◎日経平均  10404.33(+ 33.24)△0.32%
◎TOPIX   915.68(+  2.86)△0.31%
◎売買高概算  20億6442万株
◎売買代金概算  1兆5293億円
◎時価総額  306兆5302億円
◎値上り銘柄数 1140  ◎(昨年来)新高値 24
◎値下り銘柄数  390  ◎(昨年来)新安値  5
◎変わらず    148
◎騰落レシオ(25日)94.4%
◎サイコロ(日経平均)5勝7敗 ●●○●●●●○●○○○ 41.7%
◎カイリ率(日経平均)25日線比-1.98% 75日線比+2.29%
◎為替  (対ドル) 90.39  (対ユーロ)126.31


「価格調整ではなく、日柄調整」
上昇に転じている5日線がサポートとしてキープしたほか、ボリンジャーバンドのマイナス1σレベルでの底堅さも意識されており、こう着ながらもリバウンドの流れは継続。一目均衡表の転換線、基準線などを目先的な抵抗線となるが、中心線(25日)が位置する10600円レベルをターゲットとしたトレンドとなる。ただ、遅行スパンは下方転換シグナル発生をほぼ確実にしている。そのためサポートを確認しに行く流れも強まりやすいため、いったんは雲上限辺りへの調整もありそうだ。今日時点の雲上限は10050円だが、この雲は上昇しているため、5営業日後に10200円、さらに5営業日後には10520円辺りまで切り上がる。マイナス1σレベルでの横ばいを続けるようならば、価格調整ではなく、日柄調整で終了することもあろう。押し目買いスタンスを継続したいところである。


市況概況
米国市場が連日の大幅高となったことや引き続き為替が落ち着いていることなどから、買い先行となりました。ただ、指数に影響の大きな銘柄に大きく値を崩すものも見られ、指数の上値は重く、寄り付きからの買いが一巡した後は上値が重く、上値の重さを嫌気した売りもあって一時軟調となる場面も見られました。その後も戻り歩調となる場面もあったのですが、引き続き上値の重い展開で指数は小動きとなりました。後場も昼の時間帯や取引時間中に発表になった決算動向に反応しながら堅調な地合いとなりました。好決算に反応し堅調となるものが多かったのですが、主力銘柄などには織り込み済みということで手仕舞い売りに押されるものも散見され、指数は小動きとなりました。値上り銘柄数は1,200銘柄を超える状況が続いていたのですが、指数の動きは鈍く方向感のない展開でした。引けを意識する時間帯でも利益確定売りをこなしながら堅調な地合いが続き、最後まで方向感は出ませんでしたが堅調となりました。小型銘柄は利益確定売りや決算に失望する売りなどに押されるものが多く、軟調な地合いとなりました。東証マザーズ指数は大幅下落、日経ジャスダック平均も小幅安となりました。先物もまとまった売り買いは散発的に見られ、その都度指数が振らされる場面もあったのですが、個別の銘柄は買いたいが指数は売りたいというような強弱感が対立する格好で大きく方向感を出すこともありませんでした。好決算を発表するものが多く、決算動向に素直に反応しているような銘柄が多かったような気がしましたが、指数の反応はあまり芳しいものではありませんでした。日経平均もTOPIXも一握りの指数に影響の大きな銘柄が軟調となっていたことで動きが鈍かったのですが、実態とすれば堅調な地合いということになるのではないかと思います。まだまだ米金融規制の問題や日本の政治の問題、中国など新興国の金融引き締めに欧州の金融不安は解決したわけでもなく、業績面での後押しで底堅さは見られるものの上値の重い展開は指数の動きに関係ないところでも続きそうです。
市場の声として
「決算発表で上方修正を発表しても材料出尽くしとなり売られる銘柄が増えている。サプライズがなければ決算では動きにくい相場になりつつある。5日発表の1月米雇用統計待ちとなりそうだ」
「日本株のアンダーウエートが解消されつつあるタイミングでトヨタの問題が大きくなり、海外勢は様子見ムードを強めている」
「トヨタのリコール問題が相場の重しとなっている。リコール費用は引き当て可能だが、生産停止を受けた売り上げ減やイメージの悪化などのマイナスの影響については、これから織り込まなければならない。一方、中期的には3月末までレパトリ(資金の本国への還流)などで円高警戒感が強まりやすい時期になる。対ドルだけでなく、ユーロ安も気掛かりだ」
「決算を発表した個別銘柄が物色される一本釣り相場となっている。トヨタ自動車関連のデンソーが前引け後に発表した2010年3月期業績予想の上方修正で後場買われた後、急速に上げ幅を縮小しているほか、アイシン精機)は決算発表で売られている。半面、東洋ゴム工業は急伸するなど、二極分化している」
「コア銘柄の伸び悩みが目立っている。海外投資家の動きが鈍っているため、いったん利益を確定する売りが出ているようだ。1万1000円どころが重いという印象になると調整が長引く可能性もある。米運輸長官がトヨタ自動車のリコール問題は終わっていないとの認識を示したことも投資マインドを冷ました」
「トヨタとファーストリテイリングの2銘柄で、30円程度の押し下げになっている。この2銘柄を除くと、全体的にしっかりしている。企業決算と為替を見ながらという姿勢に変わりはない半面、あす4日に発表されるトヨタの決算での今回のリコール問題についての言及に対する警戒感もある」などなどの見解が聞かれた。


日経225先物 展望
3日の米国経済指標は1月米ISM非製造業景況感指数、1月のADP全米雇用などが予定されている。
テクニカル的にはRSI(14D)36.26%、STC(SLOW)27.56%。
上値の目処として25日移動平均10,610円、一目均衡・転換線10,475円、
下値の目途として5日移動平均 10,312円、心理的節目10,000円が意識されるであろう。


日経平均はボリンジャーバンド「-1σ」のライン(10407円)を越えきれませんでしたが、先物はクリアして終了。
さて、どちらが正しいか?明日、答えは出るでしょう。
本日の高値を抑えた一目・転換線(10448円)は、明日には10347円に低下して来ますので、普通にしていれば(シカゴがコケなければ)自然に上抜けることが出来ますし、10400円台の壁がひとつ消えることになります。
とはいえ、ここから先も小刻みな壁は立ちふさがっていますので、ほふく前進の戻り探り。
戻しているうちが華の戻り相場。
「一夜明けると・・」という危険を伴いますので、意思決定は機敏に。
とりあえず、昨日の収穫は、イレギュラー安解消のボリ「-2σ」回復と、「上げ」に必要にして最低条件の5日線回復、今日の収穫は、ダメダメ相場のボリ「-1σ~-2σ」のゾーンを先物が卒業して、10500円に目線が移ってきたこと。


本日の日本市場は米株高支援も値がさ株安が重荷となり小幅続伸
前場は2日の米株高に加え、米経済再生諮問会議のボルカー議長が新金融規制に関する公聴会で新たに踏み込んだ発言をしなかったことが支援要因になった。然し、上げ幅は最大で65円程度にとどまり、1月の国内既存店売上高が減少したファストリのほか、昨年4~12月期に増収増益となったソフトバンクが朝高後に失速。こうした日経平均への影響が大きい値がさ株の一角の下落が重荷になった状態。後場はプラス圏の推移ながら方向感の無い展開。値幅は1万0400円を挟み、40円程度にとどまっている。企業の昨年10~12月期決算の発表が相次ぐなか、個別銘柄の選別物色は見られるものの、相場全体をけん引するには至っていない。前日の米株式相場が大幅高だった割には日本株の上値の重さが目立ち、1万0500円に近い水準での戻り売りを誘う展開で次の材料を待つ展開。


円高傾向は暫くは一服か
昨日も掲載したが1/8安値93円77銭、1/2191円67銭を結ぶ下値指示線を下抜き、暫くは円高一服の方向。これでトヨタ問題が相場に織り込まれれば輸出関連を中心に戻り相場となる。


気になる裁定買い残の処理
昨年2月2538億円まで減少していた裁定買い残金額が1/22現在には2兆3049億円と10倍近く膨張。特に12月から8000億円も増えてこの処理がどうなるか問題。買ったものはロールオーバーか売り決済される。


マーケット関連News
◎「1カ月10%」の法則
野村証券 エクイティ・マーケットアナリスト 佐藤雅彦氏
現在の相場は、昨年3月の日経平均安値を起点とした「大勢上昇波動のなかの調整局面」と位置付けている。昨年来の調整過程を振り返ると、(1)6月12日から7月13日まで約1カ月で「▼11・0%」(ザラバベース、以下同)(2)8月31日から10月6日まで1カ月強で「▼10・6%」(3)10月26日から11月27日まで約1カ月で「▼12・7%」――と、いずれも日柄で約1カ月、値幅で約10%が調整完了の目安となっている。今回の波動に当てはめれば、1月15日高値1万982円(ザラバ、終値とも)に対して、最悪でも、1カ月後の「2月中旬」、10%安の「9900円程度」が調整一巡のめどになる。ちなみに、9900円どころには、200日移動平均線も位置する。200日線割れを機に、下げ止まりから反発に転じた11月下旬の展開を踏まえれば、強力な下値支持ラインとなりそうだ。ここからの下値余地はさほど大きくはなく、また、仮に過去と同様、2月中旬頃まで日柄調整が尾を引くとするなら、ここ2週間が絶好の押し目買いチャンス、ということになる。
それでは、ここで何を買えばいいのか?
調整局面にあっては、食品、薬品、情報通信などディフェンシブ色の強い銘柄が買われたが、むしろ大きく売られたセクター。機械、鉄鋼、商社に海運も含め、景気敏感業種に反騰狙いの芽が膨らんでいるといえよう。一方で、こうした循環面だけではなく、水面下では、もっと大きな潮流の変化もうかがえる。例えば、ここ2、3年好対照をなしてきたのが、ファーストリテイリング(9883)の強調と、任天堂(7974)の低迷ぶり。ところが、最近は、好環境を目いっぱい織り込んだファストリが少々の材料では買われなくなる一方、とことん売られた任天堂の底堅さが目立ってきた。デフレ下の「ダメな日本」で買われた銘柄と、売られ過ぎた銘柄の“主役交替”が起こりつつあり、ほかにも、日立(6501)やマツダ(7261)、メガバンク各社などにも、復活機運が生じてきそうだ。
◎スーパーボウル理論って何だ?
NFCチーム優勝年の相場は高い
オバマ大統領もセインツ応援
洋の東西を問わず、人智を超えた相場の世界では、各種ジンクスを好む向きも多いようだ。例えば日本では、ここ十数年の傾向から、「日本シリーズでパ・リーグ球団が勝つと、その後、年末までの相場が高い(年間の相場も高い)」といった“アノマリー”が秋口になると話題を集めるが、米国においても、ちょうど似たようなものがある。残念ながら、このところ「逆の目」に出るケースが続いて、現地での注目度はやや下がってしまったが、数年前まで米国市場関係者の高い関心を集めてきたのが、「スーパーボウル・セオリー(理論)」。つまり、2月に開催されるアメフト全米一決定戦、「スーパーボウル」で、NFC所属チームが勝つとその年のニューヨークダウが高くなり、AFCチームが勝つと安くなる、といったたわいのないものだ。といっても、通算成績だけを見ると、なかなかの連動性を見せている。もちろん1990年代にかけての一貫右肩上がり相場の時期に、NFCチームの連覇が重なったという事情はあるが、ともあれ、NFC(前身のNFL含む)チーム優勝年のニューヨークダウは「18勝4敗(勝率81.8%)」で、平均騰落率も「△12.1%」。これに対し、AFC(同AFL含む)チーム優勝年は、「12勝9敗(同57.1%)」で、平均騰落率「2.76%」にすぎない。今年のスーパーボウルは今週末7日(日本時間8日午前中)に米マイアミで開催され、NFC南地区1位の「ニューオーリンズ・セインツ」と、AFC南地区1位の「インディアナポリス・コルツ」との間で争われる。ニューオーリンズの大型ハリケーン被害から5年。米オバマ大統領は前週、セインツを応援すると表明したが、株式市場関係者としても、NFC所属チームである、初出場のセインツを応援したいところか…。
◎09年10~12月期GDP、前期比プラス予想
2009年10~12月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は、前期比プラスとなりそうだ。民間シンクタンク14社の予測平均は前期比1.0%増、年率換算で4.2%増。4~6月期から3四半期連続のプラス成長で、7~9月期の0.3%増(年率1.3%増)を上回る高い成長率となる可能性がある。政府の景気対策と輸出が頼みだが、景気が再び悪化する「二番底」の懸念は薄れつつある。GDP全体の5割超を占める個人消費は、政府の景気対策で自動車や薄型テレビの販売が好調。3期連続で前期を上回る。輸出は中国向けに加えて欧米向けも回復し、3期連続の前期比プラス。公共事業は前期比マイナスが続く見通しだが、今後は09年度第2次補正予算で地方向け事業が追加された効果も出そうだ。企業の設備投資は08年1~3月期以来、7期ぶりに前期比プラスとの予測もある。ただ、09年7~9月期のGDPでは1次速報でのプラスから、統計データが追加された2次速報でマイナスに修正された。「企業の設備投資意欲はまだ低く、マイナス修正の可能性もある」(エコノミスト)との見方が根強い。


株式関連News
◎DeNA ゲームで再成長を確認
開放化効果にも期待感
ディー・エヌ・エー(2432)
が、2日に一時ストップ高で昨年来高値を更新。約1年半ぶりの60万円台乗せから、更に上値を伸ばそうとしている。1日発表の今3月期第3・四半期(2009年4―12月)決算では、足元事業が市場の想定以上に急回復、新たな成長戦略も実っていることが確認され、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)関連人気が再び着火した。ここまで9カ月間の累計業績を見ると、売上高で前年同期比7%増、営業利益で同2%減と、パッとしない。上期の不振が尾を引いたが、ただ、10―12月に入ると、売上高、営業利益共に四半期ベースでの過去最高記録を更新するほど、劇的に業況が変化。同社の南場智子社長は「非常に充実した3カ月間だった」と振り返った。アバター課金の低迷などで、売上高が伸び悩んでいた主力事業の「モバゲータウン」は、10月から投入した自社開発の「ソーシャルゲーム」の大ヒットで再び高成長路線へ回帰した。ソーシャルゲームとは、利用者同士がゲームを通じて交流を深めていくタイプのゲーム。無料提供が前提だが、より深くゲームを楽しむために不可欠な重要アイテムなどを、有料で提供することで運営企業は収入を得る。基本的にゲームに終わりがなく、友人・知人を巻き込んでのプレー形態になるため、利用者の歩留まりがよく、また、一度ヒットしたゲームは定期的な機能拡張や仕様変更だけで、陳腐化しにくいことから長寿命の“稼ぎ頭”になりやすい。利用者が協力して世界の財宝を集める「怪盗ロワイヤル」や、利用者間の交流で自分のホシ(領地)に文明を育てる「ホシツク」などがヒットしたモバゲー関連の売上高は、3カ月間だけで68億円(前年同期比約1・5倍)に急増。サイト閲覧数も上期は200億程度で安定推移していたものが、10、11月と月を追って伸び12月には月間380億ページビュー以上に急増した。「とんでもない成長」(南場社長)を呼び込んだのは、新作ゲーム投入後「新規会員が増えたことに加え、活動が不活発だった会員の利用率が再び活発化する現象が起こった」(同)ことが大きい。これに自信を深めた同社では、ゲームによる課金収入を新たな事業の柱に据える戦略を示した。既に、競合の「mixiアプリ」にゲーム開発業者の一員として参入して収益機会を増やす一方、自ら運営するモバゲーをmixiアプリのように他社へ開放(2月から段階的実施)して、新たな利用者の流入増加を促す方策に打って出た。「(モバゲーとmixiアプリ向けを含めた)ゲーム関連の売上高は第4・四半期(10年1―3月)にさらに伸びる。事業の営業利益率も向上するだろう」(同)との見通しを示した同社の業績成長スピードは、ここからさらに加速する見込み。業績絶頂期には最高値で88万2000円(07年12月6日、株式分割考慮済み)まであった株価だが、今現在まさに“第二次成長期”に突入しようとしている段階で、どこまで上値を伸ばせるか注目される。
◎LEDテレビはもう古い!?
3D関連相場、プロはこう読む
東海東京調査センター 廣瀬治氏に聞く
立体的に映像を表現できる3D(3次元)対応テレビが、ソニー(6758)やパナソニック(6752)といった国内メーカーから相次いで発売されるとあって、「2010年は3Dテレビ元年」との声が日増しに高まってきている。3Dへの注目度は、昨年10月に開催された「CEATEC(シーテック)ジャパン 2009」(千葉・幕張メッセ)、年明けの「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」(米ラスベガス)の両家電見本市で“主役”の扱いを受けて高まっていたところに、3D映像が話題の米SF映画「アバター」が全世界興行収入で歴代1位となり、“社会現象”ともいえるほどに急上昇。1月25日付で「3Dテレビ元年、日系AV機器メーカー復権の年に」と題する3Dテレビのレポートを執筆した東海東京調査センターのシニアアナリスト、廣瀬治氏に話を聞いた。
「普及が早まる可能性」
――3Dテレビが注目された背景は?
「3DテレビはLED(発光ダイオード)テレビで出遅れた日系メーカーが世界のテレビ市場で巻き返しを図る起爆剤としての役割を担っている。昨年は韓国のサムスン電子が『LEDテレビ』という1つのカテゴリーを作り、米国市場を席巻した。LEDテレビを世界で最初に出したのはソニーだっただけに、商業化で負ける悔しい結果となった」
――3Dテレビ強化の位置付けは?
「それは(商業化で負けてしまった)LEDテレビの次を出すことにある。3DテレビはLEDテレビの上をいく技術で、LEDテレビをボリュームゾーンに持っていった後に、最高級モデルの位置付けで3Dテレビがくると思う。ブランドに対する先進性をアピールする武器となる。3Dテレビは今年大きく売れるというわけではないだろう。やはり今年は各社ともLEDテレビでシェアを取ることが目先一番の課題だ」
――本格普及はまだ先ということか?
「米調査会社によると、世界の3Dテレビ市場は2009年の20万台程度から18年に6400万台(170億ドル)に、携帯電話端末やパソコンなどテレビ以外も含めた3D対応ディスプレー市場は08年の70万台(9億200万ドル)から18年に1億9600万台(220億ドル)に達すると予測している。薄型テレビでは18年に3割くらいを占めるにすぎない。少しずつ普及していくのだろう。ただ、アバターなど映画の影響により、普及が早まる可能性はある」
「有機ELへの橋渡し」
――3Dテレビの登場で技術的にはどう変わるのか?
「3D用パネルのコア技術は、<1>高速駆動技術<2>二重像低減技術<3>高速画像処理技術――だ。ただ、今年出すモデルのハードとしてのハードルはあまり高くないのかもしれない。ソニーでは、ゲーム機『プレイステーション3(PS3)』でソフトウエアをバージョンアップして3D対応すれば使えるようなことを言っている。ゲームをやる人は新技術に対する抵抗が少なく、その点ではソニーはパナソニックにはない良いポジションにいるともいえる。一方、パナソニックはプラズマディスプレーパネル(PDP)で3Dテレビを出すが、プラズマは3Dでの動画特性があるという。プラズマは自発光パネルであるため、液晶パネルに比べて高速駆動技術などのコア技術で優位性がある」
「また、3Dテレビになることで、<1>大型パネルのボリュームゾーンを引き上げる<2>次の技術、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)への橋渡しが期待される。<1>は3D映画を家庭用のブルーレイディスク(BD)で観る流れとなれば、映画鑑賞に適している大型画面に対するニーズも出てくる。ニーズを掘り起こすことは高付加価値モデルに強い日系メーカーにとって追い風だ。<2>は3Dがプラズマテレビのポジションを上げる材料となり得る。また、液晶テレビにおいても、3Dで自発光パネルに対するニーズが高まり、有機ELテレビにバトンタッチする1つのきっかけとなるかもしれない」
――3Dテレビの規格はどうなりそうか?
「『メガネ方式』と『裸眼式』に大別され、メガネ方式は『アクティブタイプ』と『パッシブタイプ』に分けられるなど、方式は多様にある。現在、フルHD対応の3D映像用には『アクティブシャッター方式メガネ』と『フレームシーケンシャル方式対応ディスプレー』が現実的に最良の組み合わせと言え、ソニーやパナソニックがCESで出展したものや発売する商品がこれを採用している。両社が市場立ち上げ期に先駆けて投入するのは、自社方式を認知させ、デファクトスタンダード(事実上の業界標準)を取りたいという思惑がある。各社が『元年』と位置付けているのはこのことからだろう」
――3Dテレビの関連銘柄は?
「まずはパナソニック。プラズマの優位性を打ち出せれば、テレビ事業を再生させるドライバーとなり得る。また、ソニーにもいえるが、関連商品分野が幅広く、商品的なシナジーが追求できる。主役の2大メーカーのほかに、3D関連企業としては、高速画像処理LSI(大規模集積回路)で高実績を持つザインエレクトロニクス(6769・JQ)や、Xpolフィルム(3Dディスプレー用光学フィルター)を手掛ける有沢製作所(5208)が挙げられる」
「あとは市販前とあって推定の域だが、3D対応規格HDMIコネクターの関連として最先端製品を手掛けている日本航空電子工業(6807)とヒロセ電機(6806)。航空電子はソニー向けで実績があり、HDMIで同業と比べて先進性がある。ほかでは、3Dテレビはアクティブメガネと同期を取る必要があり、そのための無線モジュールなどトランスミッター関連部品では、アルプス電気(6770)、ローム(6963)、ミツミ電機(6767)、SMK(6798)などに注目だろう」
◎東洋ゴム工業が13時に通期予想の増額・復配を発表、一気に上値を追う
東洋ゴム工業 <5105>が13時に四半期決算と通期予想の増額・復配を発表。株価は直前の価格から一気に9%強の急伸となり175円(23円高)まで上げた。今3月期の新たな連結業績予想は、営業利益が71億円(従来は50億円)、経常利益が72億円(同47億円)、純利益が29億円(同10億円)。期末配当は従来未定だったが3円とし、08年3月期以来2期ぶりの復配とした。
◎Uアローズが昨年来高値更新、1月既存店売上高の前年同月比6.2%増を好感
10年1月の既存店売上高が前年同月比6.2%の増収となり、好感された。同月は秋冬物商品のセールが好調に推移したほか、インターネット通販部門が同58.7%と大幅な増収を記録。ネット通販部門は、おもにスタートトゥデイ <3092、株価 - チャート - 企業概要> が運営する通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」に店舗を展開している。Uアローズによれば「ゾゾタウンでの売上だけで、1月の既存店増収率が5.6ポイント押し上げられた」(IR担当者)としている。スタートトゥが09年12月中旬から放映しているテレビコマーシャルの効果もあったもよう。Uアローズのネット通販部門の収入は、11年3月期にも連結売上高の1割を超える見通しだ。
◎三菱電が買われる、第3四半期決算を好感し、証券各社は業績予想を上方修正
10年3月期第3四半期決算を発表。第3四半期(09年10-12月)の営業利益は、産業メカトロニクス部門、情報通信システム部門が前年同期比で増益となったことなどから、386億4000万円(前年同期比9.9%増)となった。第3四半期(09年4-12月)までの連結営業利益は前年同期比67.3%減の543億3700万円。通期業績予想は従来予想を変えていない。連結営業利益予想は600億円(前期比57.1%減)で、第3四半期累計業績の通期予想に対する進ちょく率は90.6%。主力の産業メカトロニクス部門の改善に対する、証券各社の高評価が相次いでいる。メリルリンチ日本証券では2日付で、投資判断「買い」、目標株価950円を継続。10年3月期連結営業利益予想を859億円から998億円へ引き上げた。第4四半期に業績が大きく変調するリスク要因は見当たらず、通期業績が上方修正となる可能性が非常に高いと予想。また、今後の設備投資回復期において、産業メカトロニクス部門が増益をけん引する可能性が一層高まったとしている。UBS証券では2日付で、投資判断「Buy」(買い)、目標株価800円を継続。同証券も10年3月期連結営業利益が会社計画を上ブレる可能性が大きいと予想し、連結営業利益予想を600億円から800億円へ引き上げた。三菱UFJ証券も3日付で、投資判断「2」(やや強気)を継続して、目標株価を790円から825円へ引き上げた。産業メカトロニクス部門の改善を背景に、10年3月期連結営業利益予想を900億円から1000億円へ、11年3月期は1380億円から1530億円へ、12年3月期は1860億円から2000億円へ引き上げた。
◎TDKの申告漏れ、処分大半取り消しに 110億円が還付
電子機器メーカー大手TDK(東京都中央区)が海外子会社との取引をめぐる「移転価格税制」に基づき、2005年に東京国税局から約213億円の申告漏れを指摘されていた問題で、国税不服審判所が約141億円の処分を取り消したことが2日、分かった。地方税などを含め約120億円を追徴課税されており、うち約94億円が還付されるという。07年6月にも約30億円分が取り消され約16億円が還付されており、同社が指摘を受けた申告漏れ額の大半が取り消されたことになり、還付額は計約110億円に上る。同社が2日、公表した。
◎NEC、保有する日電硝株約6482万株を売却
NEC<6701.T>は3日、同社が保有する日本電気硝子<5214>株6482万8000株を売却したと発表した。売却益(特別利益)は連結ベースで約200億円。売却先は大和証券キャピタル・マーケッツ。市場外取引で売却した。大和証券キャピタル・マーケッツは、機関投資家を中心に転売を予定している。今回の売却に伴い、NECおよび連結子会社の日本電気硝子に対する議決権比率は11.3%となり、NECの持分法適用関連会社ではなくなった。
◎武田の09年4―12月は48%営業増益、通期見通しは据え置き
武田薬品工業<4502>は3日、2009年4―12月の連結営業利益が前年同期比48.5%増の3562億円になったと発表した。通期予想に対する進ちょく率は90.1%。前年同期の通期実績に対する割合は78.2%だった。売上高は、1兆1279億円(前年同期比6.2%減)となった。多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」などの伸長に加え、TAP社やミレニアム社が連結業績にフルに寄与するなどのプラス要因があったものの、為替円高による608億円のマイナス影響を吸収できなかった。ただ、前年同期に計上していたTAP社とミレニアム社の子会社化に伴うインプロセスR&D費がなくなったことから、利益面では大幅な増益となっている。2010年3月期の連結営業利益予想は前年比28.9%増の3950億円で据え置いた。トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト18人の予測平均値4070億円を2.9%下回っている。年間平均の想定為替レートは、1ドル=93円、1ユーロ=132円と見込んでいる。
◎東洋鋼鈑 経常利益11.00億増額 市場予想を上回る
東洋鋼鈑<5453>は、22年03月期通期業績見通しを売上高27.00億円増の1059.00億円、経常利益11.00億円増の31.00億円、当期純利益6.00億円増の19.00億円に修正すると発表した。市場予想はIFISコンセンサスで通期経常利益15.00 億円だった。後半需要が電気電子部品用材料や磁気ディスク基盤材料が増加した為などとしている。
◎東レが高い、営業利益増額を受け
同社が前日に2010年3月期業績の上方修正を発表したことが手がかり。連結営業利益は従来予想を150億円上回る400億円(前期比11%増)となる見通し。従来の減益予想から一転、2ケタ増益予想となっている。徹底的なコスト削減や拡販により、全事業セグメントで前回予想を上回る見込みとしている。クレディ・スイス証券では同社株の投資判断を「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」に引き上げている。リポートでは会社側の新業績予想はポジティブだとしている。その中で「要因は情報電子材料の収益改善や繊維、プラスチックケミカルの需要回復および炭素繊維の赤字縮小」などとしていた。

◎エルピーダメモリ 6665 SIAの調査結果で先高期待が強まり買いが入った
2009年12月の売上高は前年同月比29%増の224億ドルと2カ月連続で前年実績を上回ったことに加え、09年通期売上高は前年比9%減の2,263億ドルとなった。ただ、SIAの前回予測値2,197億ドルよりも減少幅が軽微に済んだため、改めて半導体業界の収益改善への期待感が高まっている。一目均衡表の雲は1,200円付近で水平方向に流れていたが買いが強まり上縁が高値1,697円まで跳ねている。取引は買いが入っても1,400円のレジスタンスがあり、突破できなかったが年末に突破後、買いが続き1,800円越えまで値を戻した。年明け後は売りに押されて1,472円までボトムを崩していた。目先、雲の括れに向かう売りの流れの中での反発であり、このまま買いが続けば1,630円付近まで値を戻す見込み。ただ、もう少し底値を確認する動きが続くとすれば1,380円付近まで崩されるかもしれない。

◎ツガミ、鬼怒川ゴムに特定筋介入が兜町地場で話題に
ツガミ<6101>が年初来高値を更新、後場高い場面では一時368円まで買い込まれる場面もあった。設備投資の機械株として手掛けやすい低位株で人気が続いている。兜町地場筋によると、先週から主力銘柄に売りが出る一方、かつて大物仕手筋として名を馳せた人物が相場を手掛けた銘柄が賑わっていることが話題の中心になっている。兼松日産農林<7961>、ルック<8029>、石川製作所<6208>、ツガミ<6101>、鬼怒川ゴム<5196>など、関連銘柄が動意づき、過去の大相場を知っている投資家には懐かしい銘柄の復活で、関連銘柄物色が外務員の間で注目されているようだ。あるマーケット関係者からは、信用取り組みやファンダメンタルズからツガミと鬼怒川ゴムが本命ではないか?という情報も兜町地場で流れていると話が聞かれた。
◎9437 NTTドコモ 
同社の10年3月期第3四半期(09年4-12月)決算は、連結営業利益が前年同期比5.9%減の7026億5300万円で通期予想に対する進捗率はほぼ想定通りの内容といえ、サプライズ的なものは特にない。注目すべき点は、決算説明会において、山田隆持社長がSIMロックフリーについて言及したこと。携帯電話にはSIMカード(電話番号を特定する為の固有のID番号が記録されたICカード)が使われており、違う携帯電話会社間では使えない。SIMロックフリーとはこの垣根を崩す事を指す。複数回線契約需要の開拓、SIMロックフリー端末比率上昇による平均調達単価の下落、1人当り獲得費用の下落などの好影響があるとする。新しい施策は同社のビジネスモデルを大きく変える可能性もあり将来への期待も膨らむ。
投資期間6ヶ月
目標株価18万円
損切りライン13万円
◎6902 デンソー

前引け後に、2009年4~12月期の連結決算と併せ、10年3月期の連結最終損益が750億円の黒字(前期は840億円の赤字)になりそうだと発表。従来予想(200億円の黒字)から大幅に黒字幅が拡大する見通しとなり、好感した買いが膨らむ場面があった。
◎9613 NTTデータ
2010年3月期の連結営業利益が前期比24%減の750億円になりそうだと発表。従来予想(9%減の900億円)から減益幅が拡大する見通しで、嫌気した売りが広がった。
◎3861 王子紙
2009年4~12月期連結決算で、営業利益が前年同期比84%増の534億円となり、業績の改善基調を好感した買いが続いている。販売数量は減少したものの、原燃料価格の低下やコスト削減が利益を押し上げた。
◎8604 野村HD
2009年4~12月期の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が493億円の黒字(前年同期は4923億円の赤字)だったと発表。投資銀行部門は米リーマン・ブラザーズの部門買収後で初めて黒字に転換したことを受けて朝方は買いが先行したが、今後の収益回復を見極めたいとの見方から徐々に買い手控えムードが広がった。
◎8219 青山商
ジーンズメーカー大手のリーバイ・ストラウスジャパンと提携、ジーンズ販売に参入すると3日付の日本経済新聞朝刊が報じたことを好感して個人投資家を中心とした買いが広がった。寄り付き直後に前日比43円高の1328円まで上昇した。
◎2670 ABCマート
1月の既存店売上高は前年同月比4.0%増となった。前月の8.6%増から伸び率は鈍化したものの、3カ月連続でプラスとなったことを好感した買いが入った。
◎8604 野村HD
2009年4~12月期の連結決算(米国会計基準)は、最終損益が493億円の黒字(前年同期は4923億円の赤字)だったと発表。投資銀行部門は米リーマン・ブラザーズの部門買収後で初めて黒字に転換し、収益回復を好感した買いが入った。年末に相次いだ国内企業の公募増資で、大型案件の大半で主幹事を引き受けたことが寄与した。

◎明日の株価材料
■イビデン:3月通期上方修正

イビデン(4062)は3日引け後、第3四半期の決算を発表すると同時に、通期の業績予想を修正した。10年3月通期の連結経常利益は160億円予想(前回予想121億円、前期34.84億円)。連結純利益は94億円予想(前回予想75億円、前期87.11億円の赤字)。パソコン市場の回復、高性能パッケージ基板の世代交代に伴う高付加価値品の需要増加の影響等により上方修正。
■シャープ:4-12月期の連結経常利益74%減
シャープ(6753)は3日引け後、第3四半期の決算を発表した。09年4-12月期の連結経常利益は前年同期比74.2%減の55.99億円。連結純損益は85.91億円の赤字(前年同期は378億円の赤字)。通期の業績予想は従来予想を据え置いた。10年3月通期の連結経常利益は200億円予想。連結純利益は30億円予想。
■ホンダ:3月通期上方修正
ホンダ(7267)は2日引け後、第3四半期の決算(米国会計基準)を発表すると同時に、通期の業績予想を修正した。10年3月通期の連結営業利益は3200億円予想(前回予想1900億円、前期1896億円)。連結純利益は2650億円予想(前回予想1550億円、前期1370億円)。売上高の増加、コストダウン効果、研究開発費の減少、為替影響などにより上方修正。年間配当は36円(前回予想は32円)とする。前期は63円だった。
■大日本印刷:3月通期上方修正
大日本印刷(7912)は3日引け後、第3四半期の決算を発表すると同時に、通期の業績予想を修正した。10年3月通期の連結経常利益は540億円予想(前回予想400億円、前期473億円)。連結純利益は230億円予想(前回予想200億円、前期209億円の赤字)。薄型ディスプレイの需要回復により、エレクトロニクス部門および生活・産業部門の業績が改善している。コストダウン対策も奏効し、上方修正。



気になったNews
◎リコー、暗い場面の画質向上…広角高倍率デジカメ「CX3」発売
株式会社リコー <7752>は3日、光学10.7倍(28~300mm)の広角・高倍率ズームを搭載したデジタルカメラの新製品として、裏面照射型CMOSセンサー、進化したノイズリダクション機能を搭載したデジタルカメラ「CX3(シーエックス・スリー)」の開発、新発売を表明した。販売開始は19日から。新製品「CX3」は、裏面照射型CMOSセンサーの搭載や、「GR DIGITAL III」(2009年8月発売)搭載のアルゴリズムを採用したノイズリダクション機能で、暗いシーンの撮影における画質性能が向上した。また、カメラを被写体に向けるだけで最適なシーンモードに切り替わる「シーンオートモード」を新たに搭載。撮影シーンに応じて、カメラが自動的に最適な撮影設定に切り替わるので、簡単にきれいな写真撮影を楽しめる。このほか、1280×720画素のHD動画撮影機能の搭載、「ダイナミックレンジダブルショットモード」拡大効果への詳細設定追加、シーンモードへの「ペットモード」追加など、快適に写真撮影を楽しめる機能も強化。デザインコンセプトの「毎日使いたくなる道具」としての機能を充実させた。付属品には、リチャージャブルバッテリー、バッテリーチャージャー、AVケーブル、USBケーブル、CD-ROM(ソフトウェア)、ストラップなどが含まれる。
◎米でプリウスの苦情相次ぐ ブレーキに不具合、100件以上か
トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」で、ブレーキの不具合に関する苦情が米道路交通安全局(NHTSA)に100件以上、寄せられていることが3日分かった。苦情は昨年5月以降に日米で発売された新型プリウスに集中しており、トヨタは「事実関係について確認中」(広報部)と説明している。だが看板車種のトラブルは、トヨタの主力市場である米国での販売動向に悪影響を与えそうだ。NHTSAへの苦情の多くは、低速で滑りやすい路面を走ると、瞬間的にブレーキが利かなくなるというもの。新型プリウスはトヨタ堤工場(愛知県豊田市)などで生産され、燃費の良さと最低205万円という低価格が受け、平成21年の国内販売台数は旧型も含めて前年比3倍弱の20万台、米国でも14万台に達した。トヨタは米社製のアクセルペダル部品の欠陥で、1月下旬、欧米や中国などで合計約450万台のリコール(無料の回収・修理)を出した。トヨタは「部品ごとの耐熱試験は実施しているが、車両全体の試験は抜けていた」(佐々木真一副社長)として、検査項目を増やすなど品質管理を見直す方針を示していた。
◎国交省、無料化実験の高速道37路線を発表
国土交通省は2日、6月から全国の高速道路37路線の50区間、計1626キロで無料化の社会実験を開始すると発表した。首都高速と阪神高速を除く全路線の18%に相当する規模で、全車種を対象に、時間帯や曜日に関係なく自由に通行できるようにする。無料化されるのは地方の高速道路が中心で、首都高や阪神高速など、3大都市圏内や札幌、仙台、広島、福岡の各都市圏内と、これらを相互に結ぶ路線など、利用者が多い路線は、混雑を招くとして除外された。実験に伴い、2010年度は1000億円の国費が、高速道路会社の収入を穴埋めするために予算措置される。一方、昨年3月に始まった地方の高速道路全体を対象とした「上限1000円」の割引制度は廃止する方針だ。新たに乗用車を上限2000円、トラックを同5000円などとする、走行距離に関係ない料金制度を、無料化対象外の路線で実施する方向だが、割引条件などは検討中だ。民主党は、昨年の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)で「高速道路の原則無料化」を盛り込んでおり、社会実験は、11年度からの本格的な無料化実施に向け、経済効果や渋滞の影響などを調べるのが目的。
◎大阪の市民団体が河村前官房長官を背任で告発
小沢問題よりも重大
東京地検はなぜか消極姿勢
小沢疑惑よりも、こっちの公金“横領”の方がはるかに重大問題だ。自民党の河村建夫前官房長官が昨年9月、2億5000万円の内閣官房報償費(官房機密費)を引き出したのは背任罪か詐欺罪に当たるとして、大阪市の市民団体「公金の違法な使用をただす会」が1日、東京地検特捜部に告発状を出した。 この機密費をめぐっては、別の市民団体が昨年10月、使途開示を求める情報公開請求を内閣官房に出したが、詳細は不開示。このため、市民団体は今年1月、処分取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こしている。「市民団体がこの機密費を執拗(しつよう)に問題視するのは当然です。本来は政策推進や調査情報対策などに充てられるカネだが、河村が引き出したのは昨年8月30日の総選挙後で、しかも、それまでは1カ月1億円程度の支出だったのが、たった2週間で2億5000万円を引き出したのです。目的外支出は明らかで、仮に幹部で山分けしていた場合は小沢問題どころではない」(政界事情通)
原告代理人のひとりで、弁護士の辻公雄氏はこう言う。
「今回の支出は明らかに違法です。野党に転落した自民党が当時、機密費を使う必要性は全くないし、使途を明かさない性格のカネだからといって、“横領”していいはずもない。東京地検は告発状について『検討させてほしい』と言っているが、小沢事件では市民団体の告発をあっさり受理したのだから、こちらも同様に受理して捜査するべき。仮に受理しなければ、不受理を理由に提訴するし、受理しても不起訴や起訴猶予にした場合は検察審査会に不服申し立てするつもりです」
検察の「恣意(しい)的」な捜査手法が追及されるのも時間の問題だ。
◎レクサス暴走で米運輸省「電子制御系を調査」
米運輸省のラフード長官は2日公表した声明の中で、昨年起きたトヨタ自動車の高級車「レクサス」の暴走事故に関連し、「エンジンの燃料弁の電子制御システム(ETC)が原因である可能性がある」と指摘、徹底調査する意向を明らかにした。電波の干渉が、意図しない加速を引き起こす可能性があるとしている。トヨタは「電気系統に問題はない」と説明してきただけに、新たな不具合が見つかれば、さらに信頼を損なうことになる。調査は数か月かかる見通しだ。ETCは、ドライバーがアクセルを踏み込んだ深さに応じて電気信号をエンジンに送り、燃料弁を調節して車の速度を上げ下げする。大規模リコールを行うアクセルペダルの不具合について声明は、「問題は決着しておらず、欠陥の可能性を調査し、リコールの履行状況の監視を続けていく」と強調した。また、米メディアは大規模リコール問題で、運輸当局がトヨタに民事制裁金を科すことを検討していると報じた。


過去掲載銘柄に関する情報
◎出光興産が大幅反発、シティ証が投資判断を引き上げ
シティグループ証券は3日付リポートで同社の投資評価を「3H」(売り・高リスク)から「2H」(中立・高リスク)へ、目標株価は5200円から6000円に引き上げた。10年3月期第3四半期決算について、10-12月期に石油精製の実質赤字が7-9月期の半分以下にまで縮小したのは、同業他社の実質赤字が横ばいだったのに対してポジティブだと指摘。株主資本の毀損(きそん)リスクは後退したとする。また、今後の注目点は本決算発表時に公表される見通しの中期経営計画で、(1)設備廃棄を伴う能力削減(2)ベトナムの製油所計画の詳細――などに関して意欲的かつ具体的な内容が示されれば、株価は上昇に転じる可能性が高そうだとした。
◎4021  日産化学工業
「中期成長」を語る資格を持つ数少ない電子材料銘柄、野村が「2」→「1」、目標株価1320円→1600円
野村では、「10~12月期の営業利益は25億円と当社予想の41億円には届かなかったが、農薬で一時的な買い控えが起きたことを除けば実質的にはほぼ想定通りの推移となった印象である。農薬は10~12月期は例年ならばほぼ収支均衡となる時期だが、今期は10年年初に値下げする『ラウンドアップ』で買い控えが発生したため14億円の営業損失にとどまった。ただし需要環境に大きな変化はない模様で、10年1~3月期には強い反動増が期待できる」、「我々は、10年3月期通期の営業利益の従来予想180億円に変更を加えないが、11年3月期については、(1)電子材料を含む化学品の従来想定以上の市況回復、(2)発表が続く農薬・医薬での製品の品揃えの拡充、を織り込み、従来予想200億円から20億円ほど上方修正した。12年3月期の営業利益については、同社の過去のピークであった08年3月期の248億円を超えると予想する。電子材料業界では、『異常な低操業からの脱却』から『ピーク利益の更新』へ、投資テーマが移りつつある。今後1~2年では、多くの銘柄が回復基調にありつつもピーク更新までは難しいのに対し、12年3月期にも過去最高益が可能な同社の相対的な魅力は高まろう」と指摘。今2010年3月期連結営業利益を会社計画175億円(EPS62.7円)に対し180億円(EPS63.2円)と予想し、来2011年3月期連結営業利益を従来予想200億円(EPS73.1円)から220億円(EPS80.7円)へ、2012年3月期同220億円(EPS80.7円)から250億円(EPS92.3円)へ増額。レーティングを「2」から「1」へ、目標株価を従来の1320円から1600円(11年3月期予想基準PER20倍)へ、それぞれ引き上げた。