東スポの記事より | 辰巳琢郎オフィシャルブログ「道草日記ーTakuro’s Michikusa Daysー」by Ameba

東スポの記事より

昨日の『東京スポーツ』(4/1付)に、僕の記事が大きく掲載されました。お読みになれなかった皆様の為に、文章をそのまま転載しておきます。ただ、10日ほど前のインタビューなので、情報や空気感に若干ズレがあるかもしれませんが、悪しからず…


~1人ひとりが胸に刻め! 辰巳�琢郎(52)が東日本大震災での被災者を救いたいと思う全国の人へメッセージを送った。大阪出身だが、東北に知人が多く、いまは身を切る思いだという。国のリーダーの力不足、原発問題など、独自の震災への思いを語った。~

2005年から丸4年間、仙台放送制作の「情熱エンジン」(東北6県+新潟県で放送)という番組で各地の町おこしをレポートしてきましたから、100回以上は東北に行っています。知人も多い。連絡が取れた人も沢山いますが、いまだに連絡取れない人も。一刻も早く現地に行って何とかしてあげたい。だけど、何をしていいのか、自分に何が出来るのか、悶々とした日々を過ごしていました。

そして石巻の友人からの電話のことをブログにアップしたら、「子どもが餓死」というフレーズが注目され、すごい騒ぎになってしまいました。でも皆さんの熱すぎるレスポンスに僕はかえって冷静になれたんです。

支援に向けての様々な動きは毎日のように耳にしています。でも全く統一感を覚えません。

支援一つをとっても自衛隊と現地の自治体、民間のボランティア団体をまとめ切れていない。被災地間格差がますます広がったり、支援に行った医師たちがどこへ向かえばいいのかの指示がなく仕方なく戻ってきた…。中央防災会議も安全保障委員会も一度も招集されていないと聞きました。まさにリーダーの力不足を感じます。行き当たりばったりに新しい部署や役職を作るなど、パフォーマンスにしか見えません。自らが先頭に立って、力強く引っ張っていくリーダーが、今こそこの国に必要だと痛感します。

僕たちにとって一番大切なのは、この大震災を長く忘れないでいることではないでしょうか。今はマスコミも震災を大きく取り上げて日本中が「義捐金を」という雰囲気になっていますが、今後はどうでしょう。

阪神大震災のときは3か月もしたら何事もなかったかのように別のニュースが流れ、「みんなで募金しましょう」という気運もなくなっていたように思います。

福島の原子力発電所の問題も大切です。僕はもともと、原発絶対反対論者でしたが、賛成反対を言うには原発のことをきちんと知らなければいけないと思って新潟の柏崎刈羽原子力発電所にも青森の六ヶ所村の再処理工場にも見学に行きました。もちろん火力発電所も水力発電所も見ています。

自分たちの使っている電気はどこから送られているのか、どうやって作られているのか。そんなことも知らないで環境問題のことを語って欲しくない。

今回の原発報道を見ていても、キャスターやコメンテーターの中に、実際に原子力施設に足を運んだ人がどれだけいるのでしょうか。それ以上に、電気がなければ生活できない今の日本、特に大都会に住み、エネルギー問題のことをきちんと考えたことのない人が多すぎます。

とはいえ、僕自身まだ結論は出せていません。省エネの不便な生活を選ぶか、原発を容認するか。結局は二者択一なんだということを、素直に認める必要がある。今回の震災で皆さん目が覚めたんじゃないでしょうか。

義捐金も大切ですが、できれば長いスパン(期間)で考えた支援をしたい。そして復興したら、東京の人は毎年4回春夏秋冬と、西の方の人でも年に1回、東北を旅するというのはどうでしょう。東北には美しい自然が、美味しいものがたくさんあります。チェーン店ではなく、地元のお店で食べ、買い物をし、お金を使いましょう。それが一番の応援になると僕は信じています。三陸沿岸の壊滅した町も村も、元通りにするというより、さらに魅力的な場所にすることを、今すぐにでも考えて、行動するべきでしょう。

仲間達と『KIBOWプロジェクト』というのを始めました。「ボウ」は「レインボウ」の「ボウ」です。希望がなければ、長い復興の道のりを歩めません。皆さんもご協力をよろしくお願いします。