下部暮 樽実です。


日本の歴史上、最大の地震。


被災地の皆様には

心からお見舞い申し上げます。


地震の瞬間

私は、新宿にいました。


若い女性のお客様3名にご乗車いただいていました。


突然、ハンドル操作ができなくなり、停車しました。

片側1車線の道路、

マンションや、店舗から

たくさんの人が飛び出してきました。


私の車を

挟むようにして林立する

マンション・ビルが大きく揺れています。


悲鳴を上げるお客様。


つとめて冷静に

「大丈夫ですよ」

「落ち着きましょう。」


路肩に車を止めて

キーをつけたまま

避難するか?


しかし、

この状況の中で

車外に出て


混乱下で、

動揺しているお客様を

安全に避難誘導できるか?


さまざまな

想いが頭をよぎりました。


お客様に

嘘をつきました。


「お客様、僕は阪神淡路の地震を経験しているから」

「大丈夫」

「落ち着いて、僕の指示に従ってくださいね。」


しばらくして(実際は、かなり長かったけど)、

揺れがおさまりました。


お客様降車後


私の車を含めて、空車のタクシーには

乗車を求めるお客様が、

波のように押し寄せます。


私は、周囲を見渡し

お年寄り、お身体の不自由な方、

そして小さなお子様をお連れの

お客様を探しました。


街はまだ

パニック状態には陥っていませんが


我れ先にという状況が起きつつある状態でした。


一人の男性が

車の窓をたたき


杖をついた女性を指差し

「乗せてあげてくれ」


もちろん、車から降り

手を引いてご乗車いただきました。


通常なら

30分程度

料金だって、4~5千円で

お送りできる目的地が、


3時間

一万五千円になりました。


いつもだったら

稼げることはうれしいけど

実に

複雑な心境でした。


ところで

私の心も落ち着いた頃


大きな不安が

私の胸を締め付けます。


親父・お袋は大丈夫だったろうか?


でも、

お客様乗車中

私的な電話なんかかけられません。


電話だって

なかなか通じないだろう。


連絡したい

出来ない


そんなジレンマの時、


何度も何度も

胸の携帯のバイブが震えます。


誰だろう?

家族の無事の連絡か?


それとも……


まさか????


渋滞で

なかなか進むことができない車内で


こっそりと着信を確認する。


10通くらいのメールが入ってる。

家族ではなかった。


私の無事を案ずる

大切な仲間からのメールだった。


返事をしたいけど

さすがに

出来ない。


その後も

胸の携帯は

メールの受信を伝える振動


その度に

大きな不安が押し寄せたけど、


こうして

心配してくれる仲間が

いることに

勇気づけられもした。


3時間ほどして無事、

お客様をお送りした後


直ちに「回送」にして

自宅に連絡。


かなり繋がりにくかったけど

ようやく

家族の無事が確認できたので

営業に戻った。


大混雑のなか

ともかく、

ともかく、


多くの人に

安全と安心を


そう思って

営業につとめた。


もちろん

仮眠も取れない

食事だってできない

トイレだってままならない。

(正直言って、オシッコくらいだったら)

(洩らしちゃっても仕方ないと思った)


いつもの悪い癖で、長々と綴っちゃいました。

ブログ、お休み中の僕だけど、


でも、

大丈夫です!

って、報告したくって

久しぶりにパソコンに向かいました。


しかし、

こんな悲しいこともあった。


あんな状態なのに

歩いたって、2~3分で行ける

飲み屋さんまで

当り前のように、人を押しのけて車に乗り込もうとする

常識知らずの人間。


明らかな

乗車拒否だけど、

お断りしました。

罵声を浴びせられたけど

断りました。

それで、

ペナルティーがあるなら

甘んじて受けとめる覚悟で。


そして

深夜に無線で配車された

羽田空港での


もう、完全に

僕が、

人間不信に

陥ってしまうような

出来事。


詳しく書こうとすると

悔しくて

暴れ出してしまいそうになるような

残念な出来事。


長いタクシー行列のできた

羽田空港国際線ターミナル。


何度も乗車を依頼されるけど

僕は、

ご予約のお客様を待たなければならない。


3時間半待った。


お客様が来たら

お名前を伺い、お客様を確認して

ご乗車いただく。


当然

〇〇様ですか?

なんて、聞いちゃいけない。


お名前は?


そう聞いて

確認する。


3時間半

お待ちしている間


何度も

飛行機から降りられないでいるお客様や、

会社と電話連絡(公衆電話)した。


それを

その、電話の内容を

聞かれていた。


〇〇だけど。


ご乗車いただいた。


お疲れのお客様に

誠心誠意

接客した。


目的地に着いた。


逃げられた。


料金は

二万五千円を越えている。


完全に

信用しきっていたから


何の疑いもなかった。


トランクに入れた

お土産袋を

取り出そうとしている隙に


逃げられた。


袋の中は

ごみくず。


完全に計画的な


詐欺。


会社に報告したが


被害額は

ドライバー負担。


このところ


ブログ休んでたのも


稼がなくっちゃいけないから


寝る時間を惜しんで

頑張って

稼いでいたのに


すべてが

パー!


なんか

もう

完全に

人間不信。


この

歴史に残るような

災害の中


みんなが

生きるために頑張っているのに。


無念!


悲しい!


被害にあった分を

早く取り戻すためにも


明日からまた

死に物狂いで

働かなくっちゃ。


今日の公休は

休むことにしました。


ごめんなさい、


最後は

愚痴になっちゃった。


明日から

また、しばらく

休みます。


皆さん


頑張ろうね。


樽実