に上回る可能性が指摘されている。
◎キャノン(7751)
昨年来高値を更新しているソニーや東芝などハイテク株に比べ出遅れ感が目立つため、上昇余地は十二分にある。当面の目標株価は、08年8月以来の5000円台回復だ。25日の終値4185円前後で購入しても高パフォーマンスが得られよう。デジタル一眼レフカメラやコンパクトカメラが好調に推移している。今年に入り、撮影画質を高めた入門者向けデジタル一眼レフカメラやタッチパネルを搭載して直感的に操作できるビデオカメラの新商品も投入した。複写機やレーザープリンター、液晶用露光装置も順調に伸びている。このほか、欧州最大のプリンターメーカーのオセ社へのTOBが終了し、84%を取得した。欧州でのプリンター事業拡充の一環だが、完全子会社化を目指しているため、今後は市場で株式を買い集める。また、中国市場ではインクジェットプリンターのシェアトップを目標にしている。そして、新製品の投入や積極的な宣伝展開で販売拡大を図り、昨年は約100万台だったインクジェットプリンターの販売台数を今年は5割増、来年は2倍に掲げている。10年12月期の連結売上高は前期比7.5%増の3兆4500億円、営業利益は52%増の3300億円、経常利益は45%増の3200億円、純利益は52%増の2000億円と3期ぶりに大幅増益に転ずる見通し。アナリストは「グローバル展開が奏功し、11年12月期連結営業利益、純利益はともに10%前後の増益率は達成するだろう」と予想する。伸び率は鈍化するものの、収益回復基調を背景に株価は上昇トレンドをたどっていくだろう。
◎太陽誘電(6976)
米国株高に円相場が1ドル=93円前半に円安が進行と、外部環境が好転しているほか、この日は、クレディ・スイス(CS)証券が同社株の投資判断を「アウトパフォーム」(強気)継続で、目標株価を1540円から1650円に引き上げたことを好感した買いが入っている。株価は、2月10日安値1141円、3月1日安値1204円と下値を確認、8日付でゴールドマン・サックス証券が投資判断を「買い」継続で、目標株価を1700円、同社が手掛ける積層セラミック・コンデンサー(MLCC)について、2010年いっぱい需給が大きく緩む可能性は小さいと指摘したことや、外部環境が好転しつつあることを追い風として上昇基調が続いている。信用取組倍率0.56倍の好需給を支えに、1800円前後のフシまで押し目買い優位に上値追いとなることも想定されよう。
◎DOWA(5714)
通期連結業績予想の当期純利益は前回予想の50億円に据え置いたが、売上高3040億円(前回予想比9.4%増)、営業利益135億円(同22.7%増)、経常利益130億円(同30.0%増)に、それぞれ上方修正した。自動車・IT向けの需要が堅調に推移していること、また、金属価格も想定を上回って推移していることなどにより、売上高、営業利益、経常利益は前回予想を上回る見込み。一方、固定資産の減損処理等、体質強化策推進による特別損失を予定しているため、当期純利益は前回予想通りとなる見込み。
◎東芝(6502)
30日の大引け後、韓国で電気機関車関連の電気品100億円超を受注したと発表した。韓国の現代ロテム社と韓国鉄道公社向けにモーターなどの駆動システムや電源システムなどを受注、2011年5月から12年4月までに順次納入する予定とした。当社は1990年頃から韓国で電車向け電気品の受注を受けており、現在までに合計1000両分以上の電気品の納入実績があるという。30日の株価終値は488円(3円高)となり、小幅だが直近の戻り相場で高値を更新。リバウンド相場と醒めた見方をした場合でも、1月の高値547円から2月の安値408円まで下げた値幅139円との見合いで520円前後までの上値余地が開けている。ここ、鉄道関連で日立製作所 <6501>値戻しが目立つことから、出遅れ感が強まっていることも注目要因だ。
◎ナブテスコ(6268)
鉄道関連株かつロボット関連の思惑材料株として見直し人気が続いている。同社はドア開閉装置を手掛け鉄道関連株の一角にあり、世界各国の高速鉄道計画が相次ぐなか好人気となっている。加えて、産業用ロボット向け精密減速機を手掛けており、中国をはじめアジアの自動車、家電、食品など設備投資拡大が急となっており、ロボット市場が急成長中で関連受注が回復基調にある。今10年3月期まで2期連続大幅経常減益見通しにあるが、そ来11年3月期には大幅回復が予想されている。株価は、08年10月の上場来安値432円を基点にほぼ25週移動平均線沿いの上昇基調が続いており、戻り高値更新から一段上を目指す相場が期待できそうだ。
◎日本MDM(7600)
10年5月期第3四半期連結累計期間業績を発表した。第3四半期時点での、112%営業増益が買い安心感につながっているようだ。第3四半期連結累計期間業績は、売上高73億5100万円(前年同期比7.0%減)、営業利益7億6300万円(同112.7%増)、経常利益4億3800万円(同273.4%増)、四半期純損益23億9400万円の赤字(前年同期は1億7100万円の赤字)だった。営業利益は、自社製品売上高比率が前年同四半期33.1%から35.3%に増加したこと、及びたな卸資産評価損計上額が前年同四半期から大幅に改善されたため売上総利益が好転したこと等により、大幅営業増益となった。
◎椿本チエイン(6371)
クレディ・スイス(CS)証券が同社株の投資判断を「アウトパフォーム」(強気)継続で、目標株価を450円から530円に引き上げたことが好感された。同証券では、10年3月期営業利益は25億円から40億円(会社計画は35億円)、11年3月期は同65億円から70億円に増額した。株価は、2月10日安値358円、3月4日安値374円と下値を固め、5日移動平均線を下値支持線として上昇、目先は500円前後のフシを目指す展開か。
◎トピー工(7231)
26日に昨年10月14日以来、久々に200円台に乗せるなど出遅れ感から動意となっている。「全般相場に手詰まり感がみられるようになると動く習性がある。今回もPBRが0.6倍台と低いことも注目され水準訂正の動き」(中堅証券)。10年3月期は最終損益で赤字、配当も年2円(09年3月期年5円)へ減配する。足元の業績面は冴えないものの筆頭株主が新日本製鐵ということから安心感がある。しかも、自動車用ホイールの大手ということから最近の自動車業界の回復も明るい材料。昨年は5月15日に3月期決算を発表。今年も5月半ば頃の発表と予想され、その時点で11年3月期見通しが良い数字なら、出遅れ買いだけでなく業績見直し買いにつながる可能性はある。
◎東武鉄道(9001)
新東京タワー「東京スカイツリー」の塔体の高さが3月29日で東京タワーの333メートルを超え、ニュースなどで報じられて観光客が増えていることを期待する動きがある。スカイツリーは2月16日に300メートルを超えていた。株価は09年11月以降の下げ一巡もみあい相場でつけた高値522円(1月12日)を抜けばテクニカル面での大底が確認される。
◎ジェイテクト(6473)
UBS証券では投資判断「ニュートラル」据え置き、目標株価は1150円から1200円に引き上げており、買い手掛りとなっているようだ。同証券では、営業利益が10年3月期の0億円から11年3月期は340億円へ回復が顕著になる見通しとしている。営業利益を四半期で見ると、第10年3月期3四半期は日本精工 <6471>の54億円に対し同社40億円、第4四半期は日本精工85億円に対し同社102億円と逆転する可能性が高く、バリュエーション面で日本精工に比べて出遅れ感があるという。10年11月期第1四半期連結業績を発表した。第1四半期時点で、70%営業増益となっており、買い安心感につながっているようだ。売上高は33億7600万円(前年同四半期比38.2%増)、営業利益は4億2700万円(同70.0%増)、経常利益は3億2200万円(同181.7%増)、四半期純利益は1億9200万円(前年同四半期は4000万円の赤字)だった。ニッチ市場である賃貸中の中古マンション物件については、賃料収入が安定的かつ確実な収益源として寄与している。また、中古マンションの売却については、底堅い物件価格帯での取引に注力して不動産の価格変動リスクを抑えており、棚卸資産評価損の計上も一巡したことから、売却利益率も上昇した。

◎パナソニック(6752)
4月は、環境車用リチウムイオン電池の新工場が4月1日稼動を開始の予定であるほか、3D(3次元)立体映像テレビの発売も予定。市販用の3D映像テレビは国内初となる。株価は1月の高値1585円から2月下旬にかけて1228円まで下げたあとジリ高傾向となっており、下げ幅の約62%を回復。黄金分割比では居心地のいい水準に達したため小休止の可能性はあるが、2011年度の黒字化に期待する相場となっている。
◎3D関連銘柄一覧
6502東芝
6503三菱電機
6752パナソニック
6753シャープ
6758ソニー
3846エイチアイ
5208有沢製作所
6894パルステック工業
6925ウシオ電機
7732トプコン
6632JVC・ケンウッド・ホールディングス
4901富士フイルムホールディングス
8056日本ユニシス
2329東北新社
8031三井物産
4305アイ・エム・ジェイ  
◎チタン工業(4098)
本日11時30分に、国内初の大規模なチタン酸リチウム製造設備を設置すると発表したことが好感されているようだ。会社側は、同社が開発に成功したチタン酸リチウムは、環境対策やエネルギーの有効利用が社会的な課題となるなか、電気自動車や高性能電力貯蔵用のリチウムイオン2次電池の部材として、将来の大きな成長が見込まれるため、山口県宇部市の同社所有地に国内初の大規模なチタン酸リチウム製造設備の設置を決定したと発表している。本日の市場では、期末で循環物色もほぼ一巡するとの見方もある一方、好材料が浮上した個別株や来期の業績拡大期待の大きい銘柄に投資家の関心が相変わらず高いことも追い風となったようだ。
◎アルバック (6728)
三菱UFJ証券が31日付のサマリーで、韓国、中国向けの薄型ディスプレー装置受注拡大予想から、レーティングを従来の「3」から「2」に引き上げ、新たに12カ月内の目標株価を2780円に設定した。同証券の同社の薄型ディスプレー受注予想は、四半期ベースで10年6月期第3四半期(10年1-3月)が250億円、第4四半期(10年4-6月)は298億円、11年6月期第1四半期(10年7-9月)は300億円と高水準の推移が続くと予想。太陽電池製造装置の減速から、業績予想に変更はないものの、10年6月期の連結営業利益は、80億円(前期比2.29倍)と、会社側見通しを24億円上回っており、11年6月期の連結営業利益も120億円(同証券見込みの10年6月期比50%増)と一段の拡大を見込んでいる。

◎アスクル(2678)
3月度月次業績を発表、売上が前年同月比7.0%増(前年同月比で平日が1日多いため、稼動日修正後の伸張率が2.1%増と推定)となったことを好感した買いが入っている。株価は、17日に発表された2010年5月期第3四半期決算は営業利益が前年同期比15.0%減の50億1600万円と減益着地で悪材料を織り込み、1600円割れの下値水準から出直る動きを強め、上値抵抗線として意識される12月17日高値1780円を一時上回っており、信用取組倍率0.56倍の好需給を支えに、2000円大台を目指すことも想定されよう。

◎西松屋チェーン(7545)
14時30分の決算発表と増配を好感し、大引けにかけて一段上値を追った。前2月期の売上高は前期比1.1%増、経常利益が同0.4%増。今期の予想は売上高を6.1%増、経常利益を同10.0%増とした。2月期末の配当は従来の9円見込みを10円とした。
◎内田洋行(8057)
小学校の教科書検定で、記述内容が大幅に増えたことで、同社が手掛ける教材の需要が増加するとの思惑から買いを集めているようだ。今7月期は営業黒字転換予想。PBRは0.4倍台で買い安心感もあるという。
◎サムコ(6387)
いちよしが投資判断を新規に「A」とし、目標株価を2500円と設定したことが観測されている。LED関連装置を牽引役とした業績の成長ポテンシャルの高さを評価しているほか、ハブリッドカーの普及などを追い風としたパワー半導体の拡大が期待できると。
◎栗本鐵工所(5602)
鋳鉄管第二位。金属ナノ素材育成。
リストラ効果が出てきそうだ。
クラリオンの筋が介入したことを確認。
押し目注目。
◎相場格言
店頭に客があふれたら相場の転機

これは逆張り系の格言。上昇相場が続くと、普段は株に興味を示さなかった人達も「そんなに儲かるならやってみるか」と証券会社に押しかけるようになります。ここまでくると、相場は過熱状態にあるのは明らかで、だいたい上昇相場も終わりに近づいているものです。


気になったNews
◎FX業者の現金プレゼント
印刷する. 外国為替証拠金取引(FX)が広まってくるにつれて、業者間の競争も激化し、新規契約者への現金プレゼント攻勢が過熱気味になっています。大手業者では、500~1000円の現金やクオカードの贈呈が一般的ですが、知名度の低い新規参入業者ほど、プレゼントの中身も充実してくる傾向があります。FXは手数料が低く、業者にとって薄利多売のビジネスとなるため、とにかく顧客数を伸ばすことが急務なのです。クリック証券では、口座開設から30日以内にドルやユーロなど合計50万単位を取引すれば現金5000円がバックされます。DMMドットコム証券では、10万円以上を入金し、200万通貨分の新規取引をすれば1万円が戻ります。ネット株取引では、大手のマネックス証券がオリックス証券との合併記念として4月末まで、5000円贈呈キャンペーンを実施中。FXを取り扱っているだけでなく、以前、口座開設者向けに年利1.2%の好条件で1年物社債を販売しました。再び同種の社債を発行する可能性もあり、口座を開いておくと思わぬメリットもありそうです。
◎日本人の死刑執行、中国通告 麻薬密輸罪、4月5日にも
中国当局は29日、麻薬密輸罪で中国で死刑判決が確定した日本人の赤野光信(あかの・みつのぶ)死刑囚(65)の刑を執行する方針を瀋陽の日本総領事館に通告した。「7日後に執行する」としており、4月5日にも執行される可能性が大きい。執行されれば、1972年の日中国交正常化後、日本人で初めてとなる。赤野死刑囚は、2006年9月に遼寧省大連の空港から日本へ覚せい剤約2.5キロを密輸しようとした罪で、08年に同省の大連市中級人民法院(地裁)で死刑判決を言い渡され、控訴したが同省高級人民法院(高裁)が昨年4月に棄却、判決が確定していた。中国の刑法は、50グラム以上の麻薬や覚せい剤を密輸した場合、懲役15年以上か無期懲役、死刑と定めている。中国外務省の秦剛・副報道局長は30日の会見で「麻薬犯罪は国際社会が認める極めて重い犯罪行為だ」と述べ、法執行の正当性を強調した。死刑が多いとする国際社会の批判に配慮し、外国人の死刑に慎重に対応してきた中国当局だが、昨年12月、同罪に問われた英国人死刑囚の刑を執行し、姿勢の変化が読み取れる。英政府も精神疾患があるとして執行停止を求めたが、最高人民法院(最高裁)は承認。「異なる国籍の犯罪者もすべて法律に基づき処理すべきだ」として、外国人にも中国の基準を厳格に適用する姿勢を示した。急速な経済発展で国際的な影響力が増し、中国当局は海外からの批判に妥協しない姿勢を強めているほか、法治制度の強化に取り組む中、法制面で外国人を区別することへの国内の不満にも配慮し始めているとみられる。今回の日本側への通告は、英国人の死刑執行から3カ月後。中国には赤野死刑囚以外に、いずれも同省大連から覚せい剤を日本に密輸しようとした麻薬密輸罪で、07年に死刑判決が確定している日本人が3人おり、同省内に服役中だ。今回の執行通告により、この3人への影響は必至だ。一方、日本では昨年7月に中国人死刑囚の刑が執行され、今月26日には、中国当局が中国製ギョーザ中毒事件の容疑者拘束を公表したばかり。日本側が反対しづらいタイミングを狙った通告との見方も一部に出ている。


過去掲載銘柄に関する情報
◎AOCHD(5017)
シティグループ証券が同社株の投資判断を「2H」(中立・高リスク)から「1H」(強気・高リスク)に格上げ、目標株価を730円を継続したことを好感した買いが増勢となっている。同証券では、原油の重軽格差、石油開発の利益などが株価ドライバーと指摘し、11年3月期以降に開発利益の改善を見込むと予想している。株価は、12月16日安値461円、2月26日安値478円と500円割れ水準で下値を確認し上昇、上値抵抗線として意識される1月26日高値585円を突破しており、信用取組倍率0.85倍の好需給を支えに、目先650円前後のフシまで上値を伸ばす可能性も高まろう。
◎東京製鐵(5423)
クレディ・スイス(CS)証券が同社株の投資判断を「ニュートラル」(中立)から「アウトパフォーム」(強気)に格上げ、目標株価も1000円から1440円に引き上げたことを好感した買いが増勢となっている。同証券では、3月が熱延帯鋼のスプレッドの大底になる可能性が高いことを示したうえで、建材需要の回復が期待されるとしている。株価は、2月1日安値880円、2月23日安値894円と下値確認し、5日移動平均線を下値支持線として上昇しており、信用取組倍率0.43倍の好需給をテコに目先1200円処のフシ挑戦となりそうだ。
◎商船三井(9104)
10年3月期連結利益予想を上方修正。営業利益予想は130億円から180億円(前期は1972億1100万円の黒字)に、純利益予想は50億円から100億円(同1269億8700万円の黒字)に引き上げた。ドライバルク市況が想定よりも堅調に推移しているほか、石油需要の回復などによりタンカー市況が徐々に改善。世界的な景気の回復に伴い自動車荷動きが改善傾向にあるほか、コンテナ貨物の荷動き改善と運賃修復が進んでいるとしている。
◎ニトリ(9843)
昨日の決算発表で目先好材料出尽くし。2010年2月期の連結決算は、値下げ商品の拡充により客数が大幅に伸び、売上高は2861.86億円(前期比17.3%増)、営業利益は464.56億円(同40.4%増)、連結純利益は前の期比30%増の238億円と11期連続で過去最高となった。2011年2月通期連結業績は、売上高3158億円、営業利益493億円、経常利益506億円、純利益288億円見通しで経営基盤強化の為、積極的な新規出店を行う。「追加値下げ」継続実施で知名度向上、既存店も好調。値下げと同時に業績予想も上方修正しており、今期も同様の動きは期待できそうだ。
◎ヤマダ電機(9831)
昨年来の高値を更新。薄型テレビのエコポイント見直しを前にしたセールと駆け込み需要が絶好調と伝えられたことが好感されている。薄型テレビのエコポイント対象機種が4月1日から減少するのを控え、各社が展開した「今のうち」的なセールが好調で、前年同時期の3~4倍の売れ行きと伝えられた。4月からは売れ行き鈍化の懸念があるものの、消費者の財布は意外に暖まっているとの見方が出ている。