片頭痛 | あ~した、てんきになぁれっ!

あ~した、てんきになぁれっ!

動物園ひとり旅 as times goes by

5月21日放送分の『主治医が見つかる診療所

テーマは「片頭痛」

今回のメイン医師は
 汐留シティセンターセントラルクリニック 病院の清水俊彦医師。
 年間3万人以上の片頭痛患者を診察するスペシャリスト。








清水医師)
  片頭痛のメカニズムはいろいろな説があるが、
  現在では、三叉神経血管説という説がいちばん確実じゃないかといわれている。

  ※三叉神経
     目、鼻、頬、唇、顎などの感覚を司る神経で、脳の血管の周りを取り囲んでいる神経
     その三叉神経と血管の関係が頭痛の原因であると…。

清水医師)
  何らかの原因で脳の血管が広がると、周りの三叉神経を刺激する。
  この三叉神経から更に刺激されて炎症を起こす物質が血管の周りに出されて、
  更に血管を拡張させて痛みを出す。
  というのが、現在考えられている片頭痛のメカニズム。

  ※三叉神経は血管の周りに張り巡らされているので、
    血管が拡張することによって、神経が圧迫されて痛みにつながる。。。

なぜ血管は拡張するのか?
清水医師)
  血液中にはセロトニンという血管の収縮作用がある物質が流れている。
  セロトニンが減ると血管が広がる
  →血管の周りを取り囲む三叉神経を刺激し片頭痛が起こる。

(血管拡張の原因は様々)
嶋大輔 )  「天気予報」って言われてて、次の日に雨が降るとか、
       そういう時は必ず、ドコーン、ドコーンと…(頭痛がする)。
草野仁)  今おっしゃってたケースは…。
清水医師) そうですね。台風が近づいてきたり、
        低気圧が近づいたりすると人間の身体は少しむくむんです。
        そうすると脳の血管も一緒にむくんで片頭痛が起こりやすくなります。
        だから片頭痛の方は天気が崩れるのがわかるんですね。
嶋大輔)  ホントにわかりますね。
清水医師) 嶋さん見てたら天気予報を見る必要はないんです(笑)
(一同爆笑)
嶋大輔)  大体95%以上の確率で当たりますね(笑)


清水医師)
  片頭痛の発作のたびに、脳の血管の周りに炎症物質が掘り出されるわけですから、
  1回1回脳の血管が目に見えないダメージを受けているわけです。
  そのダメージの積み重ねが将来脳の血管を傷めつけて脳梗塞を起こしたりする、
  ということが海外の報告で既にわかっています。

清水医師)
  痛い時に痛みをほったらかす、これが一番いけないんです。
  そのたびに日本人というのは我慢をするのを美徳だと考える人種のひとつなんですけど、
  片頭痛の痛みを我慢することは何の得にもなりません

 ※片頭痛患者は普通の人に比べ脳梗塞を起こす確率が2倍になる
   という統計結果が3年前にオランダで発表された。
   決して甘く見てはいけない病、それが片頭痛。。。
   しかしながら、医師でさえも難しい片頭痛の診断。
   片頭痛患者でも最終的に片頭痛と診断されるまでに
   いくつかの病院を回ったというケースは非常に多い。


●清水医師とゲストの問診

(1)大桃美代子  … 思春期の頃から後頭部がズーンと痛む
 清水) おいくつですか?
 大桃) 41歳です。
 清水) 結構、歳なんですね (一同爆笑)
 大桃) そんなことはどうでもいいです(苦笑)。頭痛を診て下さい、頭痛を。。。
 清水) 月に何回くらい頭が痛くなりますか?あるいは週に何回くらい痛くなりますか?
 大桃) 週にはそんなに痛くならないですけど、月に2回くらいですね。
 清水) 痛みはどのくらい続きますか?
 大桃) その日だけです。
 清水) 生理前後や排卵日前後に痛くなることはありますか?
 大桃) わからないです。
 清水) あなた、ちゃんと見てます?ご自分の排卵日とか…。
 大桃) 全然、見てないです。
 清水) それはいけない!ダメですよ。
 大桃) そういうのも関係あるんですか?
 清水) 関係あります!

 清水) 痛い時に電気を消してしまうとか、あるいはテレビを消してしまうとか、
      あるいは、タバコのにおいとか香水のにおいが嫌だとか、
      そういうような症状が何かありますか?
 大桃) 体調が悪い時はちょっとしたにおいで酔いやすくなるんです。
 清水) すぐ酔いやすくなりますね。
 大桃) 光はパソコンとかやってると、すごくチカチカするので、後で冷やすようにしてます。
 清水) おめでとうございます。これはもう立派な片頭痛ですね。
      まだ、結婚はされてないですね?
 大桃) いえ、結婚してます。
 清水) お子さんはいらっしゃいますか?
 大桃) いないです。
 清水) 妊娠した経験は…?
 大桃) ないです。
 清水) おそらく、妊娠されると頭痛、急にこなくなると思います。
 大桃) ???(首をかしげる)

 大桃) 思春期の時の方がずっとスゴかったんですよ。
      今はだんだんと楽になってきているので、治りかけなんだなと…思います。
 清水) 片頭痛は脳の血管が動脈硬化を起こし、拡がりが悪くなってくると治まってきます。
      これはある意味では治まって来たというのは、少しお歳が…。
 大桃) 年齢が…。
 清水) 上がってきたという、ひとつの証拠ですね。


(2)彦摩呂  … 振り向きざまに側頭部が脈打つように痛む
 彦摩呂) よろしくお願いします。
 清水)  大きいですねぇ。おいくつですか?
 彦摩呂) 40歳です。
 清水)  何歳くらいから頭が痛くなりました?
 彦摩呂) 20代半ばくらいから。
 清水)  20代くらいの頃はどういう時に痛くなりましたか?
 彦摩呂) その頃は若かりし日踊ったりしてましたんで、
       踊って運動の後ホッとした時にちょっとズキッて…。
 清水)  子供の頃はよくお腹が痛くなったりしましたか?
 彦摩呂) 時々してました。
 清水)  ワイン飲んだ時に頭が痛くなることはないですか?
 彦摩呂) それはあります!
 清水)  わかりました。片頭痛は間違いないと思います。鼻も悪いかもしれないですよね。
       おそらく、この方、片頭痛もお持ちなんですけど副鼻腔炎、
       いわゆる蓄膿症もお持ちになってると思います。
 彦摩呂) 僕、副鼻腔炎になりかけたことありました。
 清水)  いや、もうなってると思いますよ。


(3)ゼッターランド・ヨーコ  … 8年前バレー選手を引退後、頭痛に悩まされる頻度が増えた
 清水) 失礼ですけど、ハーフですよね?
 ヨーコ) そうです。スウェーデンと日本のハーフです。
 清水) お舅(しゅうと)さんとか姑(しゅうとめ)さんにいじめられて…。
       (一同大爆笑、特に草野仁が…)
 東野幸治) (草野仁に向かって)診察ですから我慢して下さい(笑)
         ※ ゼッターランド・ヨーコは草野仁の息子の嫁だそうで。。。
 清水) いじめられて夜になってホッとして
      チクショウと思った時にガーンときたことはないですか?
 ヨーコ) (伏目がちに)いえ、それはないです。。。
 東野幸治) それしか言い様がないじゃないですか!(一同爆笑)
 草野仁)   言いにくいよね(笑)

 清水) 痛み以外の症状は何かありますか?
 ヨーコ) 1回だけですね。戻した(吐いた)ことがあります。
 清水) 痛くなる前に肩が突っ張ったりあくびが出たり、そういう症状はありませんか?
      (自席に戻った大桃美代子が手で口を押さえて、のけぞるような大きなリアクション)
 ヨーコ) あるかも…。
 清水) ありますよね?
      立派な片頭痛です。
      特に西洋の方は非常に片頭痛が多いですし、
      今の症状からは片頭痛に間違いないです。
 ヨーコ) ありがとうございました。

 東野) あとですね、うちの磯山 もせっかくやから…、短時間やし…。
 磯山) すいません、さっきの話、全部合ってたんです。
 清水) この方はおそらく顔だけで片頭痛なんですよ。
 東野) ということは?
 清水) 美人が多いですね。(笑)
 東野) 大桃さん?
 大桃) ちょっと良い気分(笑)

 清水) 小学校くらいから頭痛いの出てますよね。
 磯山) はい。
 清水) 高学年くらいですよね。
 磯山) そうですね。
 東野) (磯山を指差し、清水に向かって)何も言うてません!(爆笑)
 清水) 月にどのくらい痛みますか?
 磯山) 週に1回くらいです。
 清水) 週末とか休みの日とかに痛みますか?
 磯山) 休みの時にも痛みます。
 清水) よく考えて下さいね。頭痛い時にトイレに行くことがなくなりませんか?
 磯山) はい、ありますけど…。
 清水) あまり、おしっこしたくなくなるでしょ。
 磯山) そうですね。
 清水) ちょっと体がむくんだみたいな感じになりますよね。
 磯山) はい。
 清水) 立派な片頭痛です。
 磯山) へぇ~。(感心したように…)

※ 整理すると、片頭痛の人は乗り物や光、音などに弱く、
  特にリラックスして血管が拡がった時に痛みを感じる傾向があるようです。

 東野) すごいでしょ?この先生。一緒に回りましょ、全国。お金徴収して…(笑)
 草野) ありがとうございました。
 清水) 1人(嶋大輔)、残ってないですか?
 東野) もうわかってますから、大丈夫です。
 清水) 診察来ないんだもん、最近。(一同爆笑)
 東野) せっかくやから近況報告したらいいですよ。

(4)嶋大輔
  ※ 清水医師は嶋大輔の主治医。
     嶋大輔は若い頃から頭痛に悩まされていろいろな病院にいったが改善せず、
     人から紹介されて清水医師の診察を受けた結果、劇的に改善したという。。。
 清水) ダメですよ。良くなったからといって病院に来ないのは!
 東野) 最低ですね!最低の芸能人!
 嶋)   電波使って怒らなくてもいいじゃないですか!
 東野) たまには行って下さい(笑)


●片頭痛のポイント
 ・子供の頃、喘息を患っていた。
 ・血圧が低く、朝が苦手。
 ・二等親以内に頭痛持ちがいる。

清水医師)
  片頭痛と喘息の合併率が非常に高いです。40%以上あります。
  ほとんど、10人中9人までが片頭痛の方は低血圧の傾向があります。
  だいたい、朝が弱い方が多い。。。
  片頭痛は遺伝する可能性が非常に高いです。
  しかもひとつ飛びにだいたい悪くなるんですよ。
  だから子供が片頭痛だと、その子から見ておばあちゃんとかおじいちゃんに
  ものすごくひどい頭痛の人がいるというのがパターンですね。


●他の頭痛にはない片頭痛の特徴 … 痛み以外の症状
  下痢(100人中5人)
  めまい、立ちくらみ(100人中16人)
  音に敏感になる(100人中40人)
  吐き気、嘔吐(100人中81人)

清水医師)
  片頭痛というのは基本的には血管が拡張するわけですね。
  ですから、血管が拡張することによって全身のいろんな症状が出てくるわけです。
  小腸の粘膜の血管が拡張することによって吸収障害が起きて下痢をしますし、
  あるいは片頭痛の情報というのは脳の中をつたって上がっていくんですけど、
  吐き気の中枢を通過する時に吐き気をきたす、
  視床を通過する時に光や音に過敏性を生じる、ということになります。
  だから片頭痛の情報というのは、だんだん目の奥からずっと脳の中を上がっていくわけです。
  その時にいろんな症状をもらってくるわけです。


●片頭痛の対処法
 ・頭を冷やす
 ・カフェインの入っているものを飲む
 ・頭をきつく縛る

清水医師)
  片頭痛の時は頭の皮膚の血管、顔の血管が拡張しているので、
  例えば、昔の殿様が、よく頭に紫の鉢ハチマキを巻いてましたね。
  あれは浅側頭動脈という耳の前でドクンドクンしている血管を
  ハチマキで縛ることによって自然に血流を少し遮断して痛みを和らげているんですね。
  また、昔のおばあさんが梅干を貼る…。
  あれは医学的に確証があって、片頭痛の痛い時に梅干を貼ってヒリヒリさせることで
  痛みを集中させて大本の痛みを感じにくくさせるわけですね。
  例えばハッカ水を塗ったりすると一時的に痛みが和らぐような感じがする…。
  これは対処法としては間違ってはいません

金武英 医師)
  殿様の紫のハチマキは高血圧性の頭痛であって梅干も高血圧性の頭痛と習ったんですよ。

 ※高血圧性の頭痛
    上(拡張時)の血圧が200mmHgを超えた状態で頭蓋内の血管が拡張し、
    圧力が上がることによって起こる頭痛。

清水医師) 高血圧の時にハチマキをして(頭の)血管を締め上げても、
        血圧は下がらないと思うんですよ。
金医師)  下がらないけど、そう習ったんですが…。
清水医師) ん~。高血圧じゃないと思います。あれは片頭痛だと思います。

南淵明宏 医師) カフェインは血管を開くんですか?
清水医師)    いや、カフェインは閉じるんです。血管を少し収縮させるんです。
           (上山博康 医師も同調)
南淵医師) そうすると…。
(南淵医師、金医師、清水医師、上山医師が同時に小声で議論しだして…)

東野) あの大丈夫ですか?皆さん。4人でちっちゃい声で喋ってますけど…。(一同笑)
上山医師) 自信がないと、ちっちゃくなる。。。
金医師)   専門的な話になっちゃったんで…(笑)。

草野仁) 嶋さんの場合には、どう対処されてました?
嶋大輔) とにかく薬をすぐに…。痛くなりそうだと思ったら薬を飲んでました。
草野仁) 鎮痛剤ですか?
嶋大輔) はい、そうですね。俗に言う鎮痛剤。
      それを繰り返しているとだんだんと効かなくなってくるんです。

上山医師)
  頭痛薬に関してなんですが。。。
  頭痛薬を意味なく飲むことはダメです!
  原因がわからない…、清水先生などに診てもらって片頭痛の特効薬とかあるんですよ。
  適切にやるのは良いんですが…。
  痛みといっても体にとって必要な作用なんです。
  例えば熱いお湯に触れたら熱い!と逃げるからやけどしないで済むんです。
  捻挫したら足が痛いです、歩けません。だから捻挫が治るんです。
  痛みを止めちゃうと歩きます。捻挫はボロボロになります。
  原因がわからない痛みに対して、痛みを止めるということは…。
  原因を治さない治療は悪化させるだけなんです。
  だから、絶対ダメです!

  (耳が痛い…市販の風邪薬と頭痛薬はいつもカバンの中に入ってる…byタテメ)

 ※ 自己診断だけで痛みだけを取り除くのは非常に危険。
    (専門医による原因の解明が必要であるということ)

清水医師)
  嶋さんはもともと片頭痛をお持ちなんですが、
  検査の結果、もうひとつ頭痛を起こす原因をお持ちだったんです。
  嶋さんは、それに対して、両方の痛みに対して、痛み止めで対処していた。。。
  (嶋大輔のMR画像を見ながら)
  目の横の副鼻腔というところに炎症を、いわゆる蓄膿症をお持ちになってた。
  ですから鼻の粘膜の神経が慢性の炎症で刺激されることによって
  片頭痛+蓄膿症で別の刺激の痛みが加わって、それで頭痛の回数が多かったんです。
  それに対して、また痛み止めでごまかして、どんどんどんどん痛みに対して敏感になって
  毎日薬をお飲みになるという、そういう状態になってしまってたんです。

上山医師)
  必ず1回は精密な画像診断で基本的病変を見逃さないで欲しい。
  脳腫瘍の初期とかも類似した症状が出てきます。
  副鼻腔炎の話が出ました、慢性の中耳炎、
  首から上の慢性の炎症疾患が出た時、きわめて類似した症状が出ます。
  メニエール病なんかも激しい頭痛を訴えるメニエール病の患者さんもいらっしゃいます…。
  だから頭痛を診る時に脳だけ診る医者はダメです!
  必ず脳に近いところにある炎症なり、そういう病気なんで…。
  実は首まで診て欲しいんですね。
  首まで全部調べて、そこに病気があるかを診て欲しいです。

清水医師)
  われわれは必ず頭痛の診断をするときに、
  明らかにこれは片頭痛の回数としては多すぎるという場合には、
  必ず脳の検査をして他に何か頭痛を増強しているものがないかどうかを
  チェックしないといけないわけです。
  ですから必ずそういう脳腫瘍とか副鼻腔炎とかそういうものがないかどうかを
  チェックした上で、それから片頭痛に対しての治療をしていくのが大切なことです。

  (ろくな検査もしないで最初から決め付けるような医者はダメだということ)
  (そういう医者の診断結果なんか信用せずにサッサと他の医者に診て貰いましょうと…)
  (by タテメ)

 ※ 
  眉間の奥にある脳下垂体に腫瘍ができて脳や神経を圧迫し、
  放置しておくと失明の危険性もあるという「脳下垂体腫瘍」。
  小脳が頭の骨から脊髄の方に落ち込み死に至ることもある「キアリ奇形」など、
  副鼻腔炎の他にも様々な病気で片頭痛に似た痛みを発症する。
  このような病気を見逃さないためにも専門医による適切な検査が必要となる。


●偏頭痛を緩和したり発症を予防する食材
 「うなぎとひれ」 … 食材の頭文字を組み合わせたもの。
  う … うなぎ
  な … 納豆
  ぎ … 牛乳 
  と … とうもろこし
  ひ … ひじき
  れ … レバー


清水医師)
  これらはビタミンB2とマグネシウムを比較的多く含む食材です。
  ビタミンB2には脳の神経細胞の興奮性を少し抑える作用があります。
  マグネシウムには脳の血管を安定させ異常に拡がるのを防ぐ作用があります。
  この両方は片頭痛の予防効果のある食べ物なんです。
  ですから、こういった食材を元に食事を作ったものをお食べになると
  比較的食事を食べながら偏頭痛を少し予防できるということになります。

以下、これらの食材を使用して料理専門家が考案した料理の試食会。
 (特製チヂミ、特製ミルクスープ。 レシピについては番組のHP を参照)