1997年11月16日、日本はマレーシアのジョホールバルという街で、ワールドカップ出場を賭けてイラン代表と対戦。

勝負は一進一退のまま、延長戦に突入。

最後は途中出場の野人と言われた岡野が見事にゴールデンゴールを決め日本が勝利。

ジョホールバルには、日本代表と日本の応援団の歓喜の声がいつまでも鳴り響いた。



その前に岡野がチャンスを潰してしまうシーンがあったため、本人もこのままでは日本に帰れないという強い決意から生まれた貪欲さが生んだゴールだった。

きっと岡野という選手は、技術的に日本代表になれるレベルの選手ではない。

それでも召集されたのは、彼のスピード、運動量、そして何よりボールに泥臭く食らい付くその貪欲さ故だったと思う。

岡田監督は岡野のスピードと貪欲さがゴール前で何かを起こすかもしれないことに賭けた。

そして、その賭けに勝った。

今ならば、岡野は絶対に日本代表には選ばれない。

今の日本代表には、岡野という技術的に未熟な選手が入り込める余地は全くない。

確かにこの18年で日本代表は格段に強くなった……はずだ。

技術面も飛躍的に向上し、メンタル、フィジカル共に格段にタフになっている……はずだ。

本当にそうだろうか?

今の日本代表が当時の日本代表とやったら、泥臭く食い下がられた挙げ句に、最後は競り負けてしまう気がする。

当時の日本代表は確かに今より実力的には劣るかもしれない。

しかし、今の日本代表にそう容易く負けるとは思えない。

ワールドカップの度に過去最強のチームだと聞いている気がするが、実は大して強くなってはいないんじゃないか?

そんな気がしてならない。

おじさんの今の日本代表の印象はこうだ。

消極的なオフェンスと、積極的過ぎて持ち場を簡単に離れるディフェンスと、大声出すだけで指示を出せないキーパーが織り成す不協和音。

果たして、今の日本代表は18年前よりも強くなっていますか?