千葉県某所、総武線沿線のとある駅の近くにあるスナックでのお話

おじさんは友人と、隣の席にはおじさんと同い年くらいのおっちゃん(仮に男A)がそれより少し若めの同僚らしき男性(仮に男B)と座っていた

実はおじさんは歌にはかなり自信があって(自慢!)、一緒に行った友人もなかなかの渋い美声の持ち主

しかし男A、Bは話し声とかでかいくせに、正直歌自体はあんまりお上手ではなかった

しかも男Bは歌自体があまり好きではないらしく、洋楽好きで日本の歌は全然知らないから日本人の歌手も日本の歌もよく知らないから、カラオケ好きじゃないんだよねえ~と話していた

それでも男Aはお構いなしにどんどん歌を入れていき、ついにえれえ歌が下手なのに
C-C-Bの
「Romanticが止まらない」
を歌いだした

声はでかいのにキーがあってないし、声域がすごく狭いから全然声が出ない

普通歌いなれた歌なら、声が出ないなら出ないなりに低い声でごまかしたりするものだが、どうも歌詞も全然知らないし歌ったことがあまりなさそうな感じすらした

なんでこの歌入れたのよと思っていたら、またでかい声で男Aが男Bに話しかけ始めた

男A:C-C-Bって知ってる?

男B:あ~なんとなくは知ってますよ

男A:メンバーの米川って俺の親戚なんだよ



俺の心の声:あ~それでね

男B:楽器の担当は何?

俺の心の声:リードギター!

男A:エレキ!

俺の心の声:はぁ?エレキ?いつの時代の人よ

男B:えっ?

男A:いやだから、エレキ!

男B:エレキ?

男A:そう、エレキ!

俺の心の声:いやいやC-C-Bはベースもドラムもエレキだから

男B:……メガネ?

俺の心の声: そうなるわな。そうなるよ。普通ギターをエレキなんて言わないもん。エレキドラムと言いたいのかと思うよな普通

男A:メガネかけてないよ、エレキだよエレキ?

男B:あぁ……

男A:いい?メガネはドラムだよ、エレキなんだってば!

男B:いやぁ~……

俺の心の声: だからドラムもエレキだし、広い意味で言えばキーボードも含めてメンバー全員エレキなんだってば

男A:わかんないかな~エレキ?エレキだよ本当にわかんないエレキ?

男B:う~ん……

男A:結構メンバーの中では男前なんだよ!エレキだよエレキ!

男B:はぁ……

俺の心の声: CCBは楽器全部エレキだし、男前で人気があったのはボーカルでサイドギターの関口だと思うんだが……

男A:なんだかなぁ~もう!

俺の心の声:お前がなんだかなぁ~もう、だよ!あとそっちの奴もエレキがどの楽器を指すのか聞けよイライラするな~!

結局、最後まで男Aはエレキを連呼

男Bもエレキがどの楽器を指すのか追求しないまま

3人の男の胸になんとも言えないモヤモヤしたものを残して夜は過ぎていったのだった